【2026年度】群馬県公立高校入試「理科」全問解説!合格へのポイント徹底分析
群馬県の公立高校入試対策、何から手をつければいいか迷っていませんか?情報収集も過去問分析も、すべて解決する「合格への最短ルート」をご用意しました。
2026年度群馬県公立高校入試「理科」の分析と講評
全体の難易度と総評
難易度:★★★★☆
2026年度の群馬県公立高校入試「理科」の全体的な難易度は、例年と比較して「やや難化」、星5段階評価では「星4つ」の実践的なセットでした。
教科書レベルの基本用語を答えるだけの問題が減少し、問題文のリード文や実験データをその場で読み解く「思考力・読解力」を重視する傾向がさらに強まっています。特に、中学生が見慣れない「2軸グラフの読み取り(大問3)」や「環境問題をテーマにした新傾向のモデル図(大問4)」、「スイッチの開閉によって役割が変わる複雑な回路(大問5)」など、出題形式の変化が目立ちました。
個別指導塾で15年間、多くの受験生を見てきた経験から言わせてもらうと、今年の問題は「真面目に最初から順番に解いていった生徒ほど、時間配分で大失敗しやすい」構成になっています。大問1や大問3の途中に割り切れない計算問題が配置されており、そこで「何か計算が間違っているかもしれない」とパニックになって時間を溶かしてしまい、後半の配点が高い物理・化学の牙城(大問4、5)にたどり着いたときには、すでに残り時間が数分しかなかった…という受験生が非常に多かったと推測されます。知識の量だけでなく、試験中の「見切りの早さ」と「冷静な時間管理」がシビアに得点を分けた入試でした。
大問1:各分野からの小問集合
難易度:★★☆☆☆
生物・地学・化学・物理の各分野からバランスよく出題された小問集合です。一見すると毎年恒例の「確実に点数を稼ぎたい基本問題」の集まりに見えますが、中学生を戸惑わせる落とし穴が巧妙に仕掛けられていました。
特に時間配分を大きく狂わせた原因は、B(2)の「透明半球を用いた日の出時刻の逆算」です。計算の途中で `$$\frac{13}{6}\text{時間}$$` という割り切れない分数が出てくるため、「自分の計算が間違っているのではないか」と不安になり、何度も最初から解き直してドツボにハマってしまった生徒が続出しました。また、C(2)の溶解度グラフの読み取りでも、実験データの「水50g」をグラフの基準である「水100g」に頭の中で素早く換算しなければならず、うっかりミスを誘発しやすい形式になっています。ここで焦ってペースを乱さず、D(1)の仕事の計算のように「cmをmに直す」といった基本ルールを冷静に守れたかどうかが、大問1をスムーズに突破する鍵でした。
大問2:生態系と生物同士の関わり
難易度:★★★☆☆
中3生物の「生態系」を中心とした出題です。(1)の食物連鎖や、(2)①の節足動物といった用語問題は確実に正解したいところですが、(2)②のように「すべて選びなさい」という形式になると、途端に中学生の正答率は下がります。すべての選択肢の知識が完璧でないと迷ってしまうため、ここで時間を使いすぎてしまう傾向があります。
さらに、(4)②の生態系のピラミッドのバランスがもとに戻る過程を問う問題は、実線と点線が入り混じった細かな4つの図から選ぶ必要があり、視覚的な複雑さに圧倒されてフリーズしやすいポイントでした。そして最後の(5)の記述問題では、「図IVの生物に触れながら」という指定をどう文章に落とし込むかで悩んだ生徒が多かったはずです。すべての生物を書こうとして自滅するのではなく、「シカやウサギ(食物)」にターゲットを絞ってスッキリ書くという、記述の割り切り方ができたかどうかがスピード感の明暗を分けました。
大問3:火山と岩石・鉱物
難易度:★★★☆☆
地学分野の「火山と岩石」からの出題で、中学生が極めて苦手とする「複数の知識の同時処理」を求める良問であり難問でした。
(1)のマグマのねばりけと火山の形の関係、(2)①の流紋岩の斑状組織の判別までは典型的な問題です。しかし、受験生の前に大きな壁として立ちはだかったのが、(2)③の「岩石の性質の2軸グラフ」です。「花こう岩と玄武岩」という2つの岩石について、「粒の大きさ(火山岩か深成岩か)」と「有色鉱物の割合(白っぽいか黒っぽいか)」という2つの要素を同時に頭の中で処理し、それをグラフの4象限にプロットさせるという、新傾向の形式変化が見られました。グラフを見た瞬間に頭が真っ白になり、かなりの時間をロスした子が多かったはずです。また、(3)②の火山灰の割合を出す計算も、割り切れない筆算を途中で諦めずにやり切る忍耐力が必要で、地学分野でありながら高い処理能力が試されました。
大問4:燃料電池と化学変化・計算
難易度:★★★★☆
物理と化学が融合した「燃料電池・新エネルギー」をテーマにした大問です。近年のトレンドである脱炭素や環境問題を意識したリード文になっており、問題の見た目のボリューム感に圧倒されてしまう受験生が多いパートでした。
(1)のエネルギー変換や(2)のオルゴールの記述は簡単ですが、(3)の化学反応式で多くの生徒の手が止まったと予測されます。図IIIに高校化学のような複雑な「イオンと電子のモデル図」がこれでもかと描かれていたため、中学生は「何かものすごく難しい式を書かなければいけない」と錯覚させられました。本質はただの「水ができる式」なのですが、この形式の変化に戸惑い、時間を無駄に使ってしまった子が多かったでしょう。さらに、(4)②の「気体の過不足計算」は、どちらの気体が余るのかを2通りシミュレーションする必要があり、1問に対する時間配分が最も重くなる鬼門でした。続く(5)①のアンモニア燃焼のモデル図も、原子の数を一つずつ正確に数え上げる冷静さが残っていなければ、焦りから数え間違いを誘発する仕組みになっていました。
大問5:電流と磁界、回路とオームの法則
難易度:★★★★☆
試験の最後を飾る物理分野の大問で、受験生の残りライフ(時間と精神力)を容赦なく削りにくる最難関のセクションでした。
(1)①の右ねじの法則は基本ですが、立体的な図から反時計回りの磁界を見極めるのに一瞬迷うつくりになっています。そして、(1)②の「モーターが180度回転した後の力の向き」は、整流子とブラシの仕組みを完璧に理解した上で、頭の中で図をひっくり返し、さらに「フレミングの左手の法則」を使うという、思考力の限界を試すような問題でした。ここで左手をこねくり回して3分以上悩んでしまった生徒は、完全に時間配分の罠にはまっています。 (2)のオームの法則のグラフ読み取りは標準的ですが、(2)③の直列回路の合成抵抗のグラフ選択、そして(3)のスイッチを閉じたときの特殊な並列回路の記述問題は、回路全体の抵抗がどう変化するかという本質的な理解がないと太刀打ちできません。特に(3)は、多くの生徒が時間切れで白紙のまま提出せざるを得なかったと予想される、差がつく決定打となる問題でした。
来年の公立高校入試に向けての学習アドバイス
これから受験生になる中学2年生の皆さん、そして保護者の皆様。今回の入試問題を見て、「理科ってこんなに難しくて時間が足りないの?」と不安に思われたかもしれません。しかし、決して怖がる必要はありません。来年の本番で勝利を掴むために、今から意識してほしい3つのアドバイスを送ります。
1つ目は、「基本用語は必ず『理由や仕組み』とセットで覚える」ことです。 今の入試は、単に「オームの法則」という名前を暗記しているだけでは点数がもらえません。「なぜ直列にすると全体の抵抗が大きくなって電流が減るのか」「なぜ並列にすると電流の通り道が増えて抵抗が小さくなるのか」という、一歩踏み込んだ仕組みを、日頃の勉強から言葉で説明できるように練習してください。これが、あの複雑な大問5の難問をパッと見抜く力になります。
2つ目は、「日頃の問題演習から、時間を測って『サボる勇気』を身につける」ことです。 塾で多くの生徒を見てきて一番もったいなかったのは、解けない1問に5分も10分も粘り、後ろにある簡単な問題を解かずに終わってしまう子でした。これからの家庭学習では、タイマーをセットし、「この計算は時間がかかりそうだから、星印をつけて一回飛ばそう」という判断を自分で下す訓練をしてください。試験中の賢い時間配分は、一朝一夕には身につきません。今のうちからゲーム感覚で「見切りの早さ」を磨いておきましょう。
最後に、保護者の皆様へ。 理科の入試問題は、メタンやアンモニアといった「環境に優しいエネルギー」や、私たちの身の回りにある「スマートフォンの二次電池」など、実は日常生活に密着したテーマが数多く出題されます。ぜひ、普段のニュースや生活の中で「これって理科の教科書で言うとどの分野かな?」とお子様とお話ししてみてください。身の回りの現象への興味関心が、入試の長いリード文を読み解く最高の「読解力」へとつながっていきます。
受験勉強のスタートは早ければ早いほど、後半の過去問演習で大きな余裕になります。一歩ずつ、焦らずに実力を蓄えていきましょう。応援しています!
【学習にあたっての準備】
ここから先の実戦的な解説を読み進める際は、お手元に問題用紙をご用意ください。(すでにお持ちの過去問集などで構いません)
▼ まだ問題をお持ちでない方へ
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大問1 各分野からの小問集合(生物・地学・化学・物理)
A(1) 刺激を受け取る器官(生物) 難易度:★☆☆☆☆
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