年間費2万円の米国アマゾンプライムと生きる。。。のはイヤなのに、依存気味
日本のアマゾンプライムが年間5,900円であるのに対し、アメリカは139ドル。日本円に換算すれば、優に2万円を超える。
改めて計算してその格差に驚くけれど、2005年のサービス開始当初から利用している私は、今年もそのまま継続の手続きをとる。当時は80ドルほどだった年会費がどれだけ値上がりしようとも、人気が衰えないのには理由がある。
とにかく、比較にならないほど便利になった。
近所に倉庫が増えたおかげで、注文から最短2時間で荷物が届く。GPSで配達バンの現在地やドライバーの名前までリアルタイムで追跡できるし、こちらの要望をメモで残すことも可能だ。 さらに、返品の手軽さも桁違いである。品質に満足いかなければ、送料はアマゾン負担で気軽に返品できる。梱包すら不要で、徒歩3分の提携店に持ち込んでQRコードを見せるだけで済む。
この圧倒的な顧客第一の姿勢は、トラブルの際にも発揮される。
昨日、ふと胸騒ぎがしてカードの履歴を確認したところ、見覚えのない映画の購入や身に覚えのないサブスクの決済が並んでいた。不正利用を疑い、カード会社へ連絡する前にアマゾンのカスタマーサービスへ電話をかける。 対応してくれたスタッフは、こちらの不安に寄り添いながら、平謝りで瞬時に処理を完了させてくれた。その後のカード会社の対応も見事で、一切のストレスなく問題は解決した。このサービスの徹底ぶりを知れば、2万円以上の価値を認めざるを得ない。
便利さと引き換えに、失ったものもある。
デジタル世代でありながら「紙の書籍」を好む息子のために、私はずっとアマゾンを使い続けてきた。彼が求めるような専門的な本は、地元の小さな書店には置いていなかったからだ。そうして利便性に頼っているうちに、街の個性的な本屋は次々と姿を消し、残った大型チェーン店に足を運んでも、やはり欲しい本には出会えない。
だからこそ、ヨーロッパを旅したときに街のあちこちに本屋が健在しているのを見ると、どこかホッとする。あちらでは、アメリカのようにひっきりなしに配達トラックが行き交う光景をあまり見かけないのも新鮮だった。
ただ、車が一切入れないイタリアのベニスだけは別だ。
石畳の細い路地を歩いていたとき、昔ながらのリヤカーに荷物を山積みにし、息を切らしながら引っ張るお兄さんを見かけた。 「もしかして、これがベニスのアマゾン配達なのか」と、妙に感動してしまった。
ベニスの橋は、下にゴンドラを通すために中央が丸く盛り上がっている。あそこをリヤカーを押して超えるのは並大抵の苦労ではない。GPSどころか、本当に今日届くのかすら怪しく思えてしまう。
けれど、実際はそんなに原始的ではないらしい。世界遺産の水の都であっても、プライム会員の荷物は専用のボートに積み込まれ、運河を滑るようにして最速で届けられているのだ。
最先端のGPS追跡から、運河を行き交う配達ボートまで。 便利さを追求し続ける巨大なシステムに浸りながら、ふと、あの美しい街並みの不便さの中に残る、人間らしい温かさを愛おしく思ったりする。
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