シャーリーマクレーンの「アウト・オン・ア・リム」現実は自分で創る&愛の世界
シャーリーマクレーンの「アウト・オン・ア・リム」
お客様に勧められたのを機に、YouTubeで映画版『アウト・オン・ア・リム』を丸ごと観た。
シャーリー・マクレーンが偉大な女優であり著者であることは若い頃から知っていたし、日本のメディアでこの本が薦められているのも何度も目にしてきた。けれど、何十年もの間、なぜかスルーし続けていたのだ。
観終えた今、猛烈な衝撃とともに、このタイミングで出会えたことへの感謝が湧き上がっている。若い頃の私なら、きっとここまで共感できなかったはずだ。
本書は日本に「精神世界」を広めた先駆的な一冊として有名で、チャネリングや輪廻転生といったエピソードが多く含まれる。けれど、そうしたスピリチュアルな知識に興味がなかろうと、恋愛の渦中でドタバタと足掻いている大人の女性にこそ、今すぐ観てほしい作品だと確信した。
私はこれを、未知の精神世界の話としてではなく、ひたすら「愛」の物語として観ていた。
アラフォーにして、不倫、遠距離、ドラマチックなのに先が見えなくて苦しい恋。そんな泥沼のような関係性の中で悩み果て、傷つき、それでもどうにか自分を成長させていく。彼女の実体験としてのスケール感には、ただただ強烈に引き込まれる。
相手に期待を抱くことすら許されず、成功した大人の女性としてのタフさを求められる恋愛。そんな過酷な状況下でも、彼女は決して都合の良い女に成り下がらない強固な軸を持ち続ける。それでいて、男からの「愛している」の言葉をいじらしく待つ一面もあり、思わず「分かる」と胸が締め付けられる。
同じような状況に陥ったとき、人は簡単に軸を失ってバランスを崩すし、自爆して自滅していくことだって珍しくない。けれど彼女は崩壊する代わりに、そのエネルギーを「自分探しの旅」へと鮮やかにシフトさせていくのだ。
ネタバレになるから詳細は伏せるけれど、彼女が旅の果てに変容を遂げ、映画の後半で口にする「ラブ」という言葉は、すでに異次元のレベルへと昇華されている。
日本語版の単行本には『愛さえも越えて』という副題がついている。 まさに、男女の狭い恋愛感情を遥かに超越した、壮大な世界へのシフト。
後半、彼女は「自分の現実は、すべて自分が創り出している」という真理に鮮烈に目覚めていく。作品の奥底から終始流れ込んでくるのは、圧倒的な「愛の周波数」の偉大さそのものだ。
かつて孤独な恋愛に身を焦がし、自分の現実に絶望していた過去の私に、そっと手渡してあげたかった。
男女の愛の、その先にある偉大な人間愛。私たちはそこへ辿り着くために、今日も不器用な恋をして、自分を不器用に磨き続けているのかもしれない。
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