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東京の夜中にデジャブー「移民は帰れ!」


真夜中過ぎた静かな裏通りに、突然、大声が響いた。
酔っ払った二人組の外国人男性が、路上で英語で騒いでいた。外の空気を感じたくて窓を開けて寝ていたから、余計にうるさく聞こえたのかもしれない。

目が覚めて、あれ?ここはどこだっけ?と混乱した。あ、そうだ、私は東京にいたんだ。じゃあ、彼らの方が外国人だ。

アメリカでも、人気レストランやバーの徒歩圏に住んでるけど、こんなふうに酔っ払いの声で目覚めることは滅多にない。さすがにイライラしてきた。隣で同じく目を覚ました夫も、アメリカ人として申し訳なく思ったのか、いそいそと起き上がってベランダに出て、彼らに向かって英語で叫んだ。

「Hey guys, could you keep it down? People are sleeping!」
二人はハッとしたように「Sorry!」と謝って静かになった。夫も「Thanks」とだけ返して部屋に戻った。あっさりと一件落着。ぼんやりしていた私の中では、場所の感覚が曖昧になり、どこかシュールな光景のように感じられた。彼らもきっと悪気はなかったのだと思う。

そしたら、ふと——大昔の記憶がよみがえった。

スウェーデンに住んでいた頃に、友人たちと夜遊びに出かけたときのこと。
酔っ払った彼らが深夜に路上で言い争いを始めた。一人はスウェーデン人だが、大声を出しているのはどこから見ても移民の彼。私は運転係だったのでシラフのまま、うんざりして2人の喧嘩を眺めていた。すると、すぐそばのマンションの、5階くらいの部屋のベランダから男性が顔を出し、移民の彼に向けて怒鳴り散らしたのだ。

「うるさい!お前は自分の国に帰れ!」

びっくりした。

私自身は、そんな言葉を向けられたことはなかったし、誰かが面と向かって暴言を吐く場面を見たこともなかった。けれど、彼は日常的に「差別」と向き合っていた。地元の人がちょっと迷惑に思うような行動を取ることがあったからだと思う。

でも彼は、素面のときはとても人懐っこくて親切で、破天荒な自分の性格を変えることなく他人と向き合っていた。しかも、移民というハンデをバネに努力して経済的に成功していた。いくつかの店を持ち、数人のスウェーデン人を雇っていた。従業員たちからは愛されていたが、外の世界では嫉妬や偏見の目にさらされることも多かった。

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