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ポマールで過ごした二日間


フランスの田舎は、私には縁のない世界だと思っていた。旅の計画中も、「パリを離れたくない」と言い続けていた。けれど、ワイナリーを巡りたいという夫の希望で、後半はブルゴーニュへ向かった。きっと退屈するだろうと思っていた。

その予想は、いい意味で外れた。

最初に泊まったデジョンの町の可愛らしさに感動した。翌日は、ブルゴーニュ地方の中でも特に静かで上品な雰囲気を持つ、ポマールという小さなワイン村へと進んだ。中心には小さな教会があり、12世紀のロマネスク様式が今も残る歴史ある佇まい。普通の家のようなブティックホテルにチェックインした。

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ところが、ここでもまた、いい意味で大きく裏切られることになった。

自然体の優雅さを宿す、大人の隠れ家ホテルだった。歴史と現代の美意識が調和する滞在空間。部屋から出たくないと思うほどだった。

夕方に近所を散歩すると、ぶどう畑の向こうに沈む夕陽の美しさに圧倒された。周囲はしんとしていて、店もほとんどない。そこで車に乗って隣町へ向かった。

翌日は雨だったので、「この部屋にいたい」という望みが叶った。マッサージを頼むと、小柄なフランス人女性が現れた。ラベンダーエッセンスをたっぷり使い、クラシック音楽の流れる中で、身も心もほぐしてくれた。次に夫が施術を受けているあいだ、私は隣の部屋で本を読んだ。ときどき窓の外に目をやると、薔薇の花が震えている。特別なことは何もしていないのに、満たされていく感覚があった。

そのあとは雨も上がり、隣町のボーヌへ夕食に出かけた。

翌日、夫が言った。「ワイナリーより、一緒にサイクリングに行こう!」

近所の店で電気自転車をレンタルし、ぶどう畑のあいだを縫う道をふたりで走った。人影は少なく、看板もほとんどない。延々と続くぶどう畑。働く人たち。そして、古いワイナリーの建物。

ヨーロッパに住む人や地方暮らしの人にとっては、見慣れた風景かもしれない。でも私には、絵本の中に入り込んだような別世界の美しさだった。かつて訪れたカリフォルニアのナパやソノマのワイナリーも良かったけれど、こちらの方が感動した。

いくつかの村を通り過ぎても、人影はまばら。石造りの家々が静かに並び、小さな教会がひっそりと建っている。レストランの数も少なく、商業の匂いがしない。フランスの田舎の魅力は、やっぱり看板も広告もほとんどないことだ。標識ですら控えめで、道にはゴミひとつ落ちていない。

途中でランチをしたり、ワイナリーに寄ったり、お茶の時間をつくったりしていたため、四十キロ走ってもまったく苦にならなかった。電動自転車のおかげもあるけれど、それ以上に、心が軽くなっていた。

退屈すると思っていたフランスの田舎で、私たちは動くことと、動かないことの両方を味わっていた。

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