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ワインを飲まない人が出会った、ブルゴーニュという文化

パリから車でブルゴーニュの田舎へ向かった。
目的地のひとつは、クロ・ド・ヴージョ。
「シャトー」と聞いて、勝手にお城を想像していた。

ぶどう畑の真ん中に現れた建物は、遠目に見ても古く、驚くほど質素だった。近づくにつれて道は細くなり、ようやく辿り着いた先に広がっていたのは、華やかさとは無縁の石の建物と中庭。

https://www.closdevougeot.fr/en/

あとで知ったのだけれど、ここは貴族の館ではなく、12世紀にシトー派の修道士たちが造った醸造施設だった。

建物の中には、当時のまま残された巨大な木製のワインプレスがあり、石造りの天井の下に、かつて発酵や貯蔵が行われていた空間が広がっていた。
説明を受けながら歩いていると、時間の層を踏んでいるような感覚になる。


熱心なスタッフの方

案内のあと、建物の一角でワインペアリングのランチが始まった。
ゲストは私たちを含めて数組だけ。
私はお酒が飲めないので、グラスを傾けるのは夫ひとりだったが、とても満足そうだった。



後になって、この場所がブルゴーニュのグラン・クリュの原点とも言われる存在だと知った。でも、私の記憶に残っているのは、ワインの知識やうんちくではない。

祈りと労働を重ねながら、修道士たちがぶどうを育て、醸し、受け継いできたという、その時間の重みだった。


ワインを飲むかどうかは、あまり関係がない。ここは、味わう場所というより、触れる場所だった。短い映像は、インスタに置いてある

観光という言葉よりも、過去への敬意や、積み重ねられてきた営みに、自然と背筋が伸びる。そんな体験だった。

追記:
なぜ修道士たちがワインを造っていたのか

ミサで用いるワインが日常的に必要だったこと、修道院が自給自足の共同体だったこと、そして当時は水より安全な飲み物でもあったこと。祈りと労働を生活の中心に置く彼らにとって、ぶどうを育て、醸すことは特別な営みではなく、日々の仕事の延長だった。




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