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地球の裏側にある熱気

ナイロビで待ちぼうけを食らった夫からメッセージが届いた。 弟夫婦のフライト延期というハプニングさえ、大人の旅では「予期せぬ自由時間」に変わる。

夫はタピオカティーを片手に、Uberを呼び出した。 向かったのは、ナイロビ国立博物館。車窓を流れるのは、見たこともないほど多様な鳥たちと、木にぶら下がってお昼寝をするコウモリ。そんな野生の気配のすぐ横を、たくさんの日本車が左側通行で走り抜けていく。

迎えに来たのもトヨタ。右ハンドル。車内モニターには、当たり前のようにひらがなや漢字が並んでいた。 「読めちゃったよ!」と興奮する夫。 地球の裏側、人類の起源という壮大な歴史が眠る街で、日本の日常とふいに繋がり、高揚するアメリカ人夫。

実は、出発直前に鮮やかな偶然があった。
偶然再会した知人が、ナイロビに拠点を持つ支援団体のメンバーだったらしい。「ぜひ現地の情報を見てきて」と住所を手渡された。

そこで彼が見つけたのは、悲劇の色ばかりではなく、清潔な水や教育を形にしようとする人々の「生きるエネルギー」だったという。

まもなく、弟夫婦を乗せた飛行機が着陸する。 予定通りではないからこそ、手に入れられた自由時間。
送られてくる写真を眺めながら、リアルタイムの位置情報をマップの上に探す。時折、電波の波間に消えそうになる夫の声。その隙間を埋めるように入り込む、ナイロビの賑やかな雑踏の音。物理的な距離を飛び越えて、私の部屋に異国の熱気が流れ込んでくる。そんなふうにして、私もそのひとときを一緒に楽しんでみた。



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