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文系の blender 5.0 - ACES ? 色空間とは

5.0 のアップデートで、大きく取り上げられることが多いのが、blender が、ACES に対応した、というものです。それにより、blender で扱える色の幅が広くなった、ということ以外よくわかりませんし、また、その認識だけでも十分かもしれませんが、すこしだけ、それらの用語等を整理してみました。

あくまでわたしの文系脳で理解した範囲に限られます。間違いはご指摘ください。


環境 Blender 5.0.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



そもそも色とは


たとえば、そもそも、「緑」とはどんな色だろう。

下は、Photoshop のカラーピッカーによる ほぼ同色の 3 色。多くのひとは、左は青で、右は緑だ、というかもしれない。中央は、ひとによって異なるだろう。

ちなみに、少なくとも奈良平安期の日本人にとっては、すべて「あお」だった。

つまり、そもそも「緑」という色は存在しない、あるいは、確固とした緑という色があるのではなく、ひとによる恣意的で、相対的な、とてもあやふやな定義なのだともいえる。

ただ、緑に、ある程度たしかな定義がなくてはならない、という要請もあるだろう。信号機の緑が、地域によって異なる(関西では関東より薄いとか青に近いとか)ことがあっては困ることもある。

それは、コンピュータに関わることであると、やや切実だ。モニターなどのメーカーによって、同じ緑が大きく異なって見えてしまっては困る。ただし、それがほんとうに切実になるには、機器の性能が上がり、発色できる色の数が爆発的に増えた、1990年以降のことだ。

わたしが初めてコンピュータに触れたころは、まだ、モニタの色数は 8 色くらいだったと思う。緑はそのなかの 1 色に過ぎず、それが、機器によってやや異なっているとしても、緑、にみえるかぎり問題にはならなかった。


sRGB


コンピューターと、周辺機器の性能向上によって機器上で多くの色を表現できるようになると、やはり色に関する統一規格は必要だ、ということなり、1996年に、マイクロソフトとヒューレット・パッカード社が共同して、sRGB (Standard Red Green Blue)と呼ばれる、標準化された色空間(Color Space)が策定された。現在もほとんどの画像フォーマットや、関連ソフトウェア、機器で採用されている。

引用元 : What is a color space?

外枠のCIE(Commission Internationale de l'Éclairage)は、ひとの目が捉えることのできるほぼすべての色空間。その範囲内の一部、三角形で定義された領域が sRGB 色空間だ。

それぞれの色を表すのは、RGB(Red, Green, Blue)、赤、緑、青の 3色の混合割合を表す、通常は16進数の、#85FF67 などの値だ。

上の色は、通常の 10 進数では、R が 55、G が 255(最大)、B が 43 混合されたできた色。すべてが最大の 255 ならば100%の白に、すべてがゼロならば100%の黒ができる。

すべての入出力機器、カメラ、モニター、プロジェクタ、あるいは、画像とそれを処理するソフトウェアが、なかよく sRGB で統一されていれば、あまり悩むこともなかった。理論上では、それがニンテンドースイッチでみても、映画館のプロジェクターでみても、sRGBに対応したすべての出力機器で、#85FF67 の色は、同じ色にみえるだろう。

ただ、上の sRGB のカラースペースをみてもわかるように、それはひとが捉えることのできる色のごく一部しか表現できない。もっと広い表現領域がほしい、といった要望が出てくるのはしぜんな流れで、しかも、技術の進化でそれができるようになった。

当然、あらたな規格が必要だ、ということになる。


ACES


色空間は、すでに1998年に開発された Adobe RGB をはじめ、さまざまな規格が続々と導入された。

Photoshop などの Adobe 製品を使っていると、その画像はまだ sRGB だけど、Adobe RGB に変換しなくてもよいのかな、というメッセージをよく目にするだろう。ややこしいことに、どちらもバージョンが細かく分かれている。なお、図の DCI P3 という規格は、おもに近年の映画で採用されている。映画館のデジタルプロジェクタでみる映画はおおよそ、DCI P3 規格の映像だ。

引用元 : 色空間(カラースペース)とは何か


そのなかのひとつが、映画芸術科学アカデミーによって開発され、2010年頃に公開された、Academy Color Encoding System(ACES)だ。

図でわかるように、ACES は、なかでも、広いカラースペースがあり、ひとの捉えることのできる領域に近い、より多くの多彩な色を表現できるということになる。

このため、CGによる作品であっても、よりフォトリアルな映画などの映像作品に適し、そのような制作現場での採用規格としてのスタンダードになりつつある、あるいは、すでにそうなっているのかもしれない。

つまり、ACES が blender に標準搭載されたことで、blender がより、プロフェッショナルな、商業分野での、映画や CM 、ビデオ制作などに参与しやすくなった、ということを意味する。

引用元 : 色空間(カラースペース)とは何か


上は、比較的大きな規模の CG 作品制作のワークフローの一例。作品を構成する画像、動画、レンダリング画像、3Dオブジェクトなどのカラースペースは、いったん、ACES で統一してまとめられ、最終的に、公開先がウェブ、テレビ、映画であれば、sRGB、rec.709、ACESなどのそれぞれに適したカラースペースに変換される。

具体的なワークフローについてはわたしには手が余るが、たとえば、あなたが blender で、背景オブジェクトの一部や、背景のレンダリングを担当した場合、オブジェクトの画像テクスチャやレンダリング結果を ACESに変換し納品する、という流れになるのだろう。

テクスチャ画像のカラースペース
レンダープロパティでのカラースペース


まとめ


逆にいえば、アマチュアとして、個人的に制作を楽しんでいる限りは、あまり意識しなくてもよい機能のひとつではあるのかもしれません。通常は、デフォルトの AgX カラースペースで、問題はないでしょう。

ただ、すこし頭にいれておくと、あなたの技量がプロフェッショナルなレベルに達し、制作会社から共同作業を依頼され、色空間は ACES でお願いします、などといわれたときにすこし慌てなくても済むかも。あくまで参考まで。


参考


なんだか役にたちそうにない記事ですこし申し訳ありません。色、というのは、なにか情緒的に芸術、文系分野のようにも思えますが、それを厳密に操作しようとすると、もうがっちりとした理系分野で、わたしにはちょっと荷が重いです。PANTONE のカラーチャートのあたりで止まってくれていればよかったのに。


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