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「辞めたい」と言われた時、習い事・部活とどう向き合うか


「もう少し頑張れば」と言いたくなる時

私は現役15年目の教員です。「部活を辞めたい」という相談を、生徒からも保護者からも、これまで数多く受けてきました。

子どもから「辞めたい」と言われたとき、多くの大人は「もったいない」「もう少し頑張れば」と、続けることを勧めたくなります。せっかく続けてきたことを途中で手放すのは、本人にとっても大人にとっても、簡単な決断ではありません。

しかし、「辞めたい」という言葉の裏には、様々な理由があります。単なる一時的な気持ちの場合もあれば、人間関係のつまずきや、心身の限界を伝えているサインである場合もあります。この違いを見極めずに「続けなさい」と一律に返してしまうと、本当に助けが必要な場面を見逃してしまうことがあります。

この記事で手に入るもの

この記事では、「辞めたい」と言われたときの受け止め方と、続ける・辞めるを判断するための視点をまとめています。あわせて、工藤勇一さんと木村泰子さんの考え方も紹介します。

読み終えたときに、「もったいない」だけで判断しない、次の一歩を持ち帰っていただければと思います。

まず今日から変えられること1つ

「もったいないから続けなさい」を、**「今、一番しんどいのはどんなところ?」**という問いかけに変えてみてください。

結論を急がず、まず本人の中にある理由を聞くことで、続ける・辞めるの判断を、本人が納得した形で選べるようになります。

「辞めたい」の背景を見分ける視点

1. 一時的な気持ちなのか、継続的な悩みなのか

大会前の緊張やちょっとした失敗がきっかけで、一時的に「辞めたい」と口にすることがあります。この場合、少し時間を置くだけで気持ちが落ち着くこともあります。一方で、何週間も同じ悩みを抱えている場合は、根本的な要因に目を向ける必要があります。

2. 人間関係が理由になっていないか

指導者や仲間との関係がうまくいっていないことが、「辞めたい」の本当の理由であるケースは少なくありません。この場合、活動そのものへの気持ちよりも、人間関係の悩みとして扱うほうが、本質的な解決に近づきます。

3. 心身の限界のサインではないか

疲労の蓄積や、睡眠不足、体調不良が続いている場合、「辞めたい」は無理を伝えるサインであることがあります。この場合は、続けさせることよりも、まず休ませることを優先する判断が必要です。

4. 本人の意思をどこまで尊重するか

最終的にどうするかは、本人が納得して選べることが一番大切です。大人が結論を決めてしまうと、続けた場合も辞めた場合も、後から「やらされた」という感覚が残ってしまうことがあります。

この考え方の背景にある、2人の元校長先生

工藤勇一さんについて

工藤勇一さんは、東京都千代田区立麹町中学校の元校長です。宿題の廃止など異例の改革で知られ、著書『学校の「当たり前」をやめた。』はベストセラーになりました。現在は横浜創英中学・高等学校の校長です。

工藤さんは、大人が結論を急いで与えるのではなく、「本当はどうなりたいのか」という上位の目標を、本人と一緒に確認することを大切にしています。「辞めたい」という言葉に対しても、「続ける」「辞める」のどちらかをすぐに選ばせるのではなく、「この活動を通して、本当は何を得たかったのか」を一緒に振り返ることで、本人が納得できる判断につながりやすくなります。

木村泰子さんについて

木村泰子さんは、大阪市立大空小学校の初代校長です。すべての子どもが同じ教室で学び合う教育を実践し、映画「みんなの学校」で大きな反響を呼びました。

木村さんは、子ども自身の「自分で決める」力を尊重する姿勢を大切にしています。辞める・続けるという選択も、大人が正解を決めるのではなく、本人が自分の状況を理解したうえで選べるよう、周りの大人が見守ることが求められます。

場面別・言い換えフレーズ集

| 場面 | 言いがちな言葉 | 言い換え |
|---|---|---|
| 「辞めたい」と言われた直後 | 「もったいないから続けなさい」 | 「今、一番しんどいのはどんなところ?」 |
| 理由がはっきりしない時 | 「ちゃんと理由を言いなさい」 | 「言葉にしづらいなら、それでも大丈夫だよ」 |
| 疲れている様子の時 | 「甘えてるんじゃないの」 | 「最近、体はしんどくない?」 |
| 決断を急かしたくなる時 | 「早く決めなさい」 | 「決めるまで、少し時間かけていいよ」 |

つまずきやすい場面と対処

「本人の気持ちを聞いても、はっきりした理由が出てこない」ということがあります。こういう場合、理由を明確にすることにこだわりすぎず、「今は言葉にできなくて当然」という前提で、時間をかけて見守ることも選択肢のひとつです。

また、続けることを選んだ場合でも、無理を続けさせないよう、その後の様子を継続的に確認することが大切です。「続ける」と決めた瞬間がゴールではなく、そこからの関わりも同じくらい重要になります。

続けるための工夫

「辞めたい」という言葉への向き合い方は、一度の会話で完結するものではありません。本人の気持ちは日によって変わることもあるため、継続的に様子を確認しながら、判断を急がせない関わりを心がけてください。

どちらを選んでも、その選択を本人が納得できる形にすることが、その後の成長につながります。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。もしこの記事が、お子さんや生徒との向き合い方を考えるきっかけになったなら、**「スキ」を押していただけると励みになります。続ける・辞めるという選択は、多くのご家庭が一度は向き合うテーマです。同じような場面に立った時に、また思い出していただけるよう、「フォロー」していただけると嬉しいです。**次回は「朝、起きられない子への関わり方」を予定しています。

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