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ビジュアル・コンポネンツ、日本市場ではロボットオフラインティーチングに注力

製造業・物流業向け3Dシミュレーションを手がけるフィンランド企業 Visual Components (ビジュアル・コンポネンツ)が、日本国内展開に関するオンライン記者発表会を11月27日に開催した。

ビジュアル・コンポネンツは1999年にフィンランドで設立された企業。工場や倉庫・物流センターなどのレイアウト設計や生産管理などのシミュレーションおよび、溶接、塗装、加工などの産業用ロボットの動作ティーチングの機能を持つソフトウェアをグローバルに展開している。

Visual Componentsの3Dシミュレーションを使うことで、以下のようなメリットがある。

・倉庫設備・搬送ライン・AGV・パレット搬送などを3Dで再現し、導入前にボトルネックを把握。
・物流機器の動線や稼働率を仮想空間で最適化し、実ライン停止なしに改善案を検証可能。
・投資判断前にROIを定量的に評価。設計・導入・運用をワンストップで支援。


▪️ビジュアル・コンポネンツとは

ビジュアル・コンポネンツの従業員数は130名以上。製造シミュレーションソフトウェア、ロボットのオフラインティーチングソフトウェア(OLP)の会社である。顧客数はグローバルで2,400以上。顧客にはDHL、Yamazaki Mazak U.K.、サムスン電子といった企業が名を連ねている。代理店企業は40以上。

日本関連のビジネスでは、2023年に三菱電機との合弁会社を愛知県に設立。さらには今年1月に日本法人を東京に設立して国内ビジネスを本格化している。

▪️ビジュアル・コンポネンツのグローバルビジネス状況

ビジュアル・コンポネンツ CEO ミッコ・ウルホ(Mikko Urho)氏

まず、ビジュアル・コンポネンツ CEOのミッコ・ウルホ(Mikko Urho)氏が、グローバルビジネスについて紹介した。ウルホ氏は2000年に同社に入社、CEOになって5年。2023年ごろに三菱電機との合弁事業を担当した推進者でもある。

同社は「2030年までに3D工場シミュレーション市場でナンバーワンとなること」を目指している。コンセプトレベルから運用レベルまでカバーでき、ロボティクス・シミュレーションや、ファクトリーフローも一つのソフトウェアのなかで完結できる。操作性も重視されている。また今後のシミュレーションはAIやクラウドによって強化されると考えられている。各国主要市場において現地拠点を展開する方針となっており、その流れのなかで2025年に東京にも日本法人を設立したと述べた。

ビジュアル・コンポネンツの沿革

2017年から同社はKUKAグループの傘下にある。2022年にはDelfoi Roboticsを買収した。売上高は19.8Mユーロ(約36億円)。右肩あがりで成長している。販売代理展経由での売上比率は56%。従業員の多くはフィンランド在住。製品開発は主にフィンランドで行われている。日本オフィスは4人。

ビジュアル・コンポネンツのソリューションは「アイデアを実用化する最速の方法」だという

ウルホ氏は「我々が提供しているのはアイデアを実用化する最速の方法だ」と述べた。

コンセプトから工場レイアウト設計を迅速で行い、シミュレーションと分析、実現可能性調査を行い、ロボットや各設備との連携などを仮想でお行うバーチャルコミッショニングを行い、Delfoi Roboticsの買収によりロボットのオフラインティーチングも行えるようになった。そして現実空間で実行させることができる。工場内で働く人のリソースも合わせてシミュレーションできる。


顧客には大企業だけではなく中小規模も含まれている。日本のパートナーとも15年来の付き合いがあり、日本の顧客との付き合いも深くなっているという。業界別に見ると、自動車、電子機器、食品・飲料、重機、産業オートメーション、イントラロジスティクス・倉庫、ライフサイエンス・製薬、包装・パレタイジングなど。

▪️Visual Components5.0は「デジタル工場計画を再定義する」

12月にリリースされる「Visual Components 5.0」は「デジタル工場計画を再定義」するものだという。実際の投資前にデジタル上で設計・シミュレーションで検証を行え、計画工数の短縮、ミスの最小化、ロボット導入期間の短縮が可能になる。

詳細は「2025国際ロボット展」で紹介されるが、新機能は以下のとおり。

  • ロボットコントローラ(デンソー、ヤマハ、テックマン、三菱)および PLC(LS Electric)への接続を拡張することで、バーチャルコミッショニング機能を拡充

  • スクリプト作成とカスタマイズを容易にする最新の Python 3 API

  • 衝突検出とシミュレーションパフォーマンスの高速化

  • AGV(Automatic Guided Vehicle)や AMR(Autonomous Mobile Robot)などの機器とのリアルタイムデータ交換のための MQTT サポート

また、「Visual Components 5.0」以降のバージョンは「NVIDIA Omniverse」にも対応する(リリース 。Visual ComponentsにOmniverseが組み込まれることで、質の高いレンダリング、ビジュアライゼーションが可能になる。Omniverseの環境のなかでVisual Componentsのモデルを扱うこともできる。

▪️日本市場ではロボットオフラインティーチングに力を入れる

ビジュアル・コンポネンツ日本法人カントリーマネージャー 中村正明氏

続いて、ビジュアル・コンポネンツ日本法人のカントリーマネージャーを務める中村正明氏が日本国内でのビジネスを紹介した。中村氏は2024年10月に入社。今年1月に日本法人を設立した。以前はセンサーや自動倉庫メーカーで営業を行っていた。日本法人設立の目的は、代理店への技術面サポートを深めることと、日本市場をさらに開拓することだと述べた。

特に日本市場では、ロボット・オフライン・ティーチングに力を入れる。「まだまだ日本では知られてない分野だ」と捉えているという。中村氏は、ロボットオフラインティーチングは複数機種を扱っている現場、多品種小ロットのロボットのティーチングを行っている会社、重機メーカーなどの業務とは相性が良いと述べた。搬送や溶接、塗装そのほかのアプリケーションとも相性が良いと考えているという。

オフラインロボットティーチングで作業時間の短縮が可能

背景には人手不足、ティーチングペンダントによる実機ティーチングおよび段取り替えでの時間ロス、プログラム変更の頻発、品質の不安定化のリスクなどがある。

製造現場での世界的課題にシミュレーションが貢献できる

国内でのビジュアル・コンポネンツのユーザーは自動車が圧倒的に多いという。だが「重機メーカーやSIerの役にもっと立てるはずだ」と中村氏は述べた。

▪️他社製品との差別化要素は「使いやすさ」

他社製品との差別化要素としては「使いやすさ」を上げた。コンポーネント化されており、レイアウトなども検討しやすいという。単一のプラットフォーム上で資材とロボットシミュレーションを同時に扱える点も特徴だと語った。またAPIをオープンにしていることでサードパーティにも対応しやすいという。

日本の顧客からのフィードバックにも「使いやすい」という点と、1500以上のアイテムが含まれるライブラリがあり、倉庫や工場のレイアウトをすぐに検討できる点も評価されていると語った。シミュレーションは大手企業では既に使われているが、日本の中小企業はまだ本格的に踏み込めておらず、その背中を押したいとのことだった。なおヨーロッパでは中小企業も既にシミュレーションを活用しているとのことだった。

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森山和道 ライター、書評屋 よろしければ応援お願いします! いただいたチップは活動費に使わせていただきます!