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人生の答え合わせ/第4章後編[覚醒]:謎が分かり、真面目になる方向を変えた先の未来

「運が良かっただけのタフガイだけど、ちょっと独り言を。実はね……」


「自由への宣告」を受けた僕が、まず着手したのは「自分自身の棚卸し」だった。


迷走神経反射。あいつの正体が分かった今、これまでの人生で感じていた「違和感」のパズルが、凄まじい勢いで組み上がっていく。 なぜ僕は、あんなに体調が悪くても「這ってでも出勤すること」に固執していたのか。なぜ、人が立てる些細な音が、まるで刃物で刺されるように不快だったのか。


僕は、自分を守るために「捨てること」を決めた。 まず、間違ったプライドを捨てることにした。


満員電車に揺られ、何があっても休まず出勤すること。「しんどい」と言えなかった自分。会社や世間に対して見せていた、あの過剰なまでの真面目な姿勢。 コツコツと作業をすること自体は好きだ。けれど、会社や世間の期待に応えるための「真面目さ」は、結局、自分というエンジンの異変を無視し続けることだった。


脳梗塞というブレーキがかかるまで止まれなかった僕は、今ようやく、自分自身の心地よさに対してだけ「徹底的に真面目」になろうと決めたのだ。


嫌いなもの、苦手なものはまだある。 まずは、「音」だ。 ドアを乱暴に閉める音、カバンをどんと置く音、大きな足音、やたらと響く喋り声。 これらはすべて、父親の影響だ。毎日泥酔し、ラジオを大音量で流し、寝ていても何かを叫んでいた父。トイレの場所を間違え、どかどかと壁にぶつかりながら歩き、転ぶ。それが死ぬまで続いた。


そして、「お酒」だ。 お酒は飲めるが、滅多に飲まない。父の姿を見てきたからだろう。何より酔っ払いが嫌いだ。本人もそうだが、そこまで飲ませた同席者さえも、今の僕は受け入れられない。 さらにはホラー系も、刺激の強いコーヒーも辛いものも苦手だ。


これまでは「なぜ自分はこんなに過敏なんだろう」と自分を責めてきた。けれど今は分かる。これらすべては、迷走神経反射という仕組みが、僕を守ろうとしてくれていた証だったのだ。


もちろん、これは僕が一人身で、守るべき家族がいないからこそ言えることかもしれない。けれど、誰に気兼ねすることなく、自分の弱さを認め、自分のペースで歩めるのは、今の僕に与えられた「究極の自由」だ。


独身であることは、寂しさではない。自分を100%大切にするための、特権なのだ。


僕の日常については、また別の機会に。



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