【朗読】菊池寛『藤十郎の恋』5
ほぼ週一で日本の著作権切れの中・長編作品の朗読をしています。
菊池寛の『藤十郎の恋』の朗読、第5回です。
人でなしの話です。
【登場人物】
坂田藤十郎: 京の四条中島都万太夫座の看板歌舞伎役者。やつしに掛けては天下無敵の呼び声が高い
中村七三郎: 江戸のやつしの名人と言われる、山下半左衛門座の年若い歌舞伎役者
切波千寿: 都万太夫座の若女形
【これまでの『藤十郎の恋』】
元禄のある春、人々の話題をさらっていたのは京の名人藤十郎と、江戸から来た若手の七三郎という二人の歌舞伎役者の競争だった。
七三郎が『傾城浅間ヶ嶽』の巴之丞を演じるとたちまち大評判となる。
藤十郎は得意の『夕霧伊左衛門』で対抗したが、七三郎が芸に深みある新しさを持っているのに対して、自分の芸の薄っぺらさ気づいていた。
焦った藤十郎は近松門左衛門に依頼して狂言を書いてもらう。
その名も『大経師昔暦』、命を懸けた恋の話だった。
【朗読】
CM
本編
stand.fm
曲(Title):花一華
楽曲提供(Free Download):ニコニコモンズ(niconi commons) http://commons.nicovideo.jp/material/...
【語彙】
やつし: 歌舞伎の役で、高貴な者が身をやつして落ちぶれた状況を演じること
密夫: 人妻の元へ密かに通う男。「みっぷ」と読むことも多い
傾城: 高級遊女のこと
色子: 陰間(男娼)の一種(元々陰間は舞台に出る前の色を売る少年役者を指したが、後に男娼全般を言うように)。江戸時代に男色を売った少年俳優。舞台子とも
若太夫: 歌舞伎における太夫は女形の長。役者たちをまとめるのが太夫元。その子供が若太夫と呼ばれた
【解説】
〇 モデルとなった元禄の人々まとめ:
藤田藤十郎 (初代): 1647-1709、京都の歌舞伎俳優。やつしの名人
中村七三郎 (初代): 1662-1708、江戸の歌舞伎俳優、やつしの名人
市川団十郎 (初代): 1660-1704、江戸の歌舞伎俳優、豪快な荒事を始めたことで知られる。俳名は才牛
山下京右衛門 (初代): 1652-1717、京都の歌舞伎俳優。立役(男役)の名手として坂田藤十郎と並び称された
玉川千之丞 (初代 / 作中では玉村千之丞): ?-1671(享年35、6と言われる)女形。河内通(髙安通、井筒業平河内通とも)の演目で好評を博した
切波千寿 (初代): 1679-?、京都の歌舞伎俳優。坂田藤十郎の相手役女形として活躍
近松門左衛門: 1653-1724、江戸時代の人形浄瑠璃、歌舞伎の作者。
京の都万太夫座で坂田藤十郎の芝居の台本を10年ほど書いた。
『曽根崎心中』などが有名
【あとがき】
江戸時代の闇、色子の話がサラッと出てきました。。
藤十郎も例に洩れずだったわけで。
調べてみると、
歌舞伎の始まり女歌舞伎もやはり色を売っていて、
風紀が乱れるからと女性が舞台に上がることを禁止したら、
今度は少年が色を売る若衆歌舞伎が流行って、
これを禁止したら誰も歌舞伎に来なくなっちゃって、
仕方ないからじゃあ月代剃って控えめに!と言われて野郎歌舞伎と名を変えまた人気復活✨
色ごとと文化は切っても切り離せないものなのですね。
なるほど。。(;´・ω・)
藤十郎さんも若かりし頃から「修行」と称してそういったところに駆り出され、多くの女性を相手にしてきたと。
すごいな、江戸時代。。(;゚Д゚)
多くの誘惑があったにも関わらず、不義非道な色事には手を出さなかった藤十郎。
近松門左衛門の新作、人妻相手の燃えるような恋の話、真っ当な柔らかい恋しかしてこなかった藤十郎に、果たして務まるのでしょうか。。
次回に続きます。
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