登山で腕を組むと楽になる理由|ナンバ歩きとの意外な共通点
お久しぶりです
こば@kobakutsuです。
義肢装具士免許をもって本を数冊だして10年以上靴屋をやっています。
※「Amazonのアソシエイトとして、[こば]は適格販売により収入を得ています。」
先日、福岡の立花山に登った時のことです。一緒に登った登山上級者の方が、急な登りで突然腕を組んで歩き始めました。
「なんで腕組んでるんですか?」と聞くと、「富士山登ってる時に、こうすると楽だって気づいてね。それからずっとやってるんだ」という答えが返ってきたんです。
その瞬間、わたしの中でビビビ!ときました。ああ、これってナンバ歩きと同じ原理だって。
結論から言うと、腕を組んで登ると楽になるのは、上半身と下半身の「ねじれ」を抑制できるからなんです。 これによって、下半身で生み出したパワーを真っ直ぐ地面に伝えられるようになります。

普段の歩き方は「ねじれ」で進んでいる
わたしたちが平地を歩く時、自然と腕を振りますよね。実はこれ、ちゃんと理由があるんです。
腕を後ろに引くと、その反動で反対側の腰が前に出ます。右腕を後ろに引けば、左側の腰が自然と前に出て、左足が楽に進む。この上半身と下半身の「ねじれ」が推進力を生み出して、効率よく速く歩けるようになっているんですよね。
大まかな原理はこちらで解説
試しに腕を振らずに歩いてみてください。なんだかぎこちなくて、スピードも出ないはずです。平地を歩く時は、このねじれの力を使うのが一番効率的なんです。
登る時は「ねじれ」が邪魔をする
ところが、階段や山道を登る時は話が変わってきます。登るという動作は、一歩一歩を力強く踏みしめる必要がありますよね。
この時、上半身と下半身が互いにねじれていると、下半身で生み出したパワーが分散されてしまうんです。力を真っ直ぐ地面に伝えたいのに、上半身のねじれがそれを邪魔する。効率が悪くなってしまうんですよね。
平地では武器だった「ねじれ」が、登る時には足かせになる。これが、登山で疲れやすくなる原因の一つなんです。
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日本の伝統「ナンバ歩き」という解決策
実は、日本人は昔からこの問題の解決策を知っていました。それが「ナンバ歩き」です。

ナンバ歩きというのは、同側の手と足を同時に前に出す歩き方のこと。右手と右足、左手と左足を一緒に出すんです。
緊張した子供がガチガチになって、手と足が同じ方向に出てギクシャクしてる、あの動きを思い浮かべてもらえれば分かりやすいかもしれません。
手と足を同側で出すと、腰をひねらない動きになります。すると、力の伝達がすごく直接的になるんですよね。
これによって踏ん張りやすくなる。
だから、昔から日本人が田植えをする時、手と足を同じ側に出して腰をひねらずに苗を植えていたのかなぁって思います。力が入りやすいので上体を寝かせたり上げるのがちょっと楽になるから。

これは車で言うところの「ローギア」のようなもの。スピードは出ないけど、一歩一歩を力強く踏みしめることができる。力を入れて登るという動作に特化した歩き方なんです。
ちなみに、この動きは階段を登るときもちょっと楽になります。

考え方としては常歩(なみあし)もそう!
常歩も上半身をねじらない歩行で余分なブレや上下動が少なくなり、エネルギー消費を抑える目的もある。上半身をねじらない代わりに、骨盤と股関節の動きが動力源となるような感じ!
結果としてみるとかかと着地ではなく、足裏全体着地、足先での着地になりがちなので、上手にかかと着地できない時に感じやすいブレーキ作用が少なくなりスムーズな重心移動もしやすくなる。
詳しくはこの本を読もう
腕組みは現代版ナンバ歩き
さて、ここで最初の話に戻ります。登山中に腕を組むと、なぜ楽になるのか。
答えはシンプルです。腕を組めば、腕を振ることができなくなる。 腕を振らなければ、上半身と下半身のねじれも生まれません。
つまり、腕を組んで登山することで、結果的にナンバ歩きと同じ効果が得られるんです。上半身と下半身が別々にねじれる動きがなくなり、力を真っ直ぐ地面に伝えられるようになる。
立花山で一緒に登った方は、富士山という過酷な環境の中で、無意識にこの原理を発見していたんですよね。経験の中から生まれた知恵。これにはほんとうに驚きました。
ただ、とっさの時に対応しにくいというリスクはあります。用法用量を守って正しくお使いください。

この歩き方に合う靴:立花山の先輩が履いていたシューズ
ちなみに、今回一緒に登った方が履いていたのが、マムートの「エナジー マウンテン ミッド ゴアテックス メンズ」というハイキングシューズでした。これがまた、すごく良さそうだったんです。
この一足で九州の山はある程度いけるそうで、実際に富士山もこれで登られたとのこと。ソールにはビブラムのメガグリップを採用していて、滑りにくいのが特徴なんですよね。
適度なローリング(つま先の反り上がり)とクッション性があるので、長時間歩いても疲れにくい。日常使いから登山まで幅広く使えるのが魅力的です。
ただし、クッション性が良い分、岩稜帯のような岩がゴツゴツした場所では突き上げを感じることがあるそうです。そういう本格的な登山の時は、素直に登山靴を履いた方がいいかもしれません。
このシューズ、やや幅広の人に相性が良い作りになっています。わたしのような細足の人が履く場合は、タンパッド(舌部分に入れるパッド)を使って調整するのが必須ですね。
とはいえ、ポテンシャルは高いシューズだと感じました。気になる方は、ぜひ一度試着してみてください。
まとめ:次の登山で試してみてください
腕組み登山のメリットをまとめると、こんな感じです。
上半身と下半身のねじれを抑制できる
下半身のパワーを真っ直ぐ地面に伝えられる
一歩一歩を力強く踏みしめられる
結果的に疲れにくくなる
ただし、平地では腕を振った方が効率よく歩けます。腕組みは「登る」という動作に特化した歩き方なので、急な登りや階段で使ってみてください。
次の登山やハイキングで、ぜひ試してみてくださいね。「あ、たしかに楽かも」って感じるはずです。
わたしも立花山でこの歩き方を体験して、すっかり虜になってしまいました。昔の日本人の知恵と、現代の登山者の経験則が繋がった瞬間。なんだかとても嬉しくなりましたね。
賢い選択をしてくださいね。
いってらっしゃい! 😄✨
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