【無修正バージョン】ユーロサトリでみた最新MBTの方向性
「月刊軍事研究」に寄稿した記事に加筆しています。
6月17日から21日に掛けておこなわれた世界最大規模の陸戦兵器の見本市、ユーロサトリにおいて、欧州戦車メーカーの中心であるラインメタルとKNDSが多くの戦車関連の展示を行った。これらの戦車は将来の戦車のデファクト・スターンダードになっていく可能性が非常に高い。
ラインメタルは130ミリ砲、KNDSは今回始めての140ミリ砲を展示してそれぞれを次期MBT用として提案していく予定だ。だが筆者は結論から言えば、現用の120ミリ砲に比べて、両者ともに砲弾が巨大となって事実上採用が難しいのではないか。主砲は120ミリ砲にとどまるのではないか、と考察する。
また独仏の新型戦車開発で大きく揉めることが予想されて、これが政治問題になる可能性が否定できない。かつてドイツでは戦車に関してはラインメタルが主砲と砲塔システム、KMW(クラウス・マッファイ・ウェックマン)が車体を担当してきた。またドイツ軍の現用の歩兵戦闘車やボクサー装甲車は共同で(ボクサーはオランダも参加)目的会社を設立して開発生産を行ってきた。
だがKMWはフランスのネクセター社とKNDSを設立し、その経営統合がかなりのレベルまで進んでいる。言うまでもなく、ネクセターはフランス陸軍のMBTであるルクレールを開発生産してきた。新型の140ミリ砲や自動装填装置も同社が中心になって開発してきた。現状新型MBTは独仏共同開発が見込まれているが、その場合、140ミリ砲を採用した場合、同社の装填装置も採用されるだろう。そうなればラインメタルが関与する余地は少ない。かといってNATO独仏がそれぞれ別な口径の主砲を採用するわけにも行くまい。フランスはともかく、ドイツ政府としてはラインメタル、KMWの両者に仕事を分配する必要があり、その配慮なく純粋に軍事的に新型戦車を選定できまい。かといって両社の共同開発となっても仕事のシェアで揉めるだろう。
アメリカもM1エブライムズの後継を開発中であるが、ジェネラルダイナミックスにその能力が十分にあるかと言えば疑問である。同社に限らず米国企業は主たる装甲車両は外国製かあるいは既存の改良が主であり、MBTを開発する能力があるとは思えない。実際に多くのプロジェクトで開発期間の長期化と、予算の高騰が続いている。その中で最も難易度が高いMBTを順当に開発できるだろうか。また開発するにしても独自の規格の主砲を開発するなら、独仏との調整が必要だろう。NATOとしては2つも3つもMBTの主砲の規格が並列するのは好ましいことではない。
ラインメタルのアプローチ
まずラインメタルの展示を見ていこう。
ラインメタルは前回のユーロサトリ2022で発表したKF51、パンターEVO・アップグレードと、今回更にMBT用の新型の無人砲塔、CUT(Concept Uncrewed Turret)を発表した。

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