オペラ座の怪人が住んでいたパレ・ガルニエ
パリのオペラ・ガルニエ
パリのオペラ座で、いつかオペラかバレエを観てみたかった。
フランス旅行を決めたあと、アメリカからチケットを探したけれど、数か月前の時点ですでに完売。なので今回は見学だけになったけれど、それでも大満足だった。

見学チケットで足を踏み入れた パレ・ガルニエ は、建物そのものが舞台だった。
1875年に開場したこの場所は、重厚な美しさ。ただ歩いているだけで、視線も呼吸も、自然と上を向く。誰もがそれぞれの物語を重ねる場所だと思う。
けれど私の胸をいちばん高鳴らせたのは、「ここに、怪人が住んでいた」という伝説。
オペラ座の怪人。ガストン・ルルー が描いたその物語の舞台が、まさにこの建物。「彼が座っていたとされるボックス席」も存在する。
私がこの物語と出会ったのは、息子が四歳のとき。家族で訪れたニューヨークで、ブロードウェイ版を観た。ブースターシートにちょこんと座り、
彼は驚くほど静かに舞台を見つめていた。素晴らしい体験だった。
でも、白状すると、私の中で決定打になったのは、映画版の方。

だって映画版の怪人役、ジェラルド・バトラーの色気は、もう反則レベル。彼の演じる怪人は、仮面で顔を半分覆っていながらも、いい男ぶりが滲み出ている。危険で、切なくて、なによりも圧倒的にセクシーだった。
「怪人でもいい!」と思ってしまう女性、きっと私だけじゃないはず。
それに加えて、エミー・ロッサムが18歳で演じたクリスティーヌの美しさと歌声。あの映画の世界に、私は今でも恋している。
だからこそ、その物語が生まれたパリのオペラ座に立っていたということに、ふいにこみ上げてくるものがあった。
オペラ座の怪人は、本当に“いた”のか?
パリのオペラ・ガルニエには、今も「幽霊が住んでいる」と語り継がれる。
ルルーは実際にオペラ座で起きた出来事に着想を得ている。たとえば、1862年に舞台上で火に包まれた若きダンサー、1896年のシャンデリア落下事故、不審な死や、毎晩5番ボックス席に現れる謎の人物の噂。
実際、オペラ・ガルニエの地下には今も水がたたえられた貯水槽があり、物語の舞台としてのリアリティを今も支えている。
ルルーは小説の冒頭でこう書いている。「怪人は実在した。彼は想像でも迷信でもない。本物の幽霊のように、肉体を持って存在していたのだ。」
物語の余韻は、今もパリのオペラ座に静かに息づいている。
いいなと思ったら応援しよう!
応援ありがとうございます♡