移住して気づいた、本当の豊かさ― 日本庭園とご近所付き合いに癒される日々
窓の向こうにある豊かさ
山口に移住してきて、何より良かったと感じるのは、窓から眺める庭の景色だ。
朝起きてカーテンを開けるたびに、縁側の向こうに広がる日本庭園が目に入る。
この庭は、以前この家に住んでいた方が丹精込めて作り上げたものだ。
季節ごとに表情を変える木々や石の配置を眺めていると、不思議と心が落ち着いてくる。
特に今の季節は雨の日が美しい。
しっとりと濡れた葉は色を深め、庭全体が静かな輝きをまとっている。
屋根を叩く雨音も、どこか心地よいBGMのように聞こえる。
忙しく過ごしていた頃なら気にも留めなかったかもしれないが、今はその音に耳を傾ける時間が好きだ。
さらに視線を奥へ向けると、雄大な山々がそびえている。
もう一方の拠点の家からは想像もできなかったほど、ここには広い空と大きな景色がある。
窓の外を眺めるだけで、心の中まで風通しが良くなるような気がする。
移住して数か月。生活の不便さを覚悟していた部分もあったが、今のところ不便だと感じることも、嫌だと思うこともほとんどない。
今日の夕方には、仲の良いご近所さんが畑で採れた立派な紫玉ねぎを持ってきてくださった。
「たくさんできたから」
そう言って手渡された玉ねぎは、ずっしりと重くて見事な出来栄えだった。
都会ではなかなか経験できない、人と人とのこうした自然な触れ合い。現代ではむしろ贅沢なことなのかもしれない。
山口での暮らしは、派手な出来事があるわけではない。
けれど、窓の外の景色や雨音、ご近所さんとの何気ないやり取りの中に、確かな豊かさがある。
最近は、そんな小さな幸せを味わいながら暮らしている。


この家に住み始めてから
花を欠かさず飾るようになった。
