見出し画像

朝ドラ『虎に翼』(2024)感想


はじめに

2024年4~9月に放送されていた、NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』を、
NHKオンデマンドに登録して一気見しました。

もともと、放送期間にツイッターでちょくちょく話題になっていたのを遠巻きには把握しており、朝ドラとして革新的なほどにフェミニズムや政治を扱っているらしいということで、気になってはいたのですが、観る直接のきっかけとなったのは年末の紅白歌合戦でした。

『虎に翼』の主題歌である米津玄師「さよーならまたいつか!」のパフォーマンスとして、ドラマのキャストたちによる特別ミニドラマ→曲に合わせてみんなでダンスが行われて、まったく『虎に翼』を観たことがない自分でも、なんだか感動し、強く惹きつけられました。(フィクションの中と外がいっしゅん奇跡のように交わるやつ、オタク好きがち)

振り付けが、好きなダンサー:yurinasiaさんによるものであることもそこで初めて知ってびっくりしました。

もともと主題歌の「さよーならまたいつか!」だけは聴いていて、2024年もっともお気に入りの曲のひとつだったので(ドラムの質感がめっちゃ好き。踊れる)、この紅白パフォーマンスを機に、いっちょ『虎に翼』本編を見てみますか~!と思い立ったのでした。

そして年明けにNHKオンデマンドに登録し、正月から、映画もアニメもいっさい観ずに、ひたすら『とらつば』を観る生活が始まりました。だいたい退勤後、夕飯を食べながら観るのが日々のルーティーンになっていたので、わたしのなかでは「朝ドラ」ではなく「夜ドラ」です。

朝ドラの各話15分というフォーマットは、30分アニメとも1時間ドラマとも違って、1回がよりコンパクトなので視聴負荷が少ないのが良いですね。なので一気に3回も4回もつい観れてしまう。


そう、この『虎に翼』が、わたしにとって初めての「ちゃんと最初から最後まで観通した朝ドラ」です。小学生の頃に、リビングで毎朝流れているのをなんとなく観ていたことはありますが、しっかり通して見たことはありませんでした。アニメや映画でも、わたしは朝ドラや昼ドラっぽい質感のストーリーのほうが好みではないかと感じていたので(『花咲くいろは』とか)、じゃあ本家本元の朝ドラを観て、じっさいに好みかどうか確かめてみればいいじゃん、確かめたい!という想いはここ数年ずっと持っていました。それがようやく実行できて良かったです。

わたしはフェミニストであり(にわか)左翼なので、もちろんその点でも『虎に翼』自体に興味がありました。

以下、だいたい各週(計5回)ずつに分けて、視聴直後の感想を書いています。朝ドラ初心者なので、この『虎に翼』がどのくらい「朝ドラとして異様」で「革新的」なのか、それともこれくらい「普通」なのか……は判断できませんが、適当言いまくっています。朝ドラ初心者がなんか適当言ってんな~と思って読んで下さい。




視聴期間:2025/1/2~2/25






第1週

NHKオンデマンドに登録して、第1週目(~5回)を観た。

第5回感動した。泣いた。
夢を追おうとする娘の最大の「敵」となって立ちはだかった母親が、最後には最大の味方になる展開に弱い。そうなる前から手のひら返すのを想像して涙出てきたもん。
寅子も、あくまで母のことを高く評価して尊敬しているのがとてもいい。法科の男子学生よりも母はずっと賢いと寅子が啖呵を切ったことで母親の手のひら返しに繋がるのがグッとくる。
女と女の関係のドラマを描こうとしている。それは、虐げられてきた女がじぶんの娘にも同様の仕打ちを課そうとする呪いの物語となりうると同時に、しかし今回のように、やっぱり女を救って背中を押すことができるのは同じ業を背負ってその覚悟を理解した女である、という物語も描けるのだ。人それぞれの「地獄」に生きている。
あと、寅子の兄と結婚した親友の子が「したたか」に自分のやりたいことを叶えるのだと寅子に指南するの良かった。結婚に対するスタンスは正反対だが、どちらも自らの欲望・願望を実現することに貪欲であるという共通点を持っていること。「女」にも色々いるが、しかし連帯の可能性はつねに存在する。
「はて?」と「すんっ」が決めフレーズか。「はて?」のBGMおもろい
1931年(昭和6年)始まり。世界恐慌が1929年で、31年は満州事変の年。
今のところ、フェミニズムと反差別の教科書のような脚本。フェミニズムと反差別が好きなのでそれなりに面白いが、教科書然を越えてくる面白さを期待したい。



第2週

女子部編開始 華族の令嬢、最年長の既婚者、朝鮮人留学生、男装?のよねさん……と、クラスで浮いたグループとして寅子が仲良くなるのはマイノリティや異端な者のアラカルト。既婚の年長者が学生として入学してくるのが特に驚いてグッときた。令嬢・涼子の使用人?の女性までいつめんに加わって、身分制度も射程に入ってきそうなので期待
よねさんは虐げられている女性の悔しさと怒りが人のかたちを取っているようだ。


第3週

一週ごとに年月が1年跳ぶのか。わりとサクサク進む
法廷劇の筋書自体が、男性の学長たちに都合のいい女性蔑視に基づくものであったことに、ただ気付くという一歩。
毎週、最後の回(金曜分)には前向きな展開で終わってくれるので安心する。感動して必ず泣く。
寅子の学友たちだけでなく、母親そして兄嫁に来た花江の悩みまで「輪」に入れて扱うことに感動した。寅子が彼女を「親友」ではなく「兄の嫁」と学友に紹介したことにショックを受けていたのもいい。寅子もまた無謬ではない。加害者側になる。
弱音を吐くことも、怒り続けることも、どちらも大事。あなたはそのまま嫌な感じでいて、と言われちゃあ、尖った一匹狼も立つ瀬がない。ツンデレの居場所も作る。
毒饅頭再現をいきなりし始めたのと、母さんがそれになぜか協力的なのは正直あまりついていけなかったが。。
けっきょく寅子たち5人しか残らなかったんかーい モブのクラスメイト達にも注目していたのに……。


第4週

法学部(本科)編 1935年
梅子さん……!! こんなん泣くって
男子連中のエピソードは、(反)ホモソーシャル・男性学の教科書のようなおはなしだった。でも花岡けっきょくいいやつで泣いた。



第5週

共亜事件編おわり!! 長かった~~ きつかったぁ~~
最終的には逆転裁判のようにスッキリ「悪」を打ち破ったけれど、それまでの過程が、たった放送1週間ぶんだとは思えないくらい裁判を戦う人々のしんどさを描いているものだから・・・。

モデルとなった事件はこれか~ 検察って裁判官と同じく壇上に座っているもんだったのか、当時は。
裁判官の松山ケンイチがまたいい味出してるなぁ 準主人公はこいつなのか? ロマンスにはならんよな
夫に謝られた妻(母)の涙で共亜事件を終わらせつつも、物語としては寅子の法律解釈の変化と「裁判官」という(女性が当時なれない)職業への憧れの芽生えで締めくくる見事な構成だった。
ヘテロロマンスといえば、書生の雄三と、同級生の花岡とで三角関係?にいっしゅんなりそうだったのが笑った。


第6週

高等試験編
これで学生編おわりか~ 第1部完!といったところか。
「わたし達、怒っているんです」 1年間の浪人の末、女性初の弁護士の資格を勝ち得てなお、大団円ではなく、このように訴えてまとめるのが素晴らしい。「女性初」だから凄いのだと、女性の枠のなかで1番だと褒め称えられても何も嬉しくない。なぜならそれは女性蔑視の上に成り立つ「賞賛」だから。だからモヤモヤする。怒る。怒っているのだとめでたい場で表明する。それを宣言できるだけの立場を、死ぬ気で勝ち得たのだということ。(しかし、やはりそれを世間に報道してくれるマスコミもまた男性であり、そこに不本意ながら依存しなければならない現状がある)
よねさん、信念を曲げないままにいつか合格するのだろうか。頑張ってほしい。
もう香淑さんや梅子さん、涼子さんは登場しないのだろうか…… 寂しいなぁ
まだ30/150回で実質1/5しか終わってないって、朝ドラの長さにビビる。



第7週

弁護士デビューand婚活編
花岡さんとの関係も、優三さんとの成り行きも、めっちゃ好き。少女漫画であり、乙女ゲームの2択みたいでキュンキュンする。すぐ離婚するか死別しそうだけど。
そして、本当に仕事のための道具として仕方なく結婚するのもすばらしいし、よねさんが結婚制度自体を下らないと一蹴するのも解釈一致。
花岡さん絡みのエピソード、負けイケメン譚としてかなり良かった。寅子に突然婚約を伝えたことでよねさんたちから責められるのは流石に可哀想だと思いました。



第8週

38回  寅子しんど過ぎるって…… きっつ…… こんな鬱展開ある?? いや、「鬱展開」なんて言葉を当ててしまうのは決して的確ではないのだけど。久保田先輩ら女性弁護士の仲間がどんどんいなくなって、男も出征でいなくなって、自分しかいなくなって、最後のとどめの一撃が、寅子を法曹の世界へ導いてくれた恩師からの最悪の裏切りだなんて。先生はもっと大局を見ているのだろうけど、それは自分が女性当事者でないが故の第三者だから思えることなんだよな。
そして忘れた頃に現れる松山ケンイチのトリックスター振りがすごい。彼だけは裏切らないし死なない安心感がある。
あと優三さんの死亡フラグが凄いんだけど、逆に生き残る可能性ある??
冤罪の回はシンプルに怖かった…… 連帯して救済したいはずの女性依頼人から裏切られるやつ。
戦地の直接的な描写を一切せずに、子供のごっこ遊びでのみ描く演出すごい秀逸で恐ろしい。

39回
なるほど…… 周りに次々裏切られるだけでなく、遂には寅子が裏切る側に…… とても巧みな脚本だ。
めちゃくちゃしんどいけど、この作品に山田よねという人間がいてくれて良かったと心から思う。ゆいいつ寅子をひとりにせず、寅子からひとりにされる存在。恋愛も結婚も妊娠出産も、そして「女性」という枠組みさえも下らないと拒絶する、フェミニズムの究極の体現者。ラディカルな人間にもっとも共感できる。

そうか……辞表を……
戦時中を扱っている物語で、ひと足先に主人公が地獄のなかでの戦いに「降参」して終戦するということ。ひとつの戦いが終わってもまだ人生は続くこと。その意味を考える。
いつの間にか出産してる!! 出産シーンをいっさい映さないことに確かな思想を感じる。好き

40回
人々の生を否応なしにドラマチックに、御涙頂戴にしてしまう戦争は、あってはならない。



第9週

一週間の放送分で、戦争による喪失と再生とを描き切った。あっぱれ!
夫の死に向き合うために贅沢をしてきなさいと母に渡されたお金で買った焼き鳥を、食わずに退店しようとして持たされた焼き鳥の包みに使われていた新聞紙に書かれていた日本国憲法公布の記事から、寅子の新たな人生が始まる流れが美しい。
ここで第1回の冒頭に繋がるのか~ ほんの24時間前に観たものだからまだまだ記憶が鮮明 第1回を見返してみたけど、なるほど最初は日本国憲法を読んで嬉し泣きしているように見えるけど、実際には夫の死で泣いている、というミスリードになっていたのか。また、人事課長の桂場のもとで名乗ろうとしたところで時系列が巻き戻って「猪爪寅子です」と言うことで、「佐田寅子」ではない、というネタバレ回避にもなっている。

第45話まででプロローグが終わった感じがする。ここからが本番、裁判官編だ!
でも、戦前は女性が裁判官になれなかったのが、戦争に負けることで憲法が改正されてなれるようになる、というのが皮肉だ。
弟くんめちゃでかくなってイケメンで立派な大人になってて驚き。でもまだ二十歳の彼を「大黒柱にならなくていい」と、男の呪縛から解放するために寅子が自ら稼ごうと奮起するくだりも素晴らしかった。そうやって夫の死を乗り越えている。人はけっきょく誰か大切な人のためにしか前向きに生きられないのかもしれない(そんなこともないが)
よねさん流石に生きてるよね? あれでお別れじゃあ嫌よ。



第10週

あっさり就職できるのすごい しかも民法改正に携わるとか超重要案件すぎる
「はて?」イップスみたくなって「すんっ」を多発してしまう寅子 一度弁護士の座を降りたことが長く尾を引いているよう。
教授先生は相変わらずめちゃくちゃ良いことも悪いことも言って結果的に寅子の背中を押すなぁ 前回は弁護士の道をあきらめさせたけど。
法に携わる仕事が好きだからここにいる、ということを自覚して以前のように無我夢中で働けるようになる。
GHQのユダヤ系のアメリカ人おじさん優しすぎる 花江のトラウマがいっしゅんで瓦解した
え~花岡さんマジかよ…… そんな次週への引きのためだけ、みたいな演出で。。


1/3

第11週

家庭裁判所設立編
弟の鶴の一声でそんなあっさり解決する?笑


第12週

道夫編 母ちゃん・・・涙


1/7(火)

第13週

梅子さん再登場&家裁愛のコンサート編
仕事帰りの夕食時に一週間分を一気見。朝ドラならぬ夕ドラ?
相変わらず一週間スケールでのお話の起伏がかなり定まっている。週の前半、3日目くらいまではかなり重苦しい後味の悪い内容でキツイが、そこから一気にポジティブに転じる。金曜の多幸感といったらない。ずっと泣きながら観ている。ラストの、チャンスクが梅子のおにぎりに気付くところで息を吞んだ。あれは反則でしょ。
梅子さんこの作品でトップクラスに好きな人物なので再登場うれしい。あの高笑いにはびびり、えっ相続だけでなく息子たちを見守ることすら放棄していいの!?と動揺したが、「母」の呪縛を女性が自ら解き放って幸せに生きていくことを肯定するのがテーマなのだと理解して、納得した。亡くなった母(はる)の代わりに寅子たちの家庭を切り盛りしようとして疲弊する花江にもスポットが当たり、「良き母」である必要なんてどこにもないことをこれでもかと念入りに描く。代議士のパーマの叔母さんも、人気歌手も、あらゆる女性が自分の人生に誇りをもって好き勝手に楽しく生きているから格好いいのだ。
ただ、それでいうと、梅子の元夫の妾であるあの女性は、露悪的なほどに「悪女」の典型に造形されていて、この作品はああした女性も肯定しているのだろうか、という疑問は残った。めっちゃいや~な梅子の義母(姑)の造形も、そう。

かなり絶望的な状況を作り上げてから嘘のように好転する話を一週間単位で繰り返しているところからも、やはり「朝ドラ」としての合理的な軽薄さ、楽天主義に貫かれているのだろうとは思う。それが主題とはいえ、「法律を知っていたので一発逆転できました」というような梅子さんの民法引用や、愛のコンサート等の広報月間があっさり大成功を収めるところや、花江さんが「手抜きをさせてください」と家族に頭を下げて一件落着するところなど、あっさり上手く行き過ぎだろう、そんな簡単にいったら世の中苦労しねぇよ、と呆れてしまう節がないではない。でも、朝ドラはそうやって必死に毎日を生きる「国民」の一日の始まりの糧になるような、良い意味での能天気さを持っているべきなんだろうな。「絶体絶命→一件落着」のサイクル。



第14週

1/8(水)
66回

1/9(木)
67回
全最高裁長官の星先生の著書『日常生活と民法』の改修作業を寅子も手伝う。じんわりと良い話だった。あの場で梅子さんも一緒に聴けたのがなにより嬉しい。他の客まで聞き入る演出にはちょっと笑っちゃったけど。

1/10(金)
68-69回
尊属殺の合憲判決
穂高先生の最高裁判事退任祝賀会にて
てっきり寅子も感動で泣いてるのかと思ったけど、憤りだった。じぶんはふつうに流されて感動の涙を流しちゃったなぁ でも確かに思い返せば穂高先生このひと、かつて寅子の心を折ったひと言を発したひとなんだよな。岩に落ちる雨だれのひとしずく、というフレーズもそのとき寅子にかけた言葉だった。それを思えば寅子が激情するのも当然か。尊属殺は違憲だと声を上げ、その意義を寅子が子どもたちに語った次の回で、まさかこういう展開を用意するとは。完全にしてやられた。68回はな~んか緩いなぁと思ったんだよなぁ。ぜんぶ想定内だったかぁ。
怒り続けること、許さないことの大事さを何度も一貫して描く話だ。
でも穂高先生めっちゃ偉大だと思うし、好きなんだよなぁ。完全無欠のいい人、尊敬すべき恩師に仕立て上げずに、それでも寅子が許さないことでなおさら魅力的なキャラクターになっているだろう。その前の星長官は寅子にとって「尊敬すべき恩人」のままに亡くなったが、それすらもブラフというかフリになっているのか。

70回
いや、案外あっさり寅子も穂高先生と「和解」して、そして別れた。穂高先生~~! たしかに「古い人間」でときどきクリティカルに酷いことを言うけれど、それでもかけがえのない先生だったよ。
寅子もいずれ「古い人間」となる、と言われたけれど、どうなんだろう。現代から見て寅子の批判すべきとこってあるのだろうか。こうして『虎に翼』というドラマが現代人(の左派)に絶賛されていることを鑑みれば、むしろ寅子は現代の感覚を過去に投射したような「理想」の人物ではないのか。むろんモデルがいるのは分かるが…… 
個人的には、子どもを作っている時点で反生殖主義者としては批判したいところだが、それは現代よりも更に進んだ思想なので……。
この次の週に寅子と娘の関係に焦点を当てる構成はなかなか考えさせられる。尊属殺の違憲性や離婚家庭の親権問題など、子は「親」に縛られる必要がないこと、親子関係の自明化の危うさについて扱ったあとで、親としての寅子の瑕疵を掘り下げるのは見事だ。まだ観てないけど。
なお、家裁の家事部と少年部の協力云々は、呆れてしまうほどに薄っぺらく描かれている。めちゃくちゃ力を入れているところと、こういう敢えてあっさり拍子抜けなほど雑に一件落着させるところの差が烈しくて、けっこうびっくりする。たまについていけなくなる。



第15週

転勤決定編
1/19(月) 71回
1/20(火) 72回
至る所にある男女の本質主義に反発する寅子 しかし我が娘の表層しか見れていないと花江に糾弾されてしまう
花江さんゆみを本当に大切に想っていて優しいなぁ
73回 ひえ~こわい サスペンスはやめてくれ~
74回 桂場が…………デレたぁ~~~~!! 地味に初めてじゃないか? 「君は俺たちから好かれている」なんて…… 家裁メンバー「愛」すぎるだろ。
ゆみとの親子関係は……まだまだ課題山積みだなぁ。新潟で、裁判官としても、親としても、イチからやり直して地盤を固めるってことか。しかし寅子まじでキツイよなぁ 仕事でも家庭でもめちゃくちゃ頑張らないといけない。まぁもとはと言えば、仕事のために打算で結婚して(それはまだいいが)そのあとで夫に絆されてちゃっかり子ども作っちゃったのが悪い…… 完璧な人間なんていないからいいんだけど。しかしこれだけリベラルで反差別な物語だけど、さすがに反生殖主義はまだ受け入れていない。
でも、なりたくて「時の人」になったわけでもないしなぁ。だからこその桂場さんの異動決定なんだろう。愛でしかない。
75回 これで5週間に渡った家裁編が終わり、新潟編が始まるのか…… 思えばこれまでほぼずっと東京のあの家から動かずに物語が進んできたんだな。舞台にようやく動きが。三條市かぁ 現実には三条市らしい。なぜそこで微妙にずらしたんだ。
よねさん確かにもうしばらく司法試験は受けてなかったのか。がんばれ~~ 受かったら泣いちゃうよ
多岐川さんは最後まで真っすぐに変な人で良かった。



第16週

1/21(火)
第16週 三條新生活編
78回 ゆみは亡き父の等身大の思い出話を母にしてもらいたかったのか。緊張するとお腹痛くなるキャラだったの完全に忘れていた。久々に彼が言及されて号泣 寅子も胸が詰まってしまったんだなぁ。でも娘へのあの話題の逸らし方はないと思う。
新潟三條市の裁判所編だけど、さすがに「田舎」だからこういう土着的な慣習やら人間関係やらでがんじがらめの土地だ、と言わんばかりの描写はどうなんだと思う。こっから巻き返しに期待
79回 田園風景のロケーションがよすぎる 寅子にとって初めての「部下」だもんなぁ それでも、書記官の彼は亡き家族をまだ心から受け入れられていない寅子自身であり、そして子どものゆみでもある。部下への接し方と子どもへの接し方。
80回 ゆみちゃんが本音をぽろっとこぼしてくれるだけで泣いちゃう。
ええ~~~! りょ、涼子様……!! すっかり忘れていた。完全に虚を突かれた。


第17週

1/22(水)
第17週 涼子&玉再会編
涼子様と玉さんの関係の再考と、新潟地裁での刑事事件と、そして引き続き娘ゆみのことと……公私あわせて3つの課題を同時にこなす寅子。タフだな~~
涼子と玉は、スーパーストロングな(元)主従関係百合でした。ずっと泣いていた。"Best Friend" になりませんか。なれてよかった。涼子が玉から手を離しそうになったそのとき、今度は玉の側から涼子の手を強く握り直す芝居がすばらしかった。「世継ぎを早く産みなさい」という呪いを娘にかけて死んでいった母、元華族という血統主義と家父長制の牙城に対して、研ぎ澄まされた強靭なシスターフッドを答えとする。
でも、寅子が最終的に結論付けた、心の拠り所がひとりだけだと「対等」から「特別」になってしまい、失ったときに脆いし、歪んでいってしまうという弁は三角関係好きとしても非常に嬉しかった。極上の二者関係(百合)を描いたあとで、ふたりが疲弊してつらくならないように、寅子は「三人目」としてお手伝いの稲さんを涼子たちの店へ紹介する。稲さんの拠り所を増やすという目的もすごいと思う。よくそこまで頭が回るなぁ。そして「友達はいない。いらない」という娘ゆみには、拠り所が他にいれば、別に必ずしも「友達」はいなくていいことを認めて謝る。考えがどこまでも現代的なんだよなぁ。
いろんなひとに「特別」認定をして赤い腕輪を配っていたお嬢様はこわすぎる。たまにこういうキャラぶち込んでくるから気が抜けないんだよな。
星航一(岡田将生)とゆみが一瞬で打ち解けたの笑った。いよいよ航一に焦点が当たるのか。これまで地味に掴みどころのないポジションだったからな。。
杉田弁護士がゆみを見て、空襲で亡くした孫娘を思い出して大泣きしたのにも驚いた。長岡の大空襲知らなった。舌打ちを頻発し、女性差別などかなり絵に描いたような保守的な人物という印象だったが、だからこそこういう別の面が描かれるのかぁと思う。(家族を大事にするのももちろん保守の典型だろうが)
航一があそこで杉田弁護士を強く抱きしめたのにもびっくり。ふだん冷徹なかんじだけどここぞというときに情を見せる。
星航一は、寅子の再婚相手になるとかではないのか? けっこうヒヤヒヤしているんだけど。



第18週

1/23(木)
第18週 対-朝鮮人差別編
86-87回 イリクラという若い判事補の「嫌なヤツ」感はなんだかなぁ。あまりに差別に対する感度が二極化していて、「正しい」側と「間違っている」側のような安易な二項対立になっている気がする。でも、関東大震災の朝鮮人虐殺を知っているかどうか、という世代差の問題に帰着させようとしている面もあった。まぁ寅子よりよほど上の世代でも差別的な人物は多く描かれているが、惨禍の記憶を継承することの重要性というテーマをここで見出しておくことは必要だろう。
それとも、親しい人に朝鮮人がいるかどうか、みたいな個人的な次元に落とし込んでしまうのだろうか。そのいずれでもなく、なんとか希望的な回答を期待したい。
星航一さんはここにきてなんだか絶妙に場の空気を読んでなんとか取りまとめる調停役の姿が盛んに描かれるようになってきた。
88回 困っている人を助けるのはふつうのこと、と事も無げに母に言うゆみちゃん、いい子過ぎて逆にリアリティが感じられなくて怖いくらい。
刑事事件ということでサスペンス/ミステリーめいてきた。裁判官が担当している刑事事件の証拠を部外者に勝手に見せてもよいのだろうか……と気になってしまう。
89回 誤訳を指摘してあっさり無罪にはなった。そういう都合の良さ・寅子から匂い立つ綺麗ごと感にバランスを取るために、保守代表として杉田弁護士の存在があるのか。若い世代ゆえ己の国が過去にしてきた植民地主義と差別の暴力に疎く、現在の目の前の世界だけを見て差別意識と恐怖感、嫌悪感を募らせるイリクラと、逆に上の世代ゆえに過去の歴史がひとの中にあり続けること、簡単に清算などできないことを身に染みて認識したうえで「仕方ない」と譲る杉田ら。ただはじめから差別に反対する人々を正しいものとして描くのではなくて、差別する人々、すべての人々のなかにある差別意識にきちんと向き合ってこそ「反差別」の物語として価値が生まれる。
90回 遂に明かされる航一の戦時中の経歴と後悔の真相。総力戦研究所。重いって!!! これ朝っぱらから放送してたのか。NHKスペシャルとかじゃなくて!? でも、てっきり朝鮮人殺害に加担とかしてるのかと思ったら、めちゃくちゃ正義に燃えて頑張っていた。だからこそ痛感せざるを得ない無力さと責任感。ここで、大切な人を失うなどの被害者としての日本人から、国民全員が戦争責任を少しずつ持っている、というほうへと展開しているのがすばらしい。市民は無力だけれど、それでもまったく責任が無いわけじゃない。「無力だ」と自覚することが、責任逃れになってはいけない。無力だと思い過ぎることも、責任を感じ過ぎることも、人間を潰してしまう。だから、ひとりがつぶれそうなほど抱えている罪悪感を分かち合うこと。男性が泣き崩れるさまを印象的に描くドラマだと思う。明らかにフェミニズム・男性学的な意図がある。雪が降りしきる中、寅子は航一の背中をたださすり続ける。名シーン。
ラストシーンや次回予告を見る限り、マジで再婚相手として浮上するっぽいな。そりゃああんなことされたら、ねぇ……。



第19週

第19週 再婚思案編
1/24(金)
91回 星さんの過去を聴いた入倉さんがころっと絆されるのどうなん? はじめ嫌な奴だったのがこうして主人公陣営に堕ちて味方にひっくり返るの、欺瞞を覚える。
ゆみの言うことがいちいち子どもとは思えないほど芯を食っていて笑う。物語に都合の良い子ども造形。
『オブローモフ』!! 高瀬くんが読んでたのロシア文学だったのか。
92回 こわいよ~~  これまで政治運動の観点から法律を扱ってきたが、ここにきて「なぜ人を殺してはいけないのか」という哲学の観点から殴り込みをされた寅子。「溝を埋めるためにもがこう」として手を差し伸べた矢先、現れた娘を彼女から庇ってしまい、本音があぶり出される…… しびれる展開
93回 「友情結婚」かぁ……先進的すぎる気もするが、この時代にもあったのだろうか。我が身を振り返って慎重になりなさいと諭す寅子ワロタ。航一との仲が急接近してキュンキュンしとるところに…… でも再婚はしないんじゃないかなあ。してほしくないかもなあ。
1/26(日)
94回 うわ~~ここにきて戦地で没した夫からの手紙開封とか、そんなのありかよ~~~ 存在に気付かなかったのマジ? こんなん泣くって・・・あの人らしい、どこまでも優しくて寅子想いな文章だった。こーれは再婚秒読みですね・・・流石に都合よすぎな展開ではあるが。航一と良い感じになっているところで、ちょうど亡き夫から再婚の懇願・赦しが貰えるなんて。
そして花江さん。花江はこの作品で寅子と対になる存在だろう。片や「女らしさ」の枠に疑問をもって社会進出して活躍する寅子。片や、旧来の「女らしさ」とその役割をひたむきに受け入れて、寅子たち家族を支え続ける花江。この作品は、もちろん花江を「間違っている」古くて駄目な女性とは描いていない。そうではなくて、その家庭を支える仕事が正当に評価されてこなかった社会に対して、きちんと光を当てるべきだと訴えるような描き方をしている。花江のしんどさ、寂しさなどの苦悩もたくさん描いて、「完璧な母性」のような性差別的なものを排しながら、のびのびと、無理しない範囲でその役割を楽しんで生きていくモデルとして確立しようとしている。そして何より、寅子と花江が、正反対の性格と生き方ながら、互いを想い合い支え合い、ときには叱って喧嘩して、学生時代からずーーっと一緒に、親友として、家族として、固い絆で結ばれているのが本当にいい。これを「パートナー」と呼ばずしてなんと呼ぶ? 
前から思っていたけれど、寅子を同性愛者などのセクシャル・マイノリティにはしないんだな。まだ朝ドラ主人公でそれは待ったをかけられたのか、物語上あえてのヘテロ設定なのか。これだけリベラルなら十分あってもいいと思うんだけど、確かに夫を戦争で亡くして戦後に大々的に社会進出して時の人となる女性──みたいなのを描くにはヘテロじゃないといけないのか? バイロマとか、望まない結婚とかでもいいのでは。そもそも寅子さいしょそんな感じで恋愛感情抜きで打算的に結婚を利用するつもりだったし。
95回 うお~~やっぱそうなるのか!! ふたりで雨の日の廊下で滑って転んで手が触れ合った瞬間、先ほど言っていた理性的な「大人」の枠からはみ出た自分が姿を現す。少女マンガみたいなことやってて笑った。「永遠を誓わない、だらしない愛」……「なるほど」が寅子と被ってしまった。反-ロマンティック・ラブ(マリッジ)・イデオロギーというか、〈永遠にして崇高な純愛〉イデオロギーへの明確なアンチですよね。どこまでもリベラルで自分好みだ。にしても、航一さんが「枠からはみ出て、溝を埋めたい」とか言うのえろ過ぎた(←エロガキ思考)
ゲーム『パルフェ』の「つまんない恋」にも語感が似ている
雪が降る中で背中をさするという身体接触で距離を縮め、雨がやんだばかりの夜の職場の廊下で滑って手を握り合うという身体接触で本音の告白を引き出し、さらなる接触──初めてのキスをする。雪→雨のモチーフの使い方が巧み。
そういや、守口さんの娘さん、東大に受かったようだけど、けっきょくスッキリ「解決」はしなかったな。これは東京に帰って再会してラスボスになるパターンか?


第20週

1/27(月)
第20週 東京帰還新生活編
96回 浜辺の画よすぎる あからさまに、学生編クライマックスのあの6人で来た海辺のシーンのリフレイン
えっ!? ゆみちゃんめっちゃデカくなってる・・・ 寅子は髪型で老けを表現 1955年。3年後? 4年後?
3年後か。ゆみ小6。ってことはこれまで小3だったのか
稲さーん!!!…… まぁそうだよね……
入倉めっちゃキャラ変わってて草 光堕ち
「はて?」がゆみに受け継がれている・・・
これで4週間にわたる新潟編も終わりか~~
直人めっちゃイケメンだ 直治と1個しか違わないんだ 「俺には分かる」も受け継がれとる
ロマンティックラブイデオロギーに真っ向から反対する寅子。この時代に先進的すぎるけど、よう考えたら寅子昔からそうだったわ 結婚はゴールではない
花江さん相変わらずめっちゃ優しい。直明の配偶者のことを考えて、同居に反対している。直明に怒っている。自らも嫁姑関係には苦労したから。
97回 よねさーーーん!!! ……よかった……ほんとうにおめでとう・・・・・・泣く
梅子さんしかめっ面でなにかと思えば桂場さんにお団子の試食wwww 平和すぎる。逆にこわい
みんな少しずつ老けて立派になったなぁ
1/28(火)
98,99回 直人いい息子すぎてやばい。直治も。花江さん良かったねぇ……立派にここまで育てて……
家族裁判に部外者のガチ裁判官連れてくる贅沢さ。直明の婚約者のレミさんもなかなか癖のある人のようで。
被爆者が国に対して起こした訴訟。これまためちゃくちゃ政治的で重い題材を扱うなぁ。桂場さんのお団子審査で少しでも和らげるしかない。
1/29(水)
100回 家族裁判は平和に終わり、航一からのプロポーズに、よねさんとこの轟が同性愛のカミングアウト。なるほどね~ 寅子が結婚(という制度)について悩んでいるなかでの身近な人の同性愛を目の当たりにする、ということは、ますます現行の婚姻制度を相対化して徹底的に考え抜くということだろう。ここまで同性愛を明示的には扱ってこなかったが、ここできたか。いいねぇ。「結婚」という概念の歪さをとことん見つめて解体しえてほしい。
そして、原爆裁判という大きすぎる仕事はどう関わってくるのか。



第21週

再婚検討編
101回 結婚=嫁入り に反発するのはそりゃそうだ。この時代も婿入りあったよね? まさか夫婦別姓まで行くのか?
1/31(金)
102回 そういや轟って昔から花岡への愛情を隠していなかったな。完全に忘れていた。異性愛中心主義者の悪行
轟とよねさんは本当にいいバディだな。恋愛などを介さない、クィアなバディ
2/1(土)
103-104回 部下に向かって「失言だった!!」とすぐに認めて謝れる桂場さん、良い上司すぎる。寅子もめちゃくちゃ事あるごとに謝っているが、平和への道は素直な謝罪から始まることを丹念に描いているようだ。
MtFの人も轟に紹介された寅子。よねさんはやっぱり性別にも恋愛にも興味がないXジェンダー/ノンバイナリーのアロマンティックということか。
「愛情を利用した搾取」を避けるために、航一は寅子と「夫婦のようなもの」になることを提案する。ワードチョイスが完全にリベラル左翼のそれなんだよな。そして、寅子が結婚に関して悩む根底にあったのは、かつて自分が「自分への愛情を利用した搾取」として結婚をさせてしまったことへの罪悪感だったのか。自身でもうまく掴めていなかったそれを看破した航一となら、確かに婚姻制度を使わない「夫婦」として歩んでいくことができると信じるよなぁ。すごい。同性愛者などのジェンダー・セクシュアルマイノリティを取り上げたうえで、マジョリティとして結婚制度を利用することをやめる。つくづくこれが朝ドラで描かれることの偉大さに感嘆する。
航一さんのお義母さん、跡取り息子が事実婚すること自体は別にいいんだ…… なんだかよう分からんな。こういうところ、都合が良すぎやしないか、単なる形骸的な「保守的な人」造形でプロット上利用しているだけなのでは、と思ってしまう。
ほんと出来た弟すぎるぅ~~~~!
なんか最終回みたいなこと始まったぞ!?!?
105回 なるほど~~ 「神」のもとに夫婦の誓いをするのではなくて、「法」のもとに、それも「憲法」のもとに行う結婚式(の・ようなもの)かぁ。夫婦同姓を強要する現行の民法は憲法違反である、という強烈な主張。
結婚式後の食事会に新郎追い出されてて草 そりゃ同窓会のほうが優先しちゃうか~
喫茶「灯台」ってよねさんが戦前働いて暮らしていたあの店か。そっから「喫茶ライトハウス」と名付けたのか。
マジで大団円でこれが最終回じゃないのか。逆に不穏だ。原爆裁判が進行中であることをすっかり忘れていた。
あと5週か~ なにやるんだろ 星家でのごたごたと、原爆裁判と、新潟の例の娘さん(ラスボス候補)との再戦と……



第22週

2/2(日)
第22週 星家へ同居、新生活編
106回 こういう嫁入り再婚による新しい家族間のギスギスがいっちゃん観ててつらい~~
まぁ航一さんがあぁいう感じの人だから、2人の子どもの親としてもそんなに距離を近く接してこれてなかったのは頷ける
お兄ちゃんはあの場でちゃんと謝れて偉いね 妹のほうがより曲者だなこりゃ でも数回後にはすっかり仲良くなっているのだろう。光堕ち
107回 寅子が航一に「ちちんぷいぷい」と魔法を掛け直してあげる こんなの惚れ直すやろ~~!!
てかこの兄妹が平均よりもだいぶ仲良いんだよな 夜中に一緒にタバコ吸う兄妹て
あれなのか。これまで父=航一は自分らにベタベタ甘やかしてくれなかったのに、再婚して連れ子のゆみには驚くほど「いいパパ」をやっているので、ふたりは自分たちが否定されたような気がしているのかな。嫉妬というか、戸惑いが。
あまりにもすさまじいミソジニー発言は子どもにさせることでなんとかギリ見てられるものにする名采配
2/3(月)
108回 小橋くんが同類を見つけてめっちゃ良いこと言ってる……かつての自分にかけてあげたかった言葉だよね
女性のキャリアが妊娠出産によって一度途絶えてしまうことへの絶望と悔しさ。
109回 桂場さんマジでいい上司すぎる定期 このキャラすごいよな・・・究極のツンデレ
航一のふたりの子どものうち、お兄ちゃん陥落! 残るは妹さんだけだ。ふたりともお母さんが大好きだったんだね。だから父の再婚相手の寅子を簡単には受け入れられない。別々に暮らしていたふたつの家族=歴史=世界が、親の再婚によってひとつになるなんてそりゃあ大変なことで、親の勝手に振り回される子どもはそれを丸ごと否定する権利くらいあるよなぁ。のどかさんも可哀想だ。
ここで麻雀大会。お父さんの血を引いて緊張でお腹が痛くなりながらも必死で戦うゆみさんの姿に泣いてしまった。
110回 のどかさん、クッションを抱きかかえてたもんな。甘えたいし、自分を見てほしい、「子ども」を思いきりやりたいのに、これまでさせてもらえずに抑圧したまま育ってしまったんだよな。「自分を見てほしくない」と言わなくて良かった。そっちのほうが難しそうだから。これで妹も陥落し、無事に航一との結婚(?)編、ハッピーエンドといったところか。
航一が親として子どもをのびのび愛して育ててこれなかったことがだいたい悪いが、その背景には「戦争」が大きく横たわっている構図。お義母さんも婿入りの話を出したときの豹変ぶりが嘘のように、めちゃくちゃいい人だ。最初の夫とのあいだに子が生まれずに三下り半を突き付けられた過去をもつ。だからこそ再婚で手に入れた航一やその子ども2人との生活を宝物だと誇りに思っている。
いったんの「解散」を宣言できる「家族」っていいな、と思った。ひととき寄り集まって一緒に楽しんで人生を共有し、また解散しては集まる「祭り」のような家族像。Kazukiさんの国シリーズ的にも興味深い。
そして、↑そういう再婚同居のごたごたと並行して、女性法曹の産休育休などの待遇改善の話もまた語られていてすごい。この2つを同時に描く意味を考えてしまう。子どもの権利、「親」として生きること、女性が自分の好きなようにのびのびと生きること。ぜんぶ繋がっている。人権と家族と仕事。きわめてリベラルでありながら、紛れもなく「朝ドラ」なテーマを扱っている。



第23週

原爆裁判編
2/5(水)
111-112回  また一気に時間が飛んだ! のどかさん人当たりよくなり過ぎてて笑う。ゆみさん役者変わってるよね? 高校生か
原爆裁判だけでも重いのに、そこに寅子の更年期障害と、航一の義母の老年期痴呆という私生活での長く苦しく思い話題が並行するため、とんでもなく気が滅入る。いや、原爆裁判の話にこんなこと言ってしまうのはかなりヤバいんだけど……
海野先生(ドランクドラゴン塚地)は死亡フラグをビンビンに立てた通りに逝った。お疲れ様です。
よねさんの「意義のある裁判にするぞ」カットインがかっこよすぎる。漫画なら決めゴマになってた。
被告である国の代理人の中年男性の造形は……なんだ、すごいっすね。冷淡で無責任で強大な「国」を体現したような、すごいキャラデザ。
2/7(金)
113回 つらい
2/9(日)
114回 遠藤さん(轟の彼氏)頼りになる良い人すぎて…… マジカルニグロならぬマジカルホモセクシュアル(ゲイ)的な引っ掛かりは覚えるが。→「フェアリーテイル・ゲイ」というらしい!

最近話題になった「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」とかもそうだけど、要するにひっくるめてマジカル・マイノリティという形でのマイノリティ差別表象だよなぁ。むろん一括りにせず個別に検討することも大事だが。
ゆみさん、のどかさんを蹴ったこと自体は謝んないのわろた
被爆者に寄り添うよねさん。ほんとこの人優しいわ
105回 梅子さんおめでとう!!! 桂場さん良い笑顔で草
道夫と梅子さんが一緒にお店を……!! アツい展開
判決文を「書く」作業ってめちゃくちゃ政治的でパフォーマティブなものだよなぁ ただ判決を下すわけではない。
ゆりさん(お義母さん)の役者、ほんとうに名演技。すばらしい
「苦しい」と声を上げようとしている人を無視したくない、無かったことにできない、という寅子の信念の核。原爆裁判というものすごく大きなスケールのパブリックな問題と、親の認知症というありふれたプライベートな問題とを並べて語る構成が、ここで繋がる。どちらも、声なき声を、助けてほしい、という苦しみのうめきを聞き取ってすくい取ってあげたいと心から思わせる点で均しいのだと。
民事で主文後回し!!
はやく判決結果だけ聴いて退廷したがってる記者どもはなんなんだ。実際にこうなのか??

束京地裁は、1963年12月に判決を言い波した。
判決は、原告の請求を棄却したが、「アメリカ軍による広島・長崎への原爆投下は国際法に違反する」とし、「被爆者個人は損害賠償請求権を持たない」が、「国家は自らの権限と責任において開始した戦争により、多くの人々を死に導き、障害を負わせ、不安な生活に追い込んだのである。しかもその被害の甚大なことは、とうてい一般災害の比ではない。被告がこれに鑑み十分な救済策を執るべきことは、多言を要しないであろう。それは立法府および内閻の責務である。本訴訟をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおられない」と述べている。
この裁判は、その後、被爆者援護施策や原水爆禁止連動が前進するための大きな役割を担った。訴訟提起後の1957年に原子爆弾被爆者の医療等に関する法律が制定され、判決後の世論の高まりもあり、1968年9月には原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律が施行されたのである。

本当にそのままの文をドラマでも読み上げていたんだな。自分があまりに無知で恥ずかしい



第24週

2/11(火)
116回 あっという間に1969年 ゆみちゃん!?!? 誰!? 累計何人のキャストで演じ継いだのだろう
大学院で寄生虫の研究……これも史実に準じたのか
ヒャンスクの娘・かおるは、母親の来歴を大学生になってから知らされて、「加害者側の国でのうのうと生きてきた」母を糾弾する。学生運動ってことは左翼だからこういう発想になるのか
2/12(水)
117-118回 尊属殺人罪の違憲性を問う裁判、再び……か。安保闘争・東大安田講堂事件。さすがに左翼側の重大事は無視せずにやるよねぇ  原爆裁判の国側の代理人だった反町という男、まだ絡んでくるのか…… 政民党=自民党
娘のどかの結婚話にものすごく動揺して珍しく親バカなところを見せる航一さん。。演じがいがありそう
2/13(木)
119-120回 タッキー……さんきゅーふぉーえばーたっきー……多岐川さん…… 家裁の少年部なんてまったく知らなかったよ、これを観るまでは。
大学院を中退して人生を考え中のゆみさん、一気にものすごい親近感
あと2週か~~ ついに新潟の例の女学生が再登場。



第25週

2/18(火)
121-122回 尊属殺裁判の最高裁への上告。少年法改正審議。桂場による、若手裁判官の左遷。ラスボスみたいな老男性政治家が出てきたが、彼にも自民党にモデルがいるのか。重く苦しくしんどい内容が続く。
2/19(水)
123回 涼子のために司法試験の対策問題を作って持ってきてくれるよねさん、愛が深すぎる。みんなの分も持ってきて一緒にあの頃のように勉強会やるの泣ける。。
ラ ス ボ ス 登 場  カメラの手振れ演出が完全にホラーなんだよな。不老不死かと思ってビビった。娘ってことか。
2/20(木)
124回 嘘泣き? こわい
よねさんの感動的な言葉、100%理解はできなかった。。
かわいい息子の心が折られて航一さんブチ切れ
2/21(金)
125回 緊張を極限まで作ってからコメディで落とす(そして大団円にまとめる)のが上手い……!!
なるほどなぁ。ずっと「家族」の話をやっているんだな。桂場さんが既婚者なのか、子どもはいるのか、その家族背景がまったく見えないけれど、気絶した部下に「膝枕」をするという象徴的な行為によって、寅子たち家族=愛の陣営へと本気で参入する。航一が長官室に訴えにきたのも、息子のため、「親」としての面が大きい。航一と寅子の夫婦関係といい、尊属殺といい、増加する少年犯罪といい、家族が主題。桂場はそれを最高裁長官として、無私の精神で公的に守ってきたが、あの膝枕によって彼のなかに初めて私的な家族意識が(擬似的に)芽生えたということだろう。
ああ…… ラスボスもといみさえさんの物語は、こういう幕切れになるのか………… 彼女は、少女版のラスコーリニコフというべきか、若さゆえの全能感に酔いしれて自らを「特別」であると信じることをやめられずに、上京して大人になって、自らの凡庸さ("ただの女に過ぎなかった")に耐えられずに娘も見捨てて消えるしかなかった。ここで気になるのは、彼女の凡庸な挫折は、青春期が終わり大人になるという時間的な移行によって(のみ)もたらされたものなのか、ということだ。新潟から東京へ、という空間的な移行もまた関係しているだろう。井の中の蛙大海を知らず。田舎者が都会に揉まれてすり潰された、という見方もできる。いっぽう寅子は東京生まれ東京育ちのエリートである。この『虎に翼』という長編ドラマも、数週間の新潟出張編を除いて、ほぼ常に東京しか描いてきていない。「国」の話をしているはずなのに。この東京中心主義を最後に自己批判しているようにわたしは思ってしまう。
そして、新潟でのあの時、自分の娘に危害が及ぶ心配から、みさえを実質的に拒絶してしまったことが、結果的に彼女を殺してしまったのではないかと寅子は苦悩する。この展開もなかなかすごいなぁ…… いかようにも読める。みさえが東京で疲弊して、結婚して子どもを作ってみたのも、あの時の娘を守る「母親」としての寅子の光景を忘れられなかったから、それを無意識にも模倣したのかもしれない。拒絶されたけど、近付きたくて。でも寅子はめちゃくちゃしょい込むだろうなぁ…… 自死者の遺書によって死者から主人公が何かを託される/押し付けられる展開がとても好きなので、正直うれしい。
寅子にとっては、数ある「救ってあげられなかった人々」のうちの大きなひとりとして、記憶されるのだろうか。



最終週

2/22(土)
126回 よねさんが最高裁大法廷の弁論で「はて?」から始める激アツ展開
よねの尊属殺裁判と、寅子の美雪審判が並列して語られ、このドラマが締めくくられるのか。
こういちの長男は家具職人へ…… 棚の組み立て手伝ってたの伏線だったのか。なんだか単純な人物造形だなぁとも思う
2/25(火)
127回 みゆきさんの少年審判の件、意外とあっさり一件落着した。ナイフを取り出した相手に寅子が「綺麗事でもいい! 正論でもいい!」と開き直って叫ぶ。光堕ちがはやい。あの調査官の人が言ってるのは、こういう寅子みたいな、個人の覚悟や技量のみで勝負のつくワンマンプレーだけでは駄目だ、ということじゃないのか。。
128回 勝訴……ではなく、無事に原判決棄却で尊属殺違憲判決おめでとう! それはいいんだけど、少年審議会のほう、寅子たち家裁メンツが「愛」を押し出してなんか丸く収まるのはちょっと引いた。綺麗事を本気でやっている。
ゆみへの寅子の言葉には泣いちゃった。。が、ゆみは母のことを気にかけているのか。もうほぼ大団円の雰囲気だが、あと2回なにやるの
129回 「母」としての寅子もゆみに全肯定されるのか……… ほんとゆみさん良くできた子どもやで。こんな子そうそういなくない? もう子どもじゃないが。全親が、子どもにこんなこと言ってもらえたら昇天できちゃうだろうな。
ゆみ、花江、猪爪家の人々、そして法科同期の仲間たち、桂場さん…… 寅子にとって大切な人々がひとりずつ、関係のいったんの大団円を迎えて見送られていく。シンエヴァの終盤みたいだ。出荷工場
梅子さん居眠りしてて心配だけどわろた。寝かせてあげるのね。もう結構なお年だもんね
130回 平成11年!?!? 寅子死んでる!! 主人公が死んだあとの話をやるタイプの最終回だ!!
桂場さんはけっきょく、女性たちマイノリティの強く気高い生き様を描くこの物語において、彼女らを導き、ときには立ちはだかる壁となり、最後には完全に時代を譲って自説を「撤回」する偉大なる負け役だったということか。
寅子のような地獄を楽しんで突き進むことのできる人は「特別」だとわたしも思ってしまうけれど、寅子を特別にしているのは社会である。寅子のようなひとはごまんといる。その人たちが「特別」の重荷を背負わされないように社会を変えるための雨だれになった人生だった。
お疲れ様!!! さよーならまたいつか!




感想まとめ

『虎に翼』がどんな内容のドラマだったかと一言で端的に言い表すならば、「フェミニズムと反差別の教科書のようなおはなし」だったといえる。現代インターネットでもよく議論が紛糾したり言及されたりする事柄を手広く見事におさえて作っている。とりあえずこれを見れば、フェミニズムや反差別思想とはどんなものか入門できる、という点で非常に完成度が高い。わたしはフェミニズムも反差別も思想として肯定的(=好き)なので、基本的に楽しめたし感動できたんだけど、果たしてこれが、特にそういうのに興味がない、あるいは反感を抱いている層に対してどの程度の威力を発揮するのかどうかは分からない、というのが正直なところ。

そして、そんな私ですら、以下のように思うところがあった。

すごく政治的に正しい、良いドラマだったことは間違いないんだけど、だからこそ、やっぱりどこか「綺麗事」に感じてしまって、完全には乗り切れず、刺さり切らなかった。自分のなかで、オールタイムベスト級まではいかない。めちゃくちゃ感動したしほぼ毎週泣いたし大好きな作品だけれども。

もちろん、これを「綺麗事」に感じてしまうということは、わたしがこの社会においてマイノリティを虐げるマジョリティ側の人間であることを示しているだろう。だから、あんまり否定的な感想を書きにくいんだよな……

人間描写が根本的には薄いんじゃないか、とは思った。「なぜ人を殺してはいけないんですか」と心から疑問を持っていたみさえさん・みゆきさんも、なんやかんやで「普通」の凡庸な、家族愛などが分かる、寅子と分かり合える人間として処理されるところとか……。マジで絶対に分かり合えない人間がわんさかいて、それでも一緒にいなければいけないのが「社会」ではないのか。じゃあ、本当に寅子の綺麗事や正論が通じないひとの居場所は、この物語のなかにはなく、排除されてしまうのではないか、と思った。

これはリベラル思想、人道主義(humanity)が普遍的にもつ瑕疵なのかもしれず、だからウィークポイントまでしっかり模倣して描けているのはむしろ美点になるのかもしれないけれど。結局、感情ベースの共感とか連帯とか、そういうもので駆動しているんじゃないか。その限りは、その輪から排除される者が出てきてしまう。ラディカルな、底意地の悪い指摘です。

「ドラマ」である限りは、視聴者の感情に訴える物語を全うすることはなにも悪いことじゃあないはずだけれど、扱っているテーマが政治的にラディカルなので、どうしても引っ掛かってしまう。


第5週目の共和事件編とか、戦争編とか、あと百合さんの老人痴呆のところとか、精神的に重くしんどかったパートは多いけれれど、全体を振り返ってみると、第8週がいちばんしんどくて、いちばん印象に残っている。戦争が過熱するなか、駆け出し弁護士となった寅子がなんとか女性弁護士として活躍しようと奮闘するも、仕事がもらえず、同志だと思っていた仲間がひとりひとり去ってゆき、いつの間にか自分ひとりになっている。駄目押しに、寅子を法曹の道へと導いてくれた恩師・穂高先生にまで裏切られる。あそこは今思い返してみても本当にショッキングでつらかった。こんなことやっていいんだ、と思った。

女性の活躍・シスターフッドを主軸とする物語のなかで、年長の男性たちは、ときに露骨な悪役として描かれるけれど、ほんとうに怖いのは、尊敬できる、味方だと思っていたひとに裏切られるときだ。しかも、穂高先生としては何も裏切ったつもりも、悪い魂胆もなにもなく、寅子たちに誠実に向き合ってきたと思っていることが余計に救いが無くてつらい。尊敬できるひとでも完璧人間として描かずに、世代差や性差ゆえのすれ違いが発生してしまうことがよく表現されていた(もちろんすべてを世代差や性差に還元してしまうのも直球の差別であり、この作品はそんな程度の低い内容ではない)。


寅子を導く年長の男性ポジションでいうと、桂場の存在はなかなかにユニークで面白かった。部下に言動を非難されたときに、きちんと自省して「撤回する!」と宣言できるのが本当にすごいよな。けっきょく彼は、寅子にとっては良い「目の上のたんこぶ」であり続けてくれた。現実にあんな偉大な良いひといねぇよ!と言いたくなってしまうけれど、モデル人物もいることだし、下手なことは言えねぇ。

お気に入りのキャラは、よねさんと梅子さんのふたり。よねさんは……ほんっと最高ですよね。「女は捨てた」と高潔に(凄惨な過去とともに)言い切るひと。よねさんを「ツンデレ」だと評するのは非常に侮蔑的である。それは分かっているんだけど、究極のツンデレだなぁと思ってしまうところが好きだし、わたしのこういう「消費」態度じたいをぜったいに拒絶するだろうな、と思えるところが大好き。
フィクションにおいて、若々しくのびのび生きる中年女性キャラが大好きなので、梅子さんも最初から大好きでした。10代の女学生たちにまじって、ひとりだけ既婚して3人の息子がいる状態で、法曹の道を志すそのバイタリティが本当に尊敬できる。「妻」であること、「母」であること、そうした「家族」の呪縛からの解放をもっとも鮮烈に描いていたのも梅子さんのエピソードだった。どうか幸せに長生きしてください。


振り返ると、やっぱり「青春」期にあたる学生編(第6週まで)がいちばんワクワクして楽しかったなぁと、思い出補正も含めて思えるのだけれど、だからこそ、「青春」が終わったあとの「人生」を、全130話=計26週という長いスケールに渡って描くことのできる朝ドラのフォーマットはすごいなぁ、良いなぁ、と素朴に思いました。長いけど! 見通すの大変だけど!!


すぐに、とは言わないが、また朝ドラが見たくなったら、今度は名作と名高い『スカーレット』か『カムカムエブリデイ』あたりを観たいな、と思っています。

でもまずは、吉田恵里香つながりで、さすがにそろそろ『ぼざろ』を観よっかな~~~ どれだけ政治的なニュアンスが含まれているのか期待(!?)





いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集