そのタブレット、本当に子どものためですか?― こども目線で見えてきたこと ―
「タブレットで学習します。」
そう聞くと、
なんとなく“今どきで効率的”なイメージを持つかもしれません。
でも、現場で見ていると、
どうしても違和感を感じることがあります。
待つのは当たり前?
こどもたちの通っている公立の小・中学校では、
タブレットが新しくなりました。
こどものタブレットの充電を確認しようと思って、
電源ボタンを押しました。
でも、画面は真っ黒のまま。
何も出てきません。
「あれ、充電されてないのかな?」
そう言うと、
「時間がかかるんだよ。
少し待つと出てくるよ」
と、こどもが教えてくれました。
言われた通り、少し待つと
画面はちゃんと表示されました。
iPadのように、再起動すると
すぐにマークが表示されるような反応ではなく、
しばらく何も変化がない時間があります。
でも、そのときふと引っかかりました。
“少し待つのが当たり前”
それって、本当に子どもにとって
いいことなんだろうか。
大人なら、
「そういうものか」と受け入れられるかもしれません。
でも、こどもにとってはどうなんだろう。
学びたいと思ったときに、
すぐに進めない。
その小さな積み重ねが、
気持ちに影響することはないのかな、と感じました。
もちろん、
こども自身がそれでいいと思っているなら
それでいいのかもしれません。
学校のタブレットはこういうもの
すぐに使えないものもあるということを
知ることも学びととらえることも必要だと思います。
でも、
“効率的な学習”という言葉の裏で、
子どもの感覚が置いていかれていないか。
そんなことを、考えました。
以前のタブレットに比べると
立ち上がりが断然速いので
速くなったと感じているのかもしれません。
重さ約1.5キロのタブレットの持ち帰り
以前から持ち帰りはありましたが、
端末が重たいため、
「必要に応じて」
「充電がなくなったら持ち帰る」
という使い方でした。
それが今回から、
毎日持ち帰ることになるそうです。
端末は、いわゆる
“パソコンのようなタブレット”。
重さは約1.5キロ。
サイズも大きくなり、
これまで使っていたタブレットケースには入らず、
新たにパソコン用のケースを購入することになりました。
以前のものはケースに入れても
ランドセルに入っていました。
でも、新しいものは
ランドセルには入りませんでした。
(隠れ教育費、増えていませんか?)
毎日持ち運ぶには、
子どもにとっても、保護者にとっても、
決して軽いものではありません。
タッチ専用のタッチペンで書けるのか
さらに気になっているのは、
その「使い方」です。
学校では、今年度から
ドリルが廃止され、
タブレット内のアプリを使った学習や、
印刷したプリントで学習する形に変わるようです。
前年度の自習の時や空き時間のタブレット学習で
実際に見た漢字の学習は、
こどもたちが指で画面をなぞって練習している姿でした。
ノートのように机に置いて書くのではなく、
目の前の画面をそのまま指でなぞる。
反応が悪く何度もなぞっている姿も見られ
何度なぞっても思い通りに書けず
学習をやめてしまう
子もいました。
こどもがタブレットを持ち帰ってきて
一緒に確認してみました。
このタブレットは、画面を平らにして、
ノートのように使うこともできる端末でした、
実際に、今年度は小学校でも
そのような学習が行われているようでした。
しかし
タブレットにはペンがついているものの、
それは“タッチするためのもの”で、
鉛筆のように書くためのものではありません。
先が柔らかくて丸いタイプの長さも短いものです。
また、こどもの小学校では、
タブレットに漢字ドリルが入っていることは
先生方も把握しているそうですが、
その中身や使い方については、
十分に共有されていない様子でした。
先生方が
実際に使ったことがないまま、
こどもたちが使っている現状に、
少し不安を感じています。
一方で、
別の学習環境では全く違う形で使われています。
上の子の学校やオンラインの塾では、
ペーパーライクフィルムを貼ったiPadに、
鉛筆のように書けるペンを使い、
リアルタイムの双方向授業で
スムーズに学習が進んでいます。
「書く」という感覚が、
きちんと再現されている環境です。
実際に両方を使っている子どもに聞くと、
「学校のタッチペンでも書くことはできるけど、
オンライン塾のほうが書きやすい。」
と話していました。
同じ“タブレット学習”でも、
ここまで違いが出るものなのかと驚きました。
専門家の意見
実は、こうした違和感について、
専門家も同じような指摘をしています。
👉 記事はこちら
https://diamond.jp/articles/-/386915?utm_source=chatgpt.com
中学受験指導の現場では、
「書く力の低下」が深刻な問題として挙げられており、
その原因のひとつに、
タブレット普及による“書く機会の減少”があるとされています。
また、「書く」という行為は、
単なる作業ではなく、
思考を整理し、理解を深めるプロセスそのものだとも言われています。
デジタル化そのものを否定したいわけではありません。
でも、
何を優先するのか。
コストなのか。
管理のしやすさなのか。
それとも、子どもの学びやすさなのか。
わたしは
少なくともこどもたちが学習に使うものは
こどもたちの目線で
こどもたちのことを
優先してほしいと思っています。
軽くて扱いやすいこと。
すぐに立ち上がること。
書く学習がスムーズにできること。
環境に左右されず、
安心して使えること。
大人なら、この状況を受け入れられますか
今の学校のタブレットは、
立ち上がるのに時間がかかり、
エラーも起きやすく、
画面の切り替えにも時間がかかります。
朝、
職場でパソコンがなかなか立ち上がらなかったら、
どう感じるでしょうか。
電源を入れて、
荷物を置きに行って、
戻ってきても、まだ使えない。
Wi-Fiが繋がらない。
学習中に画面がフリーズする。
そんな状態が、教室で起きています。
先生が指示を出しても、
教材が立ち上がる前にチャイムが鳴る。
そんな光景を、何度も見てきました。
このタブレットは、
本当に
こどもたちのために選ばれたものなのでしょうか。
学校まで
30分以上歩いて通う子どももいます。
小さな体に重たいランドセル。
そこに入りきらないタブレットを、
手で持つ子もいます。
現場の先生たちの声。
こどもたちの声。
保護者の声。
それらは、いまの仕組みの中で、
十分に届いているとはわたしは思えないのです。
こどもに合わせる教育ではなく、
大人の都合や
予算に合わせた仕組みになっているように感じるのは
わたしだけなのでしょうか。
少なくとも、
保護者の負担は後回しでもいいと思うのです。
道具があっても、
それが“学びに使える形”になっていなければ、
こどもたちの力にはつながりません。
今のタブレット学習は、
こどもたちのためのものになっているとは
言い切れない現状があります。
わたしは
一度立ち止まって、
見直す必要があると感じています。
みなさんはどう感じていますか。
こどもたちにとって学びが
遊びと同じように楽しいものになると
いいと思います。
🌸みんなに笑顔の花が咲きますように🌸
ことのは
