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【朗読】菊池寛『藤十郎の恋』2

ほぼ週一で日本の著作権切れの中・長編作品の朗読をしています。

菊池寛『藤十郎の恋』の朗読、第2回です。


【登場人物】

坂田藤十郎: 京の四条中島都万太夫座みやこまんだゆうざの看板歌舞伎役者。やつしに掛けては天下無敵の呼び声が高い
中村七三郎: 江戸のやつしの名人と言われる、山下半左衛門座の年若い歌舞伎役者。


【これまでの『藤十郎の恋』】

元禄のある春、人々の話題をさらっていたのは京の名人藤十郎と、江戸から来た若手の名人七三郎という二人の歌舞伎役者の競争だった。
開けてみれば七三郎の舞台は不評であったが、藤十郎はただ一人、恐ろしい大敵だと認めていた。


【朗読】

CM


本編

stand.fm

曲(Title):花一華
楽曲提供(Free Download):ニコニコモンズ(niconi commons) http://commons.nicovideo.jp/material/...


【語彙】

やつし: 歌舞伎の役で、高貴な者が身をやつして落ちぶれた状況を演じること
夕霧ゆうぎり伊左衛門:
 三名妓のひとり。夕霧太夫(?-1678 享年27と言われる)の死後、その愛人藤屋伊左衛門との情話が浄瑠璃や歌舞伎の作品となった
弥生狂言:
 江戸時代の歌舞伎における、3月に上演される狂言や演目のこと
濡事師ぬれごとし: 恋愛ごとの演技に特に優れた俳優
三ヶ津: 江戸時代の三大都市。江戸、大阪、京都のこと
荒事あらごと: 初代市川団十郎が始めた、勇壮な人物の豪快な演技のこと。主人公は顔に隈取くまどりをして、誇張的な演技をする


【解説】

傾城けいせい浅間あさまだけ:

傾城は高級遊女のこと。
初代中村七三郎を主役とした初演は1698(元禄11)年正月の京都にて。
元禄歌舞伎を代表する作品の一つと言われるお家騒動物。
実際初代七三郎のやつしは大好評で、ロングラン上演となっています。


〇 元禄の歌舞伎役者たち:

元禄の役者たちがどんどん出てくるので、実在した人物と照らし合わせてちょっと整理してみます。

藤田藤十郎 (初代): 1647-1709、京都の歌舞伎俳優。やつしの名人
中村七三郎 (初代):
1662-1708、江戸の歌舞伎俳優、やつしの名人
市川団十郎 (初代):
1660-1704、江戸の歌舞伎俳優、豪快な荒事を始めたことで知られる。俳名は才牛さいぎゅう
山下京右衛門 (初代):
1652-1717、立役たちやく(男役)の名手として坂田藤十郎と並び称された

で、玉村千之丞なんですけど。。
探しても玉村という歌舞伎役者の方が出てこなかったんですね。
でも玉川さんはいらっしゃいました!この方かな。

玉川千之丞 (初代):
?-1671(享年35、6と言われる)女形。河内通かわちがよい(髙安通たかやすがよい井筒いづつ業平なりひら河内通とも)の演目で好評を博した

作中でも河内通かわちがよいのことに触れられていたので、モデルはこの方だと思われます。


【あとがき】

歌舞伎に手を出してしまった私が悪いのです。。
調べることたくさん!
知らないって、ツライ😂

こんなに歌舞伎役者の名跡みょうせき(歌舞伎役者が代々受け継ぐ芸名)の初代が並ぶってことは、歌舞伎が相当盛んな時代だったのでしょうね。
人々の関心事は花より歌舞伎✨(第一回参照)

そんな時代の花形役者藤十郎が唯一気にしたのが、若い七三郎。
老いた藤十郎はどう動くのでしょうか。。

次回に続きます。
よろしければまた来週、お付合いください。


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