見出し画像

【中東情勢×燃油高騰】いま熊本の中小企業が取るべき対策とは

2026年4月、中東情勢の緊迫化により燃油価格が急騰し、熊本県内の中小企業にも深刻な影響が出ています。

ガソリン190円台、軽油170円前後という水準は、単なるコスト増ではなく「事業継続リスク」に直結するレベルです。特に、運送業・農業・製造業・観光業といった燃料依存度の高い業種では、利益を圧迫するどころか、赤字転落の引き金になりかねません。

なぜ今回の影響は深刻なのか

今回の特徴は、「外的要因」である点です。
つまり、経営努力だけではコントロールできないコスト上昇であるということです。

・ホルムズ海峡リスクによる供給不安
・原油価格の構造的上昇
・燃料供給の一時停止リスク

これらは、過去の震災や豪雨と同様、「突発的かつ不可抗力」の経営環境悪化と位置づけられます。

経営判断として重要な視点

ここで重要なのは、「短期の損益」と「中長期の事業継続」を切り分けることです。

燃料費の高騰により利益が圧迫されると、どうしても人件費削減(=解雇)に思考が向きがちです。しかし、人材は一度失うと再確保が極めて困難です。

特に熊本の中小企業は、
・技能の蓄積
・顧客との関係性
・現場力
といった「人に紐づく経営資源」が強みです。

この局面で人を手放すことは、回復局面での競争力を失うことを意味します。

雇用調整助成金は“守りの経営戦略”

そこで活用すべきが「雇用調整助成金」です。

これは単なる補助金ではなく、
「雇用を維持しながら時間を買う制度」
と捉えるべきです。

主なポイントは以下の通りです:
・中小企業は最大2/3助成
・1人1日あたり8,870円上限(令和7年8月1日時点)
・支給日数:1年間で最大100日、通算3年で最大150日

さらに、教育訓練を組み合わせれば、単なる“休業”ではなく“人材投資”にも転換できます。

実務上の重要ポイント(見落としがちな点)

現場で多い失敗として、以下が挙げられます:

・売上減少の証明が曖昧
・労使協定の不備
・休業手当の計算ミス
・事前計画なしでの実施

助成金は「後出し申請」では通りません。
必ず「計画→実施→申請」の順序が必要です。

雇用を守る経営は“結果的に合理的”

熊本はこれまで、
・熊本地震
・豪雨災害
といった危機を経験してきました。

その中で共通していたのは、
「雇用を守った企業ほど回復が早かった」
という事実です。

これは感情論ではなく、経営合理性のある判断です。

今すぐ取るべきアクション

実務的には、以下をおすすめします:

①直近3か月の売上確認(前年比10%以上減少の有無)
②休業の可能性を前提とした社内検討
③労使協定の準備
④専門家(社労士)への早期相談

最後に

今回の燃油高騰は、「一企業の努力ではどうにもならない外部ショック」です。

だからこそ、
・制度を使うこと
・人を守ること
・時間を稼ぐこと

この3点を冷静に実行することが、経営者として最も重要な判断になります。

「解雇しかない」と結論づける前に、使える制度は必ず存在します。

雇用を守ることは、未来の事業を守ることです。
この局面を“乗り切る経営”を、ぜひ選択してください。

いいなと思ったら応援しよう!

荻生清高 | 社会保険労務士 荻生労務研究所 | 熊本市の特定社労士 サポートは要らないので、スキやいいねお待ちしてます。X(Twitter)やFacebookなどで感想いただけると嬉しいです!