私が森保監督の続投を望まない理由
日本代表はワールドカップベスト32でブラジルに敗退し、大会を去ることとなった。
まずは選手監督コーチを含む関係者にはお疲れ様と伝えたい。
色んな苦難があった中で彼らは懸命に戦ってくれた。
さて今後問題となるのは代表監督の後任人事だろう。
なにせW杯は終わったばかりだが、半年後の1月にはもうアジア杯が待っているし、その翌年からは次のW杯の予選も始まってくる。
日本サッカー協会(JFA)にとって代表監督の後任人事は急務だろう。
そして世間では森保さんの続投を望む声が多いと聞く。
だが私ははっきり言ってこれには反対だ。
その理由についていくつかの観点から話していこうと思う。
・目標の未達成
先に言っておくが、私は森保監督が嫌いでもなんでもない。
むしろ人柄は良いし、モチベータータイプの監督としては素晴らしいと思っている。
森保さんが監督を引き受けてからの8年で代表は成長したことも間違いない。
だがこの8年で森保監督は協会が立てた目標(ノルマ)を一度も達成したことがない。
W杯ベスト8進出に2大会連続で失敗、アジア杯優勝に2大会連続で失敗、東京五輪でメダル獲得失敗。
現在の日本代表は歴代と比べても明らかに黄金世代だったにも関わらず、
これらの目標を達成出来ずに終わっている。
今大会は運が無かったから可哀想という声も聴くが、プロである以上結果が全てであるはずだ。
例えば今季スパーズは怪我人だらけだったからと言って監督は守られただろうか?
結果が出なければその責任を負うのがプロの監督だと思う。
・選手の世代交代のタイミング
今の代表は森保監督が率いた東京五輪世代が中心となっている。
久保、堂安、三笘、冨安など代表の中核選手はこの8年ほとんど変わってこなかった。
だがその世代のほとんどが4年後は30代となる。
遠藤は既に代表引退を表明しているが、他にも鎌田、伊東、谷口なども年齢的に代表を離れる可能性が高い。
つまり森保監督が続投するしないに関わらず、世代交代が必須となる。
そのタイミングに合わせて監督交代するには絶好の時期だとも言える。
・選手への要求とのギャップ
森保監督は大会開幕直前にキャプテンの遠藤を切る決断をした。
これはプロの監督として当然の選択であり、責められるものではない。
だが選手にこれだけの覚悟を要求してきた監督が、自分は次もあるからという保険を持っていたとすればそれは切った選手に対して非常に失礼ではないだろうか。
もし監督として責任を取る気がないのなら、遠藤だって残して一緒にW杯を迎えさせれば良かったんじゃないのか。
プロとしての選択が出来る監督なのであれば、選手と同等の覚悟を持って挑んでいたはずだし、当然結果が出なかったことに対する全ての責任は監督が背負うべきだと思う。
・実績と経験値
森保監督は常日頃から選手に成長を促し、5大リーグ、ビッグクラブに移籍して活躍してほしいと要求してきた。
だがそれを率いる監督は海外経験もなく、監督として海外クラブを率いた実績もない。
当然そうなると世界のトレンドにも疎いし、新しいトレーニング方法にも精通していない。
それは選手へ求めるレベルと圧倒的に乖離している部分ではないか。
私が森保さんの続投を望まない理由の中には、ここで退任した後に欧州の中堅クラブなどで海外指導者としての実績を積んでほしいというものもある。
日本代表監督をずっと続けていては、そういった経験も積むことが出来ない。
そして森保さん以外の日本人の監督コーチも選手同様、もっと海外に進出すべきだと思う。
よくW杯優勝監督は自国出身者だという話も聞く。
だがそれはW杯で優勝するような国には、世界的に優れた指導者も多いことの裏返しなだけであり、自国出身監督がいただけで優勝するわけじゃない。
そもそも日本の現実的な目標は優勝ではなくベスト8であり、歴代のW杯でもベスト8進出国の監督が全員自国出身だったわけではない。
日本はまだ自国出身監督を据えて優勝を目指すフェーズには至っていないのだ。
・戦術、修正力
今回のブラジル戦、ブラジルは後半から明らかに戦い方を変えてきた。
百戦錬磨のアンチェロッティが選手に修正を指示したのは明らかだった。
世界的な強豪と世界的な監督が、日本に対して明確に対策を施してきた。
だが日本はその対策に対して成す術無く、恐ろしく無抵抗だった。
ベンチは同ポジションの選手を替えるだけで、具体策は何も指示出来なかった。
聞くところによれば、名波コーチがピッチに声を掛けたのは「(AT)あと6分頑張れ」ってことだけだった。
何をどう頑張れというのか。マークをどうするとか、相手の中盤へのプレスをどうするとか具体的な指示は皆無だった。
また交代策でさらに守備強度が落ちてしまい、後半は一方的な展開になってしまった。
逆転されたのは明らかにベンチワークの差が生んだ結果だったと言い切れるのではないか。
前回大会では4バックから3バックに可変するなどの戦略を持っていたが、
今大会に至る4年間はずっと3バックしか試してこなかった。
ブラジル戦でこそ可変の4バックで対応すべきだったのにそれすらピッチの選手に丸投げしていたのだ。
・言語の壁
日本人を監督に据えている大きな理由として言語の壁があったと思う。
しかし今の日本代表の9割は海外クラブに所属しており、英語だけでなくポルトガル語やイタリア語も話せる選手もいる。
また協会幹部も日本人監督の方がコミュニケーションが取りやすかったのだと思うが、JFA会長となった宮本氏は海外クラブにも在籍経験がありFIFAのライセンス講習も受けたほどで英語もペラペラだ。
つまり選手もフロントも言語の壁を理由に日本人監督である必要性がほとんどなくなっている。
日本人の感性を理解している人が良いという意見もあるだろうが、
今の代表選手はそういうことが分からない外国人監督の下でもレギュラーを掴んでいる。
正直それもあまり関係ないだろう。
・望む後任監督
上記の理由から後任の監督は、欧州や世界で実績がある外国人監督が適任だと思っている。
ただ森保監督が退任してすぐにアジア杯が始まることから人事に掛けれる時間は少ない。
無論協会も随分前から色んな監督に調査や打診はしているものと思われるが、個人的にはアジア杯は繋ぎの日本人監督でもいいと思っている。
そしてアジア予選が始まる頃に後任の監督に変更してW杯仕様の代表を構築していくのがいいのではないだろうか。
