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COIN機の復権 攻撃ヘリの代わりにCOIN機という選択

2010年に月刊軍事研究に寄稿した記事です。攻撃ヘリの代わりにターボプロップの軽戦闘/攻撃機機導入という考察です。この手の機体を導入する国は増えています。

見直されるターボプロップのCOIN機


 近年米国や英国などでCOIN(COunter-Insurgency)機に対する再評価が高まっている。

 米空軍はテロとの戦いでCOIN機の部隊を編成することを決定、LAAR(Light Attack /Armed Reconnaissance、軽武装攻撃偵察機)と称して、100機が調達される予定だ。ACC(Air Combat Command、航空戦闘軍団)は昨年9月に機種選定に向けてLAARのRfI(情報提供依頼書)を公開している。また米SOCOM(Special Operations COMmand)はそれに先立つ07年に出した白書でCOIN機の導入を進めるべきだと主張している。また英軍などもCOIN機の導入を検討しているという。

 コイン機は主として単発、あるいは双発の安価なプロペラ機で、対ゲリラ戦や非対称戦で使用されてきた機体である。著名なものではベトナム戦争で使用されたA-37ドラゴンフライやOV-10ブロンコ、A-1スカイレーダーなどが挙げられる。近年ではエンブラエル社が練習機EMB-312ツカノをベースに開発したEMB-314スーパー・ツカノが挙げられる。

 COIN機はベトナム戦争では大いに威力を発揮したが、その後対空火器の発達などによって生存性に問題が出てきたこともあり、先進国では次第に人気を失ってきた。

 現在ではこれらの機体は予算の関係からジェット戦闘機が調達できない、あるいは充分に調達でない途上国が対地攻撃機あるいは「主力戦闘機」として採用するケースが多くなっている。これらの場合COIN機と練習機と兼る、あるいは練習機から発達した機体を採用するケースが多い。こうすれば訓練や整備の多くが共用化できて運用コストを低減することができるからである。

アブガンでの教訓

 何故今、COIN機が再評価されているかといえば、特にアフガニスタンやイラクなどの非対称型の戦場において、既存の攻撃ヘリやジェット戦闘機、攻撃機が対地支援やISR(Intelligence, Surveillance and Reconnaissance、情報・監視・偵察)あるいはISTAR(Intelligence, Surveillance, Target Acquisition and. Reconnaissance情報収集・監視・目標捕捉・偵察)のプラットフォームとしては必ずしも使い勝手が良くないという事情がある。

 ジェット戦闘機やA-10などのジェット攻撃機、あるいはB-52やB-1のような爆撃機を運用するのには整備された滑走路と整備のための施設が必要であり、前線の近くの確保することが難しい。このため火力支援を要請してそれが実行されるまでで時間がかかる。そのころには敵がとっくに逃げているケースも多い。

 しかも滞空時間が短いので、長時間該当地域上空常に留まれない。常時上空に貼り付けるためにはかなりの数の機体、あるいは空中給油機が必要となる。また飛行速度が高いために、特に低空では細かな地上目標の確認や攻撃が難しい。これは精密誘導兵器が発達しても解決していない。

 そして調達及び維持コストの問題がある。ジェット戦闘機は調達コストは勿論、多量の燃料を消費する。また整備のコストも高い。整備要員も多く必要だし、整備自体時間がかかる。特に海外で常に高い稼働率を維持するためにはかなりの費用がかかる。これが短期決戦ならともかく、アフガンのように長期間にわたってこのような作戦を続ければ、軍当局は極めて重い経済的な負担わざるを得ない。

 また機体も消耗する。概ね戦時の航空機は平時の5倍ぐらいの酷使されるといわれているが、アフガンのような頻繁な作戦飛行を行う状態が続き、対地攻撃を頻繁に行えばその分だけ機体の寿命も短くなる。
 となれば、近い将来追加の機体の調達あるいは、新型の機体の調達が必要になるだろう。現在ではジェット戦闘機の価格は高騰しており、このためマルチロール化して機数を減らして傾向が多い。本来かならずしも向かない任務で貴重なジェット戦闘機をすり減らすのは経済的ではないし、それは大きな経済的な負担を負うことになる。

 攻撃や武装ヘリは低空を匍匐飛行を行って対戦車攻撃を主任務としてきたが、イラクやアフガンでは上空に留まりISTARや、火力支援を行うことに任務がシフトしてきている。だが、これらの任務に攻撃ヘリや武装ヘリは必ずしもベストマッチではない。

火力支援にしてもISTARにしても地上部隊に取っ手の一番大きな不満は、必要な時にヘリが上空にいないということだ。ヘリコプターの滞空時間は一般に短く、ジェット戦闘機同様に常時上空に貼り付けておくためにはかなりの機数が必要なる。特に標高が極めて高いアフガンではヘリの滞空時間が短くなる。またそれは現実的ではない。


更に問題なのが低空での生存性が低いことだ。イラク、アフガンの戦闘では低空をせいぜい時速250キロ程度の低速で飛ぶヘリは、地上からの攻撃を受けて多くが墜落したり、被弾している。低速なヘリが低空で飛ぶ場合、携行型対空ミサイルの発達は勿論、機銃やRPG-7などによる攻撃も深刻な脅威となっている。

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