堀慎吾・渋川難波の団体移籍ニュースを見て 素人目線の素朴な疑問 Mリーグは彼らにとってどのような位置づけなのか
疑問1、「競技麻雀」とはいかなるものなのか?
団体移籍の理由は「競技麻雀をもっと頑張りたいから」ということらしい。
Mリーグは競技じゃなかったんだ! という素朴な驚き。
「競技」の反対語は「遊戯」ということにでもなるだろうか。
フリー雀荘で行われているフリー麻雀や気心の知れた者どうしで行われるセット麻雀、あるいは定められたルールの元で一つでも上の段位を目指そうとするネット麻雀ではなく、「(基本的にプロ資格を持った)雀士たちが決められたゲーム数の中で優勝(ないし一つでも上の成績)を目指してプレイする麻雀」のことを競技麻雀と呼ぶ、と思っていた。
だから、Mリーグは十分に競技麻雀の範疇だと思っていたのだが。違ったのか。上の考えに「チームではなく個人として」という言葉を付け加えないといけないのかな。
疑問2、今後、二人はМリーグとどういう付き合い方をするのか?
両氏とも「Мリーグに力を入れるあまり競技麻雀がおろそかになっていた」という趣旨のコメントを出しているように思う。また、「一度獲得したことのあるタイトルに向けて精進するモチベーションが湧かないので団体を移籍する」という趣旨も述べられていると思う。
ここからの帰結は、もし私だったら「だから、団体を移籍します」ではなくて、「だから、団体を移籍してМリーグもやめます」なのだが、この考え方はおかしいだろうか。
団体を移籍すると、これまでに湧き起こりにくかった、「Mリーグ以外の場面での競技麻雀をより一層頑張る力」がみなぎってくる、ということなのだろうか。あるいは、「Mリーグの方は少し手を抜くようにして、競技麻雀(自団体でのリーグ戦)の方により一層力を入れる」ということなのだろうか。
疑問3、二人がサクラナイツに所属していたということは偶然の一致なのだろうか?
これは邪推と言えば完全な邪推に過ぎないのだが、サクラナイツに所属していた二人が「Mリーグに力を入れるあまり」「競技麻雀がおろそかになった」と同じ時期に口をあわせるのは単なる偶然なのだろうか。サクラナイツが他チームより、イベントや練習などによるチームへの拘束の時間が目立って多いのだろうか。
どうもそうとは思えない。
だからもし、もしも、万が一、これが偶然ではないとしたら、ここ一、二年の間、サクラナイツというチームでMリーグを戦うことが心労・疲労を強いられるものであったのではないかという仮説が成り立つ。
このことと、先ほど疑問2に書いたことも併せて考えると、二人が「サクラナイツを離れる」という選択をすることはあり得ると思っている。これは二人が「Mリーグ自体に辟易した」ということと必ずしも同義ではない。「チャンスがあればまたMリーグで打ちたい、しかし一旦サクラナイツからは退く」という選択があり得るということである。
そう思うのは、繰り返しになるが、「Mリーグに力を入れるあまり競技麻雀がおろそかになって」「競技麻雀に力を入れたくて団体を移る」のならば、私であれば「一旦Mリーグはやめる」という選択をとりそうだからだ。
疑問4、プロ雀士は何によってモチベーションが保たれるべきなのか?
想像にすぎませんが、雀王戦の賞金が1億円だったら、今回の二人のような声は聞かれなかったのではないでしょうか。あるいは、3千万円くらいでも、そうかもしれない。プロが純粋に「麻雀を打つ・勝つ」ことによってだけでは収入を得られないという麻雀業界の構造的問題が、やはりここには横たわっている。選手に最低年俸を保証してチーム戦を行うMリーグはその意味で画期的・業界の希望であると思うが、これを「競技麻雀とはみなしていない」様子の二人のコメントから考えると、「給料をもらって会社で働いている」感覚に近いものもあるのかもしれない。Mリーグの闘牌の場は「競技」ではなく「ショー」に近い部分があるということなのだろうか。
Mリーグはやはりプロレスを見ているのに近い感覚なのかなあ…
(プロレスをよく知らない私がこんなこと言うのも何だけど)
そして、「一度とったタイトルをもう一度とろうと心の底から思えない」という言説は、タイトル自体にそれ一つだけでは価値がなく、タイトルは集める、つまりコレクションすべき物の一部として機能していることが伺える。その要因は、そのタイトル獲得に伴う実入りが少ないということ、また、団体の異なる全てのプロ雀士が等しく目指すタイトルが存在していないこと、に尽きるのではないか。
最後に プロ団体の統一に向けて
プロボクシング界などもWBAやらWBCやら覚えきれないいくつもの団体それぞれにチャンピオンが存在しており、非常に分かりにくい。時々「統一王座決定戦」的なものも実施されていると認識している。プロ麻雀界も、理想的には、団体が統一されるべきであろう。麻雀はいくつものローカルルールが存在し、というか王道のルールが何なのかということさえはっきりしないという特徴があるが、これが逆にタイトル戦の差異化には役立つという貴重なメリットがある。たとえば将棋界が行っているタイトル戦は、詰まるところ、持ち時間の差でしか差異化できていない。それが、麻雀では、「赤あり」「完全先付け」「一発裏なし」「完全順位制」「上がり連荘・ノーテン罰符なし」などの方式にトーナメント/リーグ戦、1位通過/2位通過、持ち時間、などの要素を組み合わせて魅力的な差異のあるタイトル戦を実施することが可能だ。惜しむらくは、団体の統一がなされていない現状ではそれが団体間で採用しているルールの差にすぎないこと、及び、運が絡んでくる麻雀ではそういった差別化したタイトル戦を実施しても「他のタイトル戦では全然ダメだけど一発裏なしのタイトル戦だけは何連覇もするスペシャリスト」とかは出て来にくいことであろうか…
堀さんと渋川さんの次のステージでの活躍をお祈りしています。
サクラナイツの今後にも非常に興味があります。
