【2026年度】大阪府立高校入試「国語」(B問題)全問解説!合格へのポイント徹底分析
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全体の難易度と講評
全体の難易度:★★★☆☆
今年度の大阪府立高校入試(B問題)「国語」の全体的な難易度は、例年並みの「標準的」なレベルでした。
しかし、個別指導塾で15年間多くの生徒を見てきた私の経験から言わせてもらうと、この「標準的」という言葉には受験の罠が潜んでいます。問題自体は突飛な難問ではないものの、文章のボリュームや考えさせる設問の配置が絶妙で、中学生が「現代文の読解に時間を取られ、後半の古文や作文が時間切れになる典型的な時間配分ミス」を非常に起こしやすい構造になっていました。
今年度の特徴としては、単に本文から答えを探すだけでなく、本文の「論理の型」を理解した上で別の具体例に当てはめさせるような、一歩踏み込んだ思考力を試す傾向が続いています。複数テキストの比較や、対話文(話し合い)形式の設問に戸惑うときの視点の置き方が身についているかどうかが、高得点と時間切れの明暗を分けたと言えます。
各設問の難易度と講評
大問一(論説文:堀畑裕之『言葉の服』):★★☆☆☆
日本の美意識である「なごり」をテーマにした随筆風の論説文でした。中3生にとっても情景が浮かびやすく、言葉の使い方も平易だったため、文章自体は読みやすかったはずです。
問1の文節区切りや問3の下線部一致は、確実に、そしてハイスピードで得点すべきサービス問題でした。ここでどれだけ時間を貯金できたかが全体の戦略に影響します。 問2の記述問題は、本文の言葉をパズルのように組み合わせる文字数指定(45字以上50字以内)でしたが、抜き出し問題や記述問題における、「〜のこと。」「〜から。」といった文末の結び忘れによる減点リスクを回避し、指定された結びに綺麗に繋げられたかがポイントです。 問4の空欄補充は一見迷いやすいですが、料理の例と花の例の「構造」が同じであることを見抜ければスマートに正解できました。
大問二(古文:『十訓抄』):★★★☆☆
蹴鞠の庭の柳の木と鳥をめぐる、少し不思議でユーモラスな説話からの出題です。
問2の現代かなづかいへの書き換え(ゐ→い)は、絶対に落とせない基本問題です。 問1の現代語訳を含めた記述や、問3の関白の意向を読み取る問題は、古文特有の主語の省略に惑わされずにストーリーを追えたかが問われました。 特に問4の動作主の判定(主語当て)は、登場人物(鳥、御使ひ、時賢、関白)の役割関係を整理する力が求められます。選択肢の「常に」「すべて」「決して」といった極端な表現に惑わされる罠の見破り方を知っていれば、現代文でも古文でもダミーの選択肢をバツにする感覚が活きたはずです。大問一で時間を使い果たした受験生が、焦りから主語を読み違えて失点しやすい大問でした。
大問三(漢字・国語常識):★☆☆☆☆
漢字の読み書き8問と、著作権に関する引用のルールを問う選択問題でした。
漢字の「仲裁」「射程」などはやや差がつくかもしれませんが、基本的には全問正解して当たり前のボーナスステージです。こここそ、マシーンのようにノータイムで処理し、後半の記述や作文へ時間を残すための「時間稼ぎの場」にしなければなりません。ただし、設問にある「大きくていねいに書くこと」を怠り、トメ・ハネ・ハライで減点されるような雑な答案は猛省が必要です。 問2の引用のルールは、現代の国語常識として極めて標準的な内容であり、絶対に落とせない1問でした。
大問四(論説文:森本順子『日本語の謎を探る』):★★★★☆
助詞の「ハ」と「ガ」の情報構造を読み解く、今回の入試における最大の「山場」であり「鬼門」となった大問です。
身近な言葉を扱っているためスラスラ読める錯覚に陥りますが、後半にかけて「既知(旧情報)」と「未知(新情報)」という言語学的な専門用語が飛び交い、頭が混乱した受験生も多かったでしょう。 問1の品詞識別は活用のある形容動詞(直観的に)を見抜く基礎力が必要です。 問2の40字以上50字以内の記述は、指定の文末に繋げる表現の調整に時間がかかったかもしれません。 そして何より差がついたのは問5の適語補充です。本文で解説された「ハの文」と「ガの文」のルールを、初見の【二つの文】の構造に正しく流し込めるかが試されました。複数テキストの比較や、対話文(話し合い)形式の設問に戸惑うときの視点の置き方、つまり「一見違う文章でも、流れている共通のシステム(型)に視点を置く」という訓練ができていないと、ここで大きなタイムロスと失点を生むことになりました。
大問五(作文問題):★★★☆☆
二つのことわざから一つを呼び水として選び、新入生に向けたスピーチ原稿を260字以内で書く、大阪府立高校お馴染みの条件作文です。
ここで最も重要なのは、作文問題で、完璧な文章を目指さずに構成条件を確実に満たして合格点を確保する戦略を徹底することです。名文を書こうとして時間が足りなくなるのが一番の失敗です。 「条件1:ことわざを選ぶ」「条件2:話す内容と関連させる」「条件3:実際に話すように書くが、挨拶や自己紹介は厳禁」という3つの条件を、ロボットのように淡々とクリアすれば、それだけで合格点がもらえます。特に「挨拶は書かない」という引っかけのような条件を、焦りのなかで見落とさずに守れたかどうかが、減点を防ぐ最大の分かれ目でした。
来年の公立高校入試に向けての学習アドバイス
これから受験生になる中学2年生の皆さんと、後ろで支える保護者の皆様。公立高校の国語は、「センス」や「ひらめき」で解くものではありません。正しい戦略と準備を行えば、誰でも確実に合格点を捥ぎ取れる教科です。来年の入試に向けて、今から意識してほしい3つのアドバイスを送ります。
1つ目は、「基礎知識の早期完全マスター」です。漢字、文法、歴史的仮名遣いのルールといった知識問題は、夏休みが終わるまでに全問正解できるレベルに仕上げてください。これらを本番で「ノータイム(1問数秒)」で解けるようになることが、現代文の読解に時間を割き、後半にゆとりを持つための唯一の土台になります。
2つ目は、「記述問題の徹底的な文末意識」です。日頃の勉強から、問題集を解くときは必ず「〜のこと。」「〜から。」といった、問いに対応した結びになっているかを1万回セルフチェックしてください。どれだけ中身が合っていても、文末一つで減点されるリスクをゼロにする丁寧さを、今のうちから身体に染み込ませましょう。
3つ目は、「文章を『構造』で捉える目を持つこと」です。これからの入試は、ただ文章を読むだけでなく、今回のハとガの問題のように「ルールを別のものに当てはめる」といった複数テキスト的な思考力が必ず求められます。本をたくさん読む必要はありません。1つの文章を読んだときに、「つまり何と何が対比されているのか」「この段落の役割は何か」という『型』を意識する練習を、塾や学校のワークを使って始めてみてください。
国語の力は一朝一夕には伸びませんが、今からコツコツと正しい方法で積み重ねれば、1年後には必ず皆さんの最強の武器になります。受験勉強のスタート、応援しています!
【学習にあたっての準備】
ここから先の実戦的な解説を読み進める際は、お手元に問題用紙をご用意ください。(すでにお持ちの過去問集などで構いません)
▼ まだ問題をお持ちでない方へ
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