現代の戦闘に有用な両用砲
2008年に月刊コンバットマガジンに寄稿した、直接照準、間接照準の両用砲についての記事です。今後この手のコンセプトの砲が登場することが予想されます。
機動戦闘車の開発
2008年度「機動戦闘車」の研究開発に関する予算が認められた。既に読者諸氏がご存じの通り、「機動戦闘車」は新たに開発される8輪装甲車に105ミリ砲を搭載、敵の軽戦車を含む装甲車輛などに対処し、また歩兵戦、特にゲリラ・コマンドウでは味方の普通科に火力支援を行う、ということになっている。因みに車体はコマツが開発中の8×8装甲車ではなく、三菱重工がまったく新たに開発する。
現在の所、搭載する砲は現在の所詳細には発表されていない。105ミリ砲が搭載されるといわれているが、これが74式と同じL7なのか、外国製の砲なのか、新たに開発される低反動砲なのか不明である。また120ミリ砲が採用可能性も依然残っている。ただ一般にはイタリア軍のセンタウロのように戦車砲を搭載した戦車駆逐車的なもの想定されている。三菱重工は90ミリ砲で有名なベルギーのCMIインターナショナルが開発した105ミリ砲を搭載した砲塔の採用も検討し、同社とコンタクトをとっている(その後三菱重工は自社開発を選択)。
結果として105ミリ砲が採用された。
注目される両用砲
ところが近年世界では、戦車砲と榴弾砲の両方の機能を持った砲、換言するならば直接照準射撃と間接照準射撃が共に可能な砲システムが開発されている。
その嚆矢とも言えるが南アのデネル・ランド・システムズ(DRS)が南ア国防軍向けに開発中の58口径105ミリ榴弾砲、LEO(Light Experimental Ordnance)だ。

これは基本的には同社の155ミリ榴弾砲である、G5を縮小したものだが、様々な改良が加えられて、軽量化されている。射程はベースブリード弾を使用すれば30キロ、ベースブリードとロケットアシストを併用したV-LAP弾であれば36キロまでになる。弾薬は昨今の155ミリ榴弾砲と同じく、モジュラー式の装薬が使用される。射程距離に合わせて、トイレットペーパー型の装薬を増やしたり減らしたりするわけだ。砲弾も155ミリ砲弾とほぼ同等の散布射界を実現している新型のものが開発されている。
ところがこのLEOは対戦車までこなすのである。
榴弾も徹甲弾の射撃も可能なLEO
これは榴弾ではなくAPFSDS(Armour-Piercing Fin-Stabilised Discarding Sabot)弾の使用が可能であり、ゾーン5の装薬を使用した場合、初速は1700m/毎秒と通常の戦車砲にひけをとらない。
これに目を付けたのがジェネラル・ダイナミックス・ランド・システムズで、04年から同社とデネルは共同でストライカー用にLEOを搭載した砲塔システムT7を開発、米陸軍にFCS及び、ストライカー旅団ようの自走砲として提案したが、米陸軍はBAEシステムズのM777超軽量155ミリ榴弾砲を搭載したシステムをNLOS-C(Non-Line-of-Sight - Cannon)として採用した。

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
