「Who」より「What」を〜選抜制がもたらす弊害
皆さん、こんばんは。
先日、年明け1月28日にリリースされる日向坂46の16thシングル「クリフハンガー」のフォーメーションが冠番組「日向坂で会いましょう」にて発表された。
本作は、13thシングル「卒業写真だけが知ってる」以来3作ぶりの選抜制導入となり、3月に加入したばかりの五期生からは初センターとなる大野愛実ら3人が選出。
その一方で、三期生の上村ひなのが初めてひなた坂(ひらがなひなた)に回るなどの波乱もあった。
発表前後のおひさま(日向坂ファンの総称)の反応も様々で今回も一定の盛り上がりが見られた。
しかし、ちょっと待っていただきたい。
現段階ではあくまで歌唱メンバーが発表されただけで肝心の楽曲は未だ解禁されていない。
スポーツで例えるなら、スターティングメンバーが発表されたに過ぎない。
最近、坂道では選抜人選に対する議論が盛り上がりを見せるも、肝心の表題曲解禁のタイミングでファンの熱がとっくに冷めているというケースが非常に多い。
表題曲は、ライト層に自分達のグループを知ってもらうためのいわば「入口」のようなものであるが、それが苦境に立たされている。
直近で発表されたこちらのデータを見ていただきたい。
49位「倍倍FIGHT!」CANDY TUNE
54位「わたしの一番かわいいところ」FRUITS ZIPPER
55位「とくベチュ、して」=LOVE
21位「かわいいだけじゃだめですか?」CUTIE STREET
68位「わたしの一番かわいいところ」FRUITS ZIPPER
77位「とくベチュ、して」=LOVE
86位「倍倍FIGHT!」CANDY TUNE
40位「かわいいだけじゃだめですか?」CUTIE STREET
56位「倍倍FIGHT!」CANDY TUNE
88位「わたしの一番かわいいところ」FRUITS ZIPPER
25位 CUTIE STREET
26位 FRUITS ZIPPER
59位 櫻坂46
62位 =LOVE
68位 CANDY TUNE
81位 乃木坂46
89位 超ときめき♡宣伝部
ビルボードジャパンの年間チャート主要部門から国内女性アイドルのチャートアクションの一部を抜粋したが、堅調なカワラボ勢とイコラブの上昇ぶりに反し、坂道の苦戦ぶりがよく分かる。
さらに、CD偏重もビルボードの年間Top Singles Salesとオリコン年間シングルランキングで浮き彫りになった。
・乃木坂46
「Same numbers」オリコン、ビルボードともに年間3位
「ビリヤニ」オリコン年間5位
「ネーブルオレンジ」オリコン年間7位、ビルボード年間8位
「歩道橋」オリコン年間11位、ビルボード年間9位
・櫻坂46
「Unhappy birthday構文」オリコン年間6位、ビルボード年間11位
「Make or Break」オリコン年間13位、ビルボード年間14位
「UDAGAWA GENERATION」オリコン年間12位、ビルボード年間15位
・日向坂46
「お願いバッハ!」オリコン年間15位、ビルボード年間16位
「卒業写真だけが知ってる」オリコン年間16位、ビルボード年間17位
「Love yourself!」オリコン年間17位、ビルボード年間18位
ビルボードジャパンのチャートアクションも各所で取り上げられるようになり、いわばヒット曲は「あらゆるプラットフォームでコンスタントな成績を残せる楽曲」のイメージが強くなった。
それゆえ、AKB全盛期からCD偏重だった秋元系列は作詞家の衰えから来るクオリティ低下により一般にも説得力を持つヒットを生み出せなくなって久しい。
話を戻すが、選抜人選こそ坂道ファンの関心事かつゴールになっていて、曲を盛り上げるモチベが下がってヒットに繋がらないのではと思っている。
最初に挙げた「クリフハンガー」のフォーメーション発表後のおひさま(日向坂ファンの総称)の反応を見ると、「ミーグリで誰が何次完売か?」という話題で持ちきりで、解禁されてない最新の表題曲よりその次のシングルというジレンマが生じている。(賛否があっても、個人的には、ミーグリ売上をさほど重視せずに選んだ日向坂陣営の判断を評価したい)
選抜総選挙があった頃の48グループでもそういう機会は年1だったのに対し、このように坂道では「毎シングルが選抜総選挙」と化しているのだ。
こういう実情を見ると、一般層はドン引きするはず。
以前、X上でFF外のユーザーから乃木坂を例にこういう趣旨の事を言われた記憶がある。
「乃木坂は結成から10年以上経っているグループで新陳代謝という自然の摂理から関心を持つ人が減っているのでは?」
これを見た時、ハッキリ言って耳が痛いなと思った。
カワラボ勢やイコノイジョイ、とき宣あたりがウケ始めたのは、目にした時の「新鮮さ」なんだよね。
一方、坂道は変わり映えしない事をいつまでもやってるから、一般層に見向きもされなくなっている。
メディア仕事が途切れないメンバーもいるけど、グループ在籍時の白石麻衣や生田絵梨花くらいの知名度があるのか?と問われたら口籠るかもしれない。
さて、再び楽曲に話を移すが、通常の場合、音楽ファンは「どんな楽曲」を歌うかという「What」の側面を優先するが、坂道ファンは大所帯というグループの特質上、「誰」が歌うかという「Who」の側面を優先しているように見える。
題名に掲げた、「Who」より「What」を、はそこから来ている。
自分を含めしっかり楽曲を聴く人間も坂道界隈には一定数いるが、大半のファンは「推し活」文化の隆盛により「曲より推し」が注目の的になってしまっているようだ。
このような「推しファースト」の考えが「選抜に推しがいない」表題曲より「推しがいる」カップリング(アンダー楽曲)をMV視聴等で盛り上げようという心理を働かせるというケースも見受けられる。
※自分もかつて、AKBを追っていた時に当時の推しが選抜総選挙で手応えを掴み次も選抜かも!というところで落選してしまいカップリング曲を推そう!という心情に至った過去もあるが、グループの事を考えると必ずしもそれはプラスとならない。
結局のところ、何が悪さをしているかというと、選抜の陣容が8〜9割ほど固まっている流動性のなさとミーグリを過度に重視するファンの姿勢ではないか?
先程から説明しているように、「誰が」歌っているかを音楽ファンは極度に重視しないから、正直、誰が歌っても一緒だと思う。
何より、グループにおいて「誰が」歌うを重視するのは、ファンや運営、スポンサー等の関係者なんだから。
坂道グループはただでさえ大所帯なのに、そこを上手く活かせていないんだよね。
楽曲を流行らせたいなら、選抜の人選を早急に見直してくれよと思う。
例えば、シンプルに楽曲に見合った人選を組むか、選抜アンダー(櫻坂ならBACKS、日向坂ならひなた坂)の区分けをなくしたチーム分け(年単位で入れ替え)で両面から売り出す、といった感じで。
とにかく、以前よりヒットを狙いにくくなっているのは確かなんだから、曲よりも人を気にする余裕なんてあるのだろうか。
それを踏まえ、作詞家である秋元康にも一言だけ言いたい。
「AI秋元康」の番組内で詞を書くうえで「流行に左右されない」とか言ったらしいが、結果出さないうちは何の説得力もないよと。
今、確実に売れてる大森元貴や米津玄師が言ったらカッコよく聞こえるけど、ビルボードの作詞家ランキングで8位に入っていても「数撃ちゃ当たる」を実践しているにすぎない古希手前のオッサンがそれを言ってもダサいだけ。
跳ねさせる気がない楽曲、盛り上げる気がない界隈、それが合わさったらリスナーから白い目で見られるのも良く分かる。
アイドルでありアーティストでもあるんだから、彼女達を預かる大人達は楽曲をしっかりアピールできるよう動いて欲しいし、ファンも楽曲にしっかり目を向けて欲しい。
表題よりもカップリングがいいと言ったところで、入口たる前者が良くないと後者に目を向けてくれない。(乃木坂4期生の「I see…」のような例外はあるが)
音楽のジャンルにおいて、大抵の場合、バズらせる対象は人じゃなくて曲でしょう。
曲を流行らせることでグループにスポットを当てるなら、何も秋元康に拘らなくてもいいと思っている。
48で出来ることは坂道でも出来るはずで、表題プラスアルファに全集中し、あとはアウトソーシングでも構わないくらい。
「数の暴力」も通用せず色々誤魔化しが効かなくなった時代だからこそ、考え直して欲しいと思う次第。
最後になるが、日向坂への思いを背負ってセンターに立つ大野愛実、彼女が輝ける程の楽曲が降りてくることをひたすら願いたい。
果たして、楽曲解禁はいつになるか…

【2026/1/13追記】
そんな期待と不安が入り混じる中、先日「クリフハンガー」のMVが公開された。
作曲は、「ガラス窓が汚れてる」や「SUZUKA」を手がけた杉山勝彦氏。
前作・バッハでハードルをグッと下げられた分、かなりの良曲とは思ったが、歌詞のメッセージ性が「ガラス窓」と比べると若干弱いかなと。
この辺は実際のパフォーマンスを見たら印象が変わる部分もありそうだけど、現時点では五期生加入という真新しさから「Who」の側面で押し上げているイメージが濃いかも。
ただし、MVの再生回数も早速100万回を超えたので、どこまでのライト層を取り込めるか要注目ではある。
