「で、それ変えたら売上いくら上がるの?」 ~VOCが他部署に響かない理由と、持つべき共通言語~
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「消費者やユーザーの声を活かして、製品やサービスの改善につなげる」
いわゆる VOC(Voice of Customer) は、コンタクトセンターの世界ではすでに一般化された取り組みです
多くの成功事例も存在しており、その重要性は広く認識されていま
一方で、
せっかく声を上げても改善に結びつかない
マーケティング部門や開発部門が動いてくれない
「理解はするが優先度は低い」と判断される
こうしたジレンマを抱えているお客様対応部門の方も、実は非常に多いのではないでしょうか
本来であれば、「不満を集約し、改善につなげる」ごく自然に進むはずの取り組みが、なぜ社内で滞ってしまうのか
その背景には、部門ごとに“見ている景色”が違うという構造的な問題があります
マーケティング・製品開発部門の視点
マーケティング部門や製品開発部門の多くは、「売上や利益を伸ばすこと」を主要なKPI(重要業績評価指標)に置いています
売上を伸ばし、その結果としてシェアや利益を拡大する
そのために、販促活動を強化したり、これまでにない革新的な新製品を開発したりすることが、これらの部門の大きな使命です
つまり、彼らが見ているのは「市場でどう勝つか」「どう成長するか」という視点です どんなに素晴らしい改善提案であっても、その先に売上や利益への明確な繋がりが見えなければ、組織としての優先順位が上がりにくいのが実情なのです
お客様対応部門の視点
一方で、お客様対応部門は、日々消費者やユーザーの不満や困りごとに直接向き合う立場にあります
そのため、いかに不満による離反を防ぎ、製品やサービスへのユーザーのマイナス感情をゼロやプラスに持っていき、ブランドへの信頼を維持するかが存在意義の中心になります
この部門が見ているのは、「目の前のお客様をどう守るか」「離れていく前にどうつなぎ止めるか」という視点です
つまり、その存在のあり方の段階で、同じ会社にながら、両部門はまったく違う視点で、違う領域を見ています
いわば「住む世界が違う」関係性なのです
住む世界が違うから、議論はすれ違う
この違いは、単なる役割分担ではなく、
意思決定の前提そのものの違いです
だからこそ、会議ではこうなります
マーケティング部門:
「重要性は理解できます。ただ、それを改善すると売上はどれだけ上がるのでしょうか?」
お客様対応部門:
「同じ不満が繰り返し発生しています。すぐに手を打たないと顧客が離れます」
どちらも正しい
しかし、論点が違うため、議論は平行線のまま止まる
これがVOCが活かされない最大の理由です
VOCを「動く提案」に変える方法
では、VOCを単なる“声の収集”で終わらせず、実際の改善につなげるにはどうすればよいのでしょうか 大切なのは、現場の感情的な訴えをそのままぶつけるのではなく、論理と現実の両方に変換して他部署へ届けることです
たとえば、集まったお客様の声を次の4つの要素に整理してみます
1.どのお客様が困っているのか
2.どの製品・サービスの、どの場面で困っているのか
3.その困りごとが、どの程度の頻度で起きているのか
4.それを改善した場合、離反防止・満足度向上・業務効率化のどれに効くのか
この4点をしっかりと押さえるだけでも、VOCは単なる「苦情」から、他部署が扱いやすい「改善テーマ」として捉えてもらいやすくなります
さらに一段上げるためのポイント
さらに可能であれば、同じ不満が繰り返し発生している件数、対応にかかる工数、再問い合わせ率、関連する失注や離反の兆候なども合わせて整理すると、マーケティング部門や製品開発部門にも具体的な数値として伝わりやすくなります
重要なのは、お客様の声を「感想のまま持ち込まない」ことです 「こんな声がありました」だけでは、相手は動きようがありません しかし、「この課題がこれだけの頻度で起きており、放置するとこれだけの損失につながる可能性がある」と整理できれば、改善は一気に議論の俎上に乗りやすくなります
見落とされがちな“重要な前提”
さらに一歩突っ込んだ話をすると、私たちお客様対応部門は「すでに顕在化された不満を解消しても、それだけでは売上の直接的な上昇にはつながらない」というシビアな現実を自覚しなければなりません
たとえば、「容器が開封しづらい」といった顕在化された声を拾って開けやすい容器に改良したところで、その不満を届けてくれた消費者が、翌月から今までの1.5倍や2倍の量を購買してくれることはまずありません
もちろん、製品やサービスからの離反を防ぐという意味では非常に重要なことなのですが、「売上を増やすこと」を至上命題とするマーケティングや製品開発部門のメンバーにとっては、その守りの視点だけで語られる言葉は、まるで「異世界の呪文」のようにしか聞こえないのです
それが証拠に、世の中を見渡せば、利益を度外視したようなポイントプログラムのような販促活動による新規獲得戦争がずっと変わらず繰り広げられ、身を削りながら競合との陣地の取り合いが多くの戦場で展開されています
戦いに敗れた弱者が市場から排除され、下手をするとカテゴリーそのものが衰退してしまう場面を、皆さんも目にしたことがあるかと思います
本当に必要なのは「インサイト」の共有
そんな消耗戦に陥らないための唯一の方法 それは、顕在化された声の後追いだけではなく、「潜在的な消費者やユーザーの不満(インサイト)」を抽出し、マーケティング部門とお客様対応部門の共通言語にしておくことです
消費者やユーザー自身もまだ気づいていない、あるいは言語化できていない心の奥底にあるインサイトをコンタクトセンター側がすくい上げて共有する そして、それらを満たす全く新しい新製品やサービスの開発を提案することで、マーケティング部門が大好きな「売上増加の未来図」を一緒に考えていくのです
そのためには、消費者対応部門はこれまでのようにお客様から届く声を受動的にお伺いするだけでなく、能動的に消費者の声を集めて知る活動を行わなければなりません
そして、その感情の裏にある「合理的な分析力」が強く求められるのです
お客様対応部門に求められる進化
そのためには、お客様対応部門も変わる必要があります。
受動的に声を聞くだけでは不十分
能動的に声を取りにいく
感情を構造化して分析する
つまり、「聞く部門」から「意味を定義する部門」へ の進化が求められるのです
Kocochi製作所では、VOCを単なる顕在化された声の収集で終わらせず、顧客のインサイトに深く踏み込んで整理、可視化、分析するための組織設計を一緒に考えていきます
「現場の声を集めているけれど、他部署を動かす材料にできない」 「受動的なセンターから、インサイトを能動的に発信できるセンターへ変革したい」 どうやって進めていけばよいのかわからないときは、ぜひKocochiにご相談ください
最後までお読みいただき、ありがとうございます ご共感いただいた方は、ぜひ「スキ」をお願いいたします
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