【解答編・後編その4】キングギドラ
樹木を見ていると、
がんばって生きてるなあ、
すごいなあ、立派だなあ、
と感心することが多い。
ですが、なかに、
そこまでやる? やれるんだね?
と、認識の限界を超えさせてくれる
のがいます。
で、そういう木は、発散している
気というのか、
気配がすごかったりします。
このキングギドラとか
たたりの木のソメイヨシノとか…
それはさておき。
あと、このテーマで、
書いておきたことは、2つです。
一つは、里山の木の更新などで行われる
「萌芽更新(ぼうがこうしん)」について。
もうひとつは、遺伝的なお話し。
では、順に。
「萌芽更新」という言葉に
なじみがあるかどうかは、
ふだんの生活や仕事などによると思います。
簡単に言うと、
生きた木を地際近くの
低い位置で切って、
その切り株から
伸びてきた枝を育てて
新しい木を再生させることをいいます。
すこし前まで、
薪や炭の原料とする木材は、
そうやって生産されていました。
そのような林を
「薪炭林(しんたんりん)」といいます。
萌芽更新は、
多くの種類の木で可能ですが、
針葉樹は、一般的にむりなものが多いです。
その理由は、生きているときから、
針葉樹は、
胴吹き枝(幹や枝の途中から伸びてくる枝)とか
ひこばえ(根株や幹の地際から伸びてくる枝)
を出さないものが多いこともあります。
特にマツは、作ったものの、
開かずに眠ったままの芽が
ほとんどないといわれます。
さらには、切られた後に、
切られた傷口近くにできる組織に
芽が作られ、それが伸びて
新たな枝となる、という現象が
おきにくいこともあります。
そして、日本産のマツは、
傷口近くに新しい芽ができることは
とても珍しく、
できたとしても、乾燥にとても弱く、
うまく生き延びられない
ことが多い、とされます。
こうなると、
大枝や幹を切られたり、
失ったりしたときの
再生力は、絶望的。
しかも、再生力は、
根や幹や太めの枝の
生きた細胞に
蓄えられているエネルギーに
支えられています。
だから、その蓄えがないと、
芽を開き、枝を伸ばすことも、
育てることもできません。
そういうわけで、萌芽更新は、
マツは、ふつうはムリ、なんですよね。
なのに。このキングギドラの木は
1本どころか、
5本も6本も枝を伸ばして、
それを幹にまで育ててしまうって
神業だと思います。
いや、怪獣ワザか…
二つめの遺伝、については
簡単に。
自然界には、似たものはあっても
(まったく)同じものはふたつとない、
というのが定説と思います。
だから、再生力にも
個体差というのか、
バラツキがあります。
それでも、根元から分岐した
株立ちのマツ、というのは
ほとんど見ることはなく、
まれにあると
「タギョウショウ」のように
自生地は、天然記念物だったりします。
それくらい、株立のマツは貴重ということ。
天然記念物、というのは、
貴重な遺伝資源を保存するためにも
指定されています。
だから、この生命力のひときわ強い
キングギドラの木は、
市の天然記念物に指定してもいいのかも?
国有林の木だけど…
ということで、だいたい
この木について
お伝えしたいことは
書き終えられた気がします。
もしまだ足りなくて、
キングギドラが夢に出てきたら、
そのときは、その5 を書き足します。
どうぞよろしくお願いいたします。
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