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ゲーム・スマホをめぐる毎日のケンカを減らす声かけ


「あと5分」が守られない毎日

私は現役15年目の教員です。ゲームやスマホの時間をめぐる親子のすれ違いは、これまで多くの保護者から相談を受けてきました。

「あと5分」と言ったのに、10分たっても20分たっても終わらない。声を荒げて取り上げると、子どもは不機嫌になり、家の中の空気が悪くなる。この繰り返しに疲れている保護者は少なくありません。

教室でも、ゲームの話題は生徒同士の会話の中心になっています。禁止すればするほど、隠れて使うようになったという話も珍しくありません。

ゲームやスマホそのものが悪者なのではなく、「時間の約束」をめぐる大人と子どものやり取りが、関係をすり減らしていることが多いのです。

この記事で手に入るもの

この記事では、ゲーム・スマホの時間をめぐるケンカを減らすための声かけの型をまとめています。あわせて、工藤勇一さんと木村泰子さんという2人の元校長先生の考え方も紹介しながら、なぜその声かけが効くのかをお伝えします。

読み終えたときに、次に「あと5分」が守られなかった場面で、頭ごなしに叱る前に使える一言を持ち帰っていただければと思います。

まず今日から変えられること1つ

「もうやめなさい」を、**「終わる時間、一緒に決めておこうか」**に変えてみてください。

大人が一方的に決めた時間より、子ども自身が関わって決めた時間のほうが、守ろうとする気持ちが生まれやすくなります。

場面別・言い換えフレーズ集

【家庭用】

| 場面 | 言いがちな言葉 | 言い換え |
|---|---|---|
| ゲームを始める前 | 「時間になったらやめなさいよ」 | 「今日は何分にする? 自分で決めてみて」 |
| 約束の時間を過ぎた時 | 「もうやめなさいって言ったでしょ」 | 「決めた時間、過ぎてるよ。あと何分でキリつけられそう?」 |
| 何度も約束が守られない時 | 「もう取り上げるよ」 | 「今のやり方だと難しそうだね。次はどうしようか」 |

【教室用】

| 場面 | 言いがちな言葉 | 言い換え |
|---|---|---|
| 授業中にスマホの話題が出た時 | 「授業に関係ない話はやめて」 | 「面白そうだね。休み時間にもっと聞かせて」 |
| 生活記録でゲーム時間が気になる時 | 「時間を減らしなさい」 | 「今の使い方で、困ってることある?」 |

この考え方の背景にある、2人の元校長先生

工藤勇一さんについて

工藤勇一さんは、東京都千代田区立麹町中学校の元校長です。2014年から2020年まで校長を務め、宿題の廃止や定期テストの廃止など、公立中学校としては異例の改革を行ったことで知られています。著書『学校の「当たり前」をやめた。』は10万部を超えるベストセラーになりました。現在は横浜創英中学・高等学校の校長として改革を続けています。

工藤さんは、ルールを大人が一方的に押しつけるのではなく、子ども自身が納得できる形で関わって決めることの大切さを語っています。ゲームやスマホの時間についても、この「一緒に決める」という発想が応用できます。

木村泰子さんについて

木村泰子さんは、大阪市立大空小学校の初代校長です。2006年から9年間校長を務め、障害の有無に関わらずすべての子どもが同じ教室で学び合う教育を実践しました。この様子を追ったドキュメンタリー映画「みんなの学校」は大きな反響を呼びました。

木村さんは、子どもを「みんなと同じにできているか」で見るのではなく、その子自身のペースで見ることの大切さを語っています。ゲームの時間についても、他の家庭と比べるのではなく、その子と家庭に合ったペースを探すという視点が活きてきます。

なぜこの言い換えが効くのか

工藤さんの、ルールを一緒に決めるという考え方は、時間管理を「大人からの指示」ではなく「自分との約束」に変える効果があります。自分で決めた約束は、他人に決められた約束よりも守ろうとする気持ちが生まれやすいものです。

木村さんの、その子のペースを見る視点は、「よそはもっと厳しくしている」といった比較から離れ、その家庭に合ったルールを作る助けになります。

つまずきやすい場面と対処

「一緒に決めても、結局守られない」という相談を受けたことがあります。

こういう場合、最初に決めた時間設定自体が、その子にとって現実的でないことがあります。短すぎる時間を設定すると、最初から守れない約束になってしまいます。少し余裕を持たせた時間から始め、守れた経験を積み重ねていくほうが、うまくいくことが多いです。

また、約束が守れなかったときに感情的に叱ってしまうと、次の話し合いがしづらくなります。守れなかった事実だけを確認し、次にどうするかを一緒に考える姿勢を保つことが大切です。

続けるための工夫

ゲーム・スマホの時間管理は、1回のルール決めで終わるものではありません。

週に1回程度、「今の時間の決め方、うまくいってる?」と振り返る時間を作ってみてください。ルールは一度決めたら終わりではなく、子どもの成長に合わせて見直していくものだと考えると、親子どちらにとっても負担が軽くなります。

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