ライフルグレネードとグレネードランチャー
2007年にコンバットマガジンに寄稿したライフルグレネードとグレネードランチャーの比較解説の記事です。陸自が採用した06式小銃擲弾がいかに愚かかわかると思います。
陸自がグレネードランチャーを有していなかったので、グレネードランチャーはさほど普及していないとか、仏軍FA-MASもライフルグレネードを採用している!と強弁している軍オタがいますが、世界の主流はグレネードランチャーであるのは厳然たる事実で、FA-MASが開発されたのは60年代で70年代に採用です。しかも特異な形状という例外でした。更に申せば仏軍もスタンドアローンのランチャーを多用してきました。
そしてなにより06式小銃擲弾がほとんど調達されず、20式小銃ではベレッタ社のアンダーバレル型ランチャーを装備したので、自称軍事通の軍オタさんたちの主張がいかに滑稽であったか理解できるでしょう。
個々の歩兵が保有する火器で威力が大きいのがグレネードだ。これには手榴弾と推進装置を有したものに分けられる。更に推進式のグレネードはライフルの先端に装着して実弾ないしは空砲で発射するライフルグレネードと、グレネードランチャーに装填して使うものに分けられる。両者にはそれぞれ長短があり、一概にどちがら優れているかとは言えないが最近はグレネードランチャー使用型に軍配が上がりつつある。
ライフルグレネードは時代遅れ
ライフルグレネードの利点はライフルの先端に装着して発射するために特別なランチャーは必要としないことだ。「だれでもどこでも」使用が可能である。またこのため小部隊の全員が装備することも可能で、その場合は部隊が一斉に発射することにより火力を集中することができる。これは敵の突撃を防いだり、あるいは味方が突撃する際には有効である。
逆に欠点はグレネードランチャーに構造的に比べ命中精度が低いことだ。しかも通常歩兵がライフルグレネードの射撃訓練を頻繁に行うことはあまりない。このため実際に使う際に正確な射撃があまり期待できない。しかも発射に際して小銃に負担がかかるので小銃の寿命を縮めることも多い。更に、継続して発射することが困難である。また一般にランチャー使用型に比べてかさばるので一人で多くを携行できない。また構造が複雑で収得単価が高い。
対してグレーネードランチャー型は一人射手が継続して発射することができる。また、ガス弾や照明弾、煙幕弾などを状況によって使用することも可能である。ライフルグレネードの場合一人の歩兵がいつもの種類のグレネードを携行することは不可能に近い。
アンダーバレルとスタンドアローン型
グレネードランチャーには大きき分けて、小銃に装着して使うアンダーバレル型ものと、単体のグレネードランチャーとして使用するものに分かれている。前者で有名なのが米軍が使用してきたコルト社のM203である。また後者は更に単発式と連発式に分類できるが、単発式では米軍がヴェトナム戦争などで使用したM79などがあり、連発式では南アフリカ国防軍が使用してきたミルコー社製の6連発式のものなどがある。
なお、歩兵が携行するグレネードランチャーの弾薬はNATO規格の口径40ミリの40×46mmがもっともポピュラーだが、車載型のオートマチック型が使用するのは同じ40ミリ口径でも40×53mmと異なった弾薬を使用しており互換性はない。
その他ロシアや中国では口径30ミリのグレネードが使用されている。これらは40ミリに比べて弾頭は小さいものの、その分多く弾薬を携行できるので市街戦などでは有利だろう。
主流となったアンダーバレル型
さて、現在最も人気があるのがアンダーバレル型である。小銃に装着して使用するので射手は状況に応じて小銃とグレネードを使い分けられる。M203はハンドガードをスライドしてグレネードを装填するが、これだと最近多くなってきた弾頭部が長いグレーネードは装填できない。
そこでH&K社のAG36はバレルを左側にスイングして装填する方式をとっている。これならば全長の長いグレネード弾でも問題なく装填できる。AG36はドイツのほか、英軍も採用しており、米軍もXM360として仮採用しており、近く制式採用になる予定である。ドイツ軍や英軍ではAG36を未来歩兵の装備の一部として採用することになっており、一個分隊当たり2名の小銃手がこれを装備する。

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