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リンワン、ハネてんな

な!!!

釣りみたいなタイトルでスマン。
内容はリスペクトをもって書きましたが、無知はコメントでフォローしてください。色々教えてほしい。そのためにこれを書いています。

2026年、正月。
冬休みのダラけた時間に「なんか観るか。そうだ、リンワンの新しいライブ映像出てたな」とYouTubeを検索し、最新の動画を再生し出した。

リンワンこと『Ringwanderung』さん。私が追っているライブアイドルグループ『きのホ。』と現場が被ったり、互いの主催フェスに呼び合ったりする中で、何度か見るうちに知ったグループ。私はきのホ。をきっかけにこの界隈に入ったのでリンワンのことは後から知ったのだけど、グループとして先輩だし、規模感的にも「リンワン姉さん」という感覚で見ている。

リンワン姉さんは気前が良く、毎年 KT Zepp Yokohama でのワンマンライブ映像をフルで無料公開してくれている。太っ腹ァ!
「期間限定」と書いてあったりはするけど、私が見るときにはだいたいいつも残っているので、普段からありがたく作業用BGMとして流させてもらっている。安定した歌唱とアップテンポな曲調で、目が覚めるんだよな🎶

ただ今回は、動画をただ垂れ流すだけじゃなくて、「腰を据えて見てみよう」と思ったのでした。

というのも、最近のリンワン、ノッてるから。
アイドルオタクをやっていると、「今このグループに風吹いてるな」「波乗ってんな」と感じる瞬間があると思うのだけど、今のリンワンにはまさにその感じがある。

そして見始めて冒頭。

うお~ッ レーザー演出スゲー!! カッコいい!! 気合入ってる! 
これを見たらコメントの「どうして紅白とか出てないんだろう…」にも頷いてしまうな…。

年々レベルアップするメジャーアイドル級の演出に痺れつつ、ライブアイドルってこれだけすごいことやっててもなかなか見てもらえてないのが歯がゆすぎるよな…と、ふと動画の下の再生回数に目をやり、

に、にじゅうごまんかいさいせい?????!?!?!?

一旦停止。え? なんかあんまこの界隈で見たことない数字見た気がする。気のせい?

推しグループのYouTubeチャンネルを開く。ちょうど昨年、最新のMVが過去最高再生回数を出して喜んでいたところだ。良いMVだしオタクみんなでハイプとかして盛り上げようと頑張ったよね。

大健闘。
ここいらの界隈では一万回再生いっていたらかなり頑張ってると言える。

待って、思ってた以上にリンワンえらいことになってんな。
思わずチャンネルの直近の映像も一覧で確認する。

※このキャプチャはその時でなくここ数日のもの

このライブ映像ひとつだけでなく、ここ最近の動画がいくつも再生回数が数万回を越えている。
ひゃ、ひゃくまんかいさいせい!?!、!?

ヒョエ~と汗をかきながら、しかし、この時私が思ったのは、「何かどっかでバズったんだ!」ではなく、「ああ…あの辺の布石がガッチリハマったんだな」だった。

というわけで、熱心に追っているわけではない、外側のオタクからははこう見えているよ~というのを書いてみます。前置きが長い!



リンワンとの出会いは2024年6月、出会った時には既に四人体制。ライブで耳に残った曲がまた聴きたくなり、帰ってから検索。『Adam』良いですね。
そこでYouTubeでダンスベースのMVを見たその時には、「ライブアイドルらしく、映像にはそんな力入れてないっぽいな」という印象だった。えっ、てかそのMV消されてるんですけど。今気づいた。思い切ったことするじゃん…。

ある日どこかの現場で見て耳に残った『燃える火曜日』にハマり、ライブでリンワンを見かけるたびに思い出して検索して聴くようになった。楽曲派界隈を前にこう言うと軽蔑されそうだが、私はその辺で耳に残った曲をYouTubeで検索して聴く以外にほとんど音楽を聴かない。ので、音楽サブスクもやらず、音源を買ってある時でさえほぼ毎回検索して聴く。
そんなある日、公式にアップされた、これまでとサムネの違う『燃える火曜日』を見かける。

Lyric Movie…いわゆる「歌詞動画」だ。

珍しい。この手の PV をライブアイドル界隈で見るとは思わなかった。

歌詞動画というのは、ボカロ曲や、それに連なる「歌ってみた」界隈ではスタンダードな形式の“動画”である。感覚的には“映像”や“ミュージックビデオ”と呼ぶのは少し抵抗があるくらいに「手書きPV」の系譜というか、ニコニコ動画らへん(実家)で生まれた文化、というイメージが強い。
クオリティが昔より上がっているのは確かだが、元を正せば「個人制作のボカロPが、絵師に初音ミクや曲のイメージの女の子のイラストを描いてもらってサムネにし、動画制作者がその単体素材をアップにしたりスライドさせたりしながら、歌詞も同じようにエモく表示して、映像としてどうにか間をもたせる」
という、「カネもモノもない」ジャンルから生まれた制作手段、という印象がある。 

綺麗な日本語で書かれた「リリックビデオ」の説明はこちら↑

だが私がここで書く“歌詞動画”は「歌詞がアニメーションするリリックムービー」全般というよりは、サブカル歌詞動画のことを言う

最近ではイラストもテキストアニメーションもすっかりオシャレに進化しているが、撮影すれば贅沢に動く生身のアイドルがいるのに、わざわざ「足りない」動画を作る意味があるのだろうか。

めっちゃ魅力的なサムネではある。良いイラストだな~! 
再生してみると、ア~まごうことなき歌詞動画! 差分はあれどもほぼ一枚絵でね! いやしかし今時の文字の出し方ってどんどんお洒落になるよな~。

女の子のイラストは、メンバーの佐藤倫子ちゃんに似ている気もするけど、特定のメンバーではなくて曲概念の女の子なのだろう。これも大変ボカロ界隈的なやり方だ。
ファンの反応が気になってコメント欄を見たら、「TikTokから来た」とある。なるほど。

……なるほどな?

ここで急に、最近耳に残ってYouTubeで検索して聴いた曲の話をする。

陰キャの大メジャー、キタニタツヤ。その曲のMVがこれ。

完全に古き良き歌詞動画だ。キタニタツヤはボカロPもやってたとは聞くが本人はバリバリ顔も出しているしこれまでにもイカした実写MVをいくつも出している。なのに2024年にわざわざ歌詞動画。

……違うのか。今や、歌詞動画の方がキャッチーまであるんか。

私の中で映像としてのありがたみはやっぱりカメラで撮影した生の映像とか、商業アニメーターが書いた1秒24コマでヌルヌル動くアニメーションの方が格が高いという感覚だけど、今やこの世のトレンドというか、若者にとっての当たり前というか、洒落曲センサーというか、新進気鋭のクリエイティブの集合地点というか、サムネで「良い曲そう」と判断されるのって、もはやこっちなのか? テレビを見ず、インターネットで育ち、米津にYOASOBI、Ado、そして世界的ボーカリスト初音ミクをスターとする世代のスタンダードサムネイルは、もしかして、こっち…?!

ちなみに『ずうっといっしょ!』の「歌ってみた」を検索するとこう。

この感じのサムネが無限に出てくる

アニメにVtuberに歌い手。昨今のエンタメのメインストリームは、こっち…!
と、いうことは分かっているつもりだったのだけど、この層をターゲットにするやり方がこう、というのはちょっと目から鱗だった。

ちなみにアイドルの二次元化MVとは全く本当に全然違う話。
なんなら歌詞動画のサムネをクリックする層ってアイドルの二次元化MVを冷笑してそうよな。

偏見だよ

歌詞動画ってその成り立ちからして「歌い手の生身の姿」を楽曲から切り離す構造になっていて、実際、リリックムービー『燃える火曜日』からはリンワンメンバーの実体の気配をほとんど感じない。アイドルグループながらそれをする強気の姿勢を感じてはいたもののその時は深追いしなかったので、実際当時ハネていたかは分からない。けど「面白いこと試すなぁ」と思ったのだった。

これは最近撮ったTikTokのスクショ↓

完全に抜きん出ている。
現状でTiktokで一番再生回数が伸びているのがこの動画。


さらに月日は流れ、Adamと火曜日をリピートしたりライブ映像を流したりしていた頃に、新メンバーオーディション募集の報せを見かけた。
個人的には四人体制を少数精鋭で洗練された印象でバランスがいいなぁと感じていたので、「メンバー増やすのかぁ。7人とかになってるの想像つかんな」とまずは意外だった。私からするとやっぱりリンワン姉さんから「強者感」を感じていたので、フレッシュさをもった新メンバーが入るのがあんまり想像出来なかったのだ。マジすか学園で例えると、きのホ。がチームホルモンならリンワンはラッパッパ四天王なわけ。(伝わる人はありがとう)

で、蓋を開けてみたら。

良っ………

「生まれた来たときからリンワンだったか?」ってくらいしっくりくる子が来たな…。
マジすかならおたべだし、イナイレなら天馬くんというような、ちゃんとリンワンの絵柄の子が入っていたのでびっくりした。よう見つけてきたな。
篠田百音ちゃん、初舞台でまず歌が上手いし、メンバー全員と違う低めの声がリンワンのクールなイメージに合うし、曲に深みを与えることになるだろうなと直感的にわかる。一人だけの加入もリンワンのフォーマットを崩さない感じがして嬉しい。
この初舞台の映像もYouTube無料公開で見た。ありがとうございます。

五人のバランスが気になってインタビュー記事とかも読んじゃった。「TIFの浮島ステージ良かった」っててらだひろあきも言ってたな。いいなぁ。
このあたりから「新体制になってからなんかいい空気生まれてるな~」と遠目に眺めながら感じていた気がする。

そう思っていた中で、かなりガツンときたのが…

ライブで見た『LV』!!!
この冒頭でハート作って落とす振付が、可愛くてカッコよくてかなりメロメロになった。そんでもって耳に残る。平成に封印されたと思っていた狂愛系の歌詞も、食傷気味の自己愛ソングの流行を完全に蹴っており嬉しい。
というわけで毎度のYouTubeで検索し、ダンス動画を定期的にルンルンで見ていたのだけど、ある時気付く。

これは最近撮ったキャプチャ

なんか爆ハネしてるやついるな……。
『LV』の歌詞動画だ。『燃える火曜日』と『LV』、どちらが先にしろ、味を占めフォーマットを確立し出している。私が熱心なオタクだったなら「アイドル撮れや!!!!!!😭」とキレていただろうけど、同じ曲でダンスプラクティス動画、ライブ映像、歌詞動画と出して歌詞動画が顕著に伸びているのを前にすると沈黙するしかない。
私が見た当時、この『LV』の歌詞動画が全ての動画のなかで再生回数は群を抜いていたように思う。ちょっとうろ覚えなんですが…。
ただまあ見るからにバズっていた。

ビビッドピンク二次元絵のサムネぢからって、何?

そんでもって並行して変化を感じていたのが、ショート動画。

最近撮ったキャプチャ

なんでわざわざ縦長にしたかというと、変化が分かりやすいから。過去から直近になるにつれて、サムネの色合いが鮮やかになっていっている。
まず、ライブ映像の切り抜きというのは大概暗い。特にライブアイドル界隈の規模感の会場は暗くなりがち。Zepp Yokohama まで行けば明るいのかというと、確かにレーザーが明るくはあるのだが、それ以上にリンワンの映像はより鮮やかに彩度を上げた、かなり強い色調加工がかかっている。

↑こちらはきのホ。の同じ会場、Zepp Yokohamaでのライブ映像。どちらが上とか貴賤をつけるつもりは全くなく、単にリンワンの映像はかなり意識的に色加工が入っているというのを言いたくて置いた。普通に良い映像なんで見て下さい。

リンワンのライブ映像を流しているうちにこれらのショート動画が私のYouTubeでちょくちょくピックアップされて出てくるようになり、これもサムネを見たときに「なるほどなぁ!!」と思ったのだ。

誰が決めたわけでもなく、ライブ映像というのは記録映像としてある程度の「生っぽさ」を残すものだという「そういうもんだ」がやっぱり自分の中にあって、そりゃ映像を綺麗に見せるための調整はもちろん入るけどもそれと分からないようにさりげなく、少なくとも演者の肌の色は自然な範囲に収めるものだというようなセオリーを勝手に感じていた。が、考えてみると、ライブ映像にInstagramのようなバチバチの色加工をかけてはいけないなんてルールは実は全くない。

なるほど。やっていいのだ。

ここまで言っておいてメジャーアイドルでみんなとっくにやってたらどうしようと思って一応普段見ない界隈のショート動画を見に行ったけど、ここまで割り切ってやってる感じのとこはそんなに見なかったので安心した。
M!LKさんのライブ映像とかは色加工強めな感じはする。男性アイドル側がやってるのはありそうだな…なんてったってファン層が若い女性なんだし…。

どこもやってないことないだろとは思いつつ

リンワンのライブ映像の最近めのビジュアルは特に、映像をシネマチックに美しく見せる王道加工(黒らへんを青緑に振り、人の肌や照明をオレンジに振るカラーグレーディング手法)で、直感的にもプロっぽくてカッコ良さげに見える。映画界隈ではもうよく見るやつ扱いになっているかもしれないが、ライブ映像ではそうそう見ない。分からん、少なくとも私はあまり見たことない。一方で、陰影のグラデーションや立体感を飛ばすほどの強い加工はプロのカラーグレーディングではあまり良しとはされない、SNS映え的なやり方だ。(『NONFICTION』以降ののリンワンの映像はディティールが潰れないかなりギリギリを狙っていると思う。ライブ映像でそんなギリギリを狙うことあんまないだろ。)

だがオールドメディア(…)のセオリーなど知ったことではない。彩度が高くて顔がアップのものの訴求力は高い! 令和のコンテンツに「二次元と生身の人間」、「プロとアマチュア」を区別するのはナンセンス!

面白いなぁ。歌詞動画の時に感じた「そりゃそう」と「そうなのか」が同時にある。

確かに、とっくに若者でない私の好みは『Diffusion』の時の色調だが、若者でない私ですら実際好きな映像とついタップして見てみてしまうサムネは違うのだ…実際腰据えて見たのは『BEYOND』の方が先だったし…。

暗ァい! けど生っぽくて黒が黒くて好き♡
この映像の増田陽凪さんにかなりメロメロになっている

そして何より、ライブ映像を一曲単位で切り抜いて公式に置いておくの、当たり前に最低限どこもやっててくれやと思うがそれをちゃんと揃えている。

曲とライブが売りのグループとして正真正銘のYouTubeメインコンテンツ。これがなければそもそもショート動画を見た後にたどり着く「先」がない。本当に見てもらいたいのはここで、歌詞動画も色彩豊かなショート動画も、結局はここの入り口になるために存在している。

そしてそんな3~5分のライブ映像が30本以上ある。フルのライブ映像がアップされていながらあえて単体でも置く。一曲につき一映像なんて縛りも無し。これほんとね、助かるんすよ……。

私が若き日にAKBにドハマりした時、こういう感じの一曲単位のライブ切り抜き動画を見まくったのが沼への入り口だったので、これを見ていったらYouTubeの右側の関連動画欄を埋め尽くされ、気がついたら全部見ていて好きになっちゃうと知っている。
ので、あんまり急に一気に見ないように心掛けてる。

動線としては、
 サムネという一枚絵
⇒数十秒のショート動画
⇒数分のライブ映像切り抜き
⇒他のライブ映像切り抜き二本目
⇒三本目、四本目……三十数本目
⇒短いのを見尽くしてライブ映像フル
⇒YouTube以外を見てみたり、現場が気になったり…?

という流れで、グループへの関心のステップとしてかなり丁寧に、段階を進みやすくなっている。

なんか……ものすごくインターネットに強いやつが運営にいる??? 


そんなうまくいくもんかねと思うが、今、最新のライブ映像が1.5h以上と手が伸びにくい長めの再生時間ながら、3週間で56万回再生されていたのを見ると、ここ一年半くらい、特に新体制に入ってから一気に攻勢をかけているYouTube運用がハマったとしか思えん。

ここに書いたようなことを他のグループが真似しても(多少は効果出そうだけど、)ここまでの成果が出せるかは微妙で、そもそもリンワンの曲調と歌詞動画を見る層の親和性の高さがまずあるから、その辺り含め広くエンタメやコンテンツを見てきて研究した人がターゲットを絞ってやってるんだろうな…とこのオタクなどは感じました。少なくとも闇雲にやったまぐれ当たりには見えない。

再生数トップ順
最新の3曲がトップ入ってるのがエグイ

なんか出来過ぎじゃない? こんなことある?


嬉しいのが、歌詞動画よりも後に出た『Utopia』のMVがさらに上に来ている

バリバリ本人映像、ロケ撮影の、MV大好きマンもニッコリの正統派ミュージックビデオ。リンワンの世界観らしい洗練されたビジュアル、厨二心もくすぐる映像でとっても良いと思います。メンバーもみんな綺麗だし雰囲気あるし…映像映えするなぁ。

やっぱり私が熱心なオタクだったらこれまでメンバーでMVを作らないことに関しては不満があっただろうけど、これだけうまく裾野を広げてここに数字を集めたのなら文句も言いづらい。
コメント欄を見るとファンにもMVは待望だったことが伺えて、良かったね…(涙)となった。過去の映像が消されて眠れない夜もあったことでしょう。

公式ツイッターのフォロワー数も1万follower目前

再生回数が増えても現場の感じはすぐには変わらないものだろうし、実際私が若者だった時は動画ばっか見て大して現場行かなかったので裾野の広がりってそういうものかなと思うのですが、ただその大衆的な数字が次のステージへの切符になることは確かにあるらしくて、どこも数字を伸ばそうと奮闘してる中で結果が出ているのすごいな~と思ったのでした。

ここからどう展開していくのかも楽しみに、ライトファンとして再生回数をちょっとだけ回させてもらおうかと思います。


とまあここまで書いたけど、全然知らんとこでたまたま鬼バズしててこうなってたらどうしよう笑。それはそれで知りたいのでぜひ教えて下さい。

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