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まず人間であること

2023年12月16日
 帯状疱疹はその後なかなかよくならないが、13日の日赤の定期受診では帯状疱疹(と服薬)の影響はまったく見られないということだったのでひとまず安堵した。「また本を書いたのですか」と医師にたずねられた。「健康を損ねたら意味ないですよ」と。その通りである。
 その、また書いた本である『つながらない覚悟」が刊行された。書店にも並び始める予定。
 今の時代には「つながらない覚悟」が必要である。これは他者とつながらないで生きるということではなく、つながる必要がない、あるいは、つながってはいけない、多くは依存、支配関係である他者とのつながりを断つという意味である。真につながるべき人とのつながりは大切にしたい。短い言葉ではまとめられないが、対人関係のあり方について論じた本である。
 コロナ禍の前に台北で講演をしたことがあるが、編集者との話の中でつながりについて本を書く約束をしたのが始まりである。それから、ずいぶんと長い歳月が流れた。その間、他の本を書かなかったどころかたくさん書いたが、この本のことは頭から離れたことはなかった。
 本書の10章は「まず人間であること」だが、この二十年ずっと書いてきた本で一番いいたいことはこのことに尽きる。
『今日もあなたに太陽を〜精神科ナースのダイアリー〜』の中で入院患者の一人がここでは皆精神病者だという場面がある。誰もが心を患うという意味では、ここでは皆人間である。ところが、社会的な肩書きから自由になれない人は、その事実をなかなか受け入れることができない。入院している時だけでなく、常に生きる時も「人間」として生きれば生きやすくなるはずだが、そうすることを難しいと思う人は多いように思う。