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「スンッ」と終わると思っていた生理が閉店感謝セールを始めた話

45歳を目前にして、生理がバーゲンセールを始めおった。

もともと若干PMSの気配がする程度で、生理痛はほとんどなく、期間も短めだったわたし。しかし、44歳と10ヶ月目から体が「そろそろ終わりにするよ~!」とじゃんじゃか暴れ始めた。

「閉経」ってもっと静かに「スンッ…」とフェードアウトしていくものだと思っていた。なんで、終わり際と思われるタイミングで逆に増えるわけ?「これまでのご愛顧ありがとう」ってこと…!?

これは一人の40代半ばの女が閉店セールと戦う話である。

結論だけ先にお伝えしてしまうと、わたしはいわゆる「更年期障害」にも当てはまらず、その他婦人科の病気にも該当していないことが検査によって明らかになっている。

つまりこの閉店感謝セールは「病気じゃない、障害でもない、ただの自然な老化現象」ってことになるらしい。逆に何なんだよもう!と言いたくなるけれど、実際に病院でそう言われてしまったのだから仕方ない。

フェーズ① 生理の「始まり方」がおかしくなった

最初に「変だな?」と思ったのは、44歳終盤ごろのこと。まず、生理が始まってるんだか始まってないんだかよくわからないチョロチョロ状態が3日ほど続いた。その後の生理は普通に終わったので、そのときは「なんかヘンな回だったなぁ」とアニメかドラマみたいな感想を抱いて終えただけだった。

このときは、まさかその後ずっとこの謎チョロ現象が続くなんて思いもしなかったのだ。

フェーズ② 生理が「終わり方」を忘れてしまった

数ヶ月後、謎チョロ現象に加えて、今度は「終わり方」がおかしくなった。

もともと平均4日ほどだったはずの生理が、2週間以上経っても終わらない。それどころか、従来の出血量とは比べ物にならない「MAX出血状態」が延々と続くようになってしまったのだ。

出血量が増えたことでナプキンの消費ペースが倍になり、使用期間も3倍に。夜は眠っている間に事故るのが怖いので、これまで一度も買ったことのなかった「マジでヤバい夜用・40cm」という特大サイズのナプキンだって初めて購入した。トイレットペーパーの消費も爆発的に加速し、夫からも「どうしたの歌耶子ちゃん、そろそろ干からびて死ぬのかい」と聞かれたほどだ。

「経血」っていうのは「赤ちゃんのために溜めておいたけど結局使わんのかーい!と捨てるもの」と習った記憶があったのだが、2週間も続けば流石にストック切れだ。途中からは明確に出血している。トイレは毎回殺害現場だ。わたしの体内で毎日コンスタントに殺人事件が起きているとしか思えない。何なんだこれは一体!

フェーズ③ 現実を知りたくなくて駄々をこねる45歳児

そして3ヵ月。45歳の誕生日を過ぎてからも、事態は改善されなかった。

流石にまずいなぁと思ったわたしは、とりあえず現代におけるおそらく一般的な反応であろう「Google検索」をした。しかし、それだけではいろんな可能性が提示され過ぎていて(しかも病名がたくさん並んでいて怖い!)、まったく安心できない。

そこでChatGPTに相談し始めた。

「これ、まだ病院に行くような不調じゃないよね?様子見でOK?」

そう、わたしは病院に行くのが怖いのだ。わたしは子どものいない女なので、婦人科というものに定期的に通った経験がない。自分の中のイメージは、婦人科検診のときの「内診」のみ。怖い!嫌だ!行きたくない…!

しかしChatGPTも甘やかしてくれなかった。

「2週間はさすがにおかしいです。一度病院に行ってください。貧血で倒れたら職場に迷惑がかかりますよ」

うっ、最後の一文が重い。実はわたしは塾講師という仕事をしており、このときは12月。このまま不調を引きずった結果、入試の時期に倒れる…そんなことはプライドが許さない。

諦めて近所の婦人科に電話をかけ、予約を取った。

(ちなみに2件ほど「直近には空いている時間帯がありません」と断られた。婦人科の予約って取りづらいのね。ひとつ賢くなっちゃった)

フェーズ④ 婦人科に行っていろんな意味で涙が出た

12月半ば、婦人科に足を運び、血液検査と内診を受けた。内診は本当に苦手で怖かった。20代の妊婦さんなども通うこの場所で、45歳の女が「内診怖いンデス…」と涙目になるという状況はなかなかすさまじいものであるが、実際に怖いものは怖いので仕方ないのである。

その日は「見た目で分かる異常はなし」ということだけが判明し、ホルモンバランスを整えて目の前の生理を止める薬を処方された。検査結果は2週間後、ということらしい。

初めて行く場所だったので行きはタクシーで向かったが、案外近かったので帰りは歩くことにした。夫に「診察が終わった、疲れた~」などとLINEをしながら住宅街をてくてくと。

そんな帰り道、なぜか先ほどとは別の名状しがたい感情があふれてきた。突然涙がにじみ、あわてて近くにあったパーキングの自販機の裏に逃げ込んだ。

「え、なんで?検査結果も出ていないのに?」と自分でもわけがわからず混乱したのが、おそらく「病院とつながったこと」に安心して、気が緩んだのかもしれない。

目の前の忙しさを言い訳にしたり、恐怖心を理由に目を逸らしたりし続けていたものの、実はこの数ヶ月間、わたしはずっと不安で緊張していたのだ。…という事実をこのとき初めて自覚した。

結果:検査結果は異常ナシ。

2週間後、病院に再び足を運んだ。ちなみにこの日もまた生理(15日目)みたいな状態になっていて、「あぁ、一回薬で整えたくらいじゃ治らないのかぁ」と小さく落胆しながらだった。

結果としては、「病気の類には当てはまらなかった」とのこと。良かった良かった。ちなみにあれだけ出血していたにもかかわらず「貧血ではない」というお墨付きまでいただいた。頑丈な肉体に生まれて良かった良かった。

この日は医師と今後の方針についても相談し、前回の薬とは別の薬を使って「もう少し積極的に生理を止めましょう」ということに。次の生理が来た数日後に飲んでね、と渡された薬は、この記事を執筆している時点ではまだ飲んでいない。どんな変化が訪れるのか、今はちょっとドキドキしている。

まとめ:「自然治癒しない不具合」というモノ

今回の生理トラブルで、わたしは初めて「老い」というものを実感した気がする。これはつまり、一時的な病気や不調ではなく「自身の身体に不可逆的な変化が起きている」ということだ。

これまでかなりの数の不調を「寝れば治るし」で誤魔化してきたわたしでさえ、今回の件には抗えなかった。きっとこういうことは、今後どんどん増えていくのだろう。

というわけで、「40を過ぎてからの不調は無視しても帰ってくれない可能性がある」ということを、読者の皆さまにもお伝えしたい。通院に際してわたしほど駄々をこねる人はいないかもしれないけれど、「大丈夫だろう」「忙しいから」と無理をしてしまう人が多い世代だと思うから。

長生きしたい人も、そこまででもない人も。とりあえず健康には気を付けた方がいい…と本当に心から思った出来事だった。

とか綺麗にまとめようとしてみたけれど、今の本音は…セールなんかいいからさっさと閉店してほしい!の一言である。

この記事を書いたひと: 田中歌耶子

ことばと文章に愛を注ぐ塾講師ライター。夫と二人暮らし。教育系取材記事から事件解説YouTube台本まで、文章と名のつくものであれば何でも書きたい雑食系物書きです。座右の銘は「Be my best」。

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