「お疲れ様です」と言いたい~女将が見抜いた『偽Booking.com』の正体
最近、宿泊業界を狙った巧妙なフィッシング詐欺が増えています。
先日、私の元にも“Booking.com”を装った一通のメールが届きました。
その内容がこちらです。

女将の“間違い探し”:ここがおかしい!
長年、毎日欠かさずお客様とのメールをチェックしていると、この手のメールには独特の“違和感”が漂っているのがわかります。パッと見た瞬間に「ああ、偽物だな」と確信したポイントを挙げてみます。
送信元のメールアドレスが「個人用」
(このスクショには載せていませんが、)メールの送信元が、公式ドメインではなく個人のプロバイダアドレス(@max.hi-ho.ne.jp など)になっていました。世界的な予約サイトが個人のアドレスで連絡してくるはずがありません。
当館には存在しない「長期滞在」の予約
メールには12月9日から14日までの5日間の予約とあります。当館ではこのような長期滞在は基本的にお受けしておらず、この時点でお客様の顔が浮かびませんでした。
3ヶ月も前の話が、なぜ今?
12月の宿泊に関するトラブルを、3月になってから「24時間以内に対応しろ」と急かしてくる。この時間の感覚のズレこそ、詐欺メールの特徴です。
日本語ではない“ドイツ語”の文面
そもそも、日本にある当館に対して、ドイツ語で通知が来ること自体が不自然です。
“見た目”に騙されないで
感心してしまうのは、デザインの巧妙さです。
Booking.comのロゴを使い、色使いやボタンの配置まで、本物の管理画面そっくりに作られています。
忙しい業務の合間に、もし焦って中身をよく確認せずに「Überprüfen und antworten(確認して回答する)」というボタンを押してしまったら……。そこからログイン情報を盗み取るのが、彼らの狙いです。
デジタル時代こそ、最後は“人の目”
便利な世の中になりましたが、こうした悪意もまた、形を変えて日々忍び寄ってきます。
「何だか変だな」その一瞬の直感こそ、どんなセキュリティーソフトよりも強力な防衛策かもしれません。
特に、現場を預かる宿泊施設の皆様。お忙しい毎日かと存じますが、こうした“偽物の急かし”には、どうぞ冷静に、一呼吸置いて向き合っていきましょうね。
箱根強羅温泉 にごり湯の宿
桐谷箱根荘 女将
