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blender 4.4 クロスシミュレーションでフォースフィールド

カタカナばかりのタイトルですが、ここでは、布の動きを物理的に再現するクロスシミュレーションで、風などの力を加えるフォースフィールドの機能をまとめてみます。


環境 Blender 4.4.1 , Mac Mini M1 OS 14.4



セットアップ


シミュレーションを行う布オブジェクトを作成する。

  • デフォルトの平面オブジェクトを追加し、S 3 キーで、3倍に拡大

  • オブジェクト > 適用 > スケール を実行

6 x 6 m 

クロスシミュレーションの設定値の単位は m であることが多く、オブジェクトのスケールが大きく影響を与えるため、スケールには気を使おう。

  • 編集モードで、50 x 50 程に細分化し、クロスシミュレーションを適用

物理演算プロパティ 「クロス」をクリック
  • サブディビジョンサーフェスモディファイアを適用

レベル 2 クロス(Cloth)は、必ずサブディビジョンサーフェスの上に。
シミュレーションの動作が極端に遅くなるときはここを確認しよう。


Cloth Simulation


下は、物理演算プロパティの設定値。マークした値以外はデフォルト。

プリセット「綿(Cotton)」、セリフコリジョンにチェック。距離 0.005 m 重力 0.0

プリセットはクロスのおもに柔らかさの設定で、「絹」がもっとも柔らかく曲がりやすいが、ここでは2番目に柔らかい「綿」を選択
セリフコリジョンは、布同士が重なったときに貫通しないようにする機能で、距離は短いほど精度が高い。ここでは、0.005 m
フィールドの重み > 重力は 0.0 に。無重力のため下に落ちない。

  • タイムラインエディターの再生ボタンを押し、シミュレーションを開始

開始、停止のショートカットはスペースバー

重力もなく、なんの力も与えられていないので、クロスにはなんの変化も起こらない。ここに、フォースフィールドによる力を与えてみる。


Force Field


たとえば、旗が風になびいているとき、そのクロス(旗)は、風によるフォースフィールドが与えられているといえる。

blender のフォースフィールドのタイプは多いが、パーティクルシミュレーション(粒、粒子の動きを再現する)で用いられることが多く、ここでは、クロスシミュレーションでも利用できるいくつかのフォースフィールドを与える。


Force - 力


フィールドの中心から、外、内側に力が働く。

  • フォースフィールド > 力(Force)を追加、平面オブジェクトのやや上へ設置、シミュレーションを開始。

強さ 200 左 : タイプ ポイント

デフォルトの 強さ 1 では弱すぎるので、200 に変更。タイプは円形の力が働くデフォルトの「ポイント」

Strength - 強さ

デフォルトでは、フィールドの外側にむかって力が働くが、強さを − 200 などマイナスの値にすることで、逆にフィールドの内側に力が働く。

強さ − 200 フレーム 40 真上からの視点。なにかに使えそうだ。


Noise Amount - ノイズの量

力にランダムなノイズを加える。

左 : 適用前 フレーム 65 右 : 適用後 ノイズの量 10.0 フレーム 65


Wind Factor - 風の係数

クロスに風が当たった際に風が弱くなる(減衰する)現象を再現する

左 : 適用前 フレーム 60  右 : 適用後 風の係数 1.0 フレーム 80

Falloff - 減衰

フィールドの中心から離れるに従って力が弱くなる(減衰する)

指数(Power)1.0 フレーム 80  指数 2.0 フレーム 200

デフォルトでは、上下方向に力が働くが、Z方向で、どちらかに制限したり、力の及ぶ最小、最大距離を設定することもできる。

フィールドの中心にむかって力が働く(強さの値がマイナス)という、一見単純な作用にも思えるが、各オプション値によって幅広い多様性が現れることがわかる。

上のオプション値は、他のフォースフィールドでも共通のことが多く、かんたんに把握しておくと応用に役立つだろう。

cycles によるレンダリング一例。
ソリッド化モディファイアで薄く厚みをつけ、ガラスマテリアルを適用。



Vortex - 渦


その名の通り、竜巻のような渦状の力を加えることができる。

クロスシミュレーションの設定は上と同じ。2つの設定値以外はデフォルトの「渦」フォースフィールドを設置。

強さ(Strength) 10 風の係数(Wind factor) 0.5

渦フォースフィールドをクロスと並行に置くと、クロスがコマのようにくるくる回るだけなので、やや角度をななめにするなどして設置。

フレーム 200 布を絞るようなイメージだろうか。
穴を開けた平面に適用。
cycles でレンダリング



Turbulence - 乱流


気流の乱れのような、不規則で、カオス的な力を加える。

下のオブジェクトに、上記と同じクロスシミュレーションを適用し、中央に「乱流」フォースフィールドを設置した。

強さ 1000 サイズ 0.5

「サイズ」は、マニュアルに「ノイズのスケールの値」とあるが詳細は不明。ゼロ、または値が大きい場合も、クロスがフィールドから吹き飛ばされる確率が強いが、0.5 程度でここでは比較的安定する。

フレーム 30 フレーム 40

力の及ぶ範囲をできるだけ絞りたい場合は、減衰(Falloff)の値を調整するのも有効だ。

フレーム 200

上では、シェイブに設定した「チューブ」内に比較的、クロスが留まりやすい。

cycles でレンダリング
ガラスマテリアルのシェーダーノード


この他にもクロスシミュレーションで用いることができるフォースフィールドには「風(Wind)」もあり、これらのタイプの異なるフォースフィールドを複数設置し、さらに複雑な力を加えることも可能だ。



まとめ


まさに風まかせのモデリングですが、抽象的なイメージの作成などには実用レベルで有効なのではないでしょうか。オブジェクトを複雑に変形させると、メッシュ同士が重なってしまうことがよくありますが、それを避けられるのもクロスシミュレーションの利点のひとつです。

また、わたしはスカルプトが苦手で、たまにトライしてもなんだかへんてこな造形しかできないのですが、その点、シミュレーションの風の吹くまま、気楽にさまざまなかたちが生み出されていくのをみているのも楽しいものです。
物理演算はやはり物理演算なので、こむつかしい細かな設定が多く、やや敬遠されがちかと思いますが、お試しください。



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