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スタートアップ8年目の足りなさ

この記事は #GauDev Advent Calendar2025 の最終日です。

Gaudiyに入社して丸7年が経ち、8年目に突入した。
入社理由とかは去年書いたので、興味がある方はこちら

たりないふたり

足りない 俺には何か足りない
君にも何か足りない
きっと何かが足りない足りない

Creepy Nuts / 『たりないふたり

南海キャンディーズ・山里亮太とオードリー・若林正恭の「たりないふたり」。 2012年、まだ何者でもなかった独身の二人が、世間や先輩への僻みを原動力にしていた番組。 そこから山ちゃんの結婚、若林の結婚、コロナ、番組MC、帯番組……と、ふたりのキャリアや環境が変化しても、常にその時々の「足りなさ」を漫才として表現し続けてきた。

ふたりのラジオも、それに影響されたCreepy Nutsも聴き続けてきた自分は、4年半前の解散ライブ『明日のたりないふたり』で泣いたくらい、彼らに影響されている。 先週、4年半振りに『たりないふたり2025』が放送された。画面越しの彼らを見て、自分の奥底にあった感情を、痛いくらい新鮮に思い出すことになった。

「足りない」
今の自分もまた、今年の10月にVPoEを拝命したことで、入社以来もっとも巨大な「足りなさ」に直面し、苛まれている。 単一事業のVPoE経験すらないのに、一気にグループ全体のVPとしての振る舞いを担うことになった。

“経営力が足りない”

Gaudiyはグループ経営へと移行している。 単一の事業会社から、既存事業・新規事業・PMI中の事業など、複数の事業体やチームが複雑に絡み合う組織になった。

まず初めに着手している項目としては「コスト的な負債」 エンジニアリング部門の支出管理は、良くも悪くも今まではシビアにやらなくても会社として成長してこれた。それによって技術力の向上やブランディングの獲得ができた側面もあるが、事業状況に即さない部分も確かに存在した。今は支出の可視化を行い、現在の事業フェーズに対して適切なインフラと技術選定を行い、計画とアサインを引き直し、削減目標を経営と握り、着実に実行を進めている。

一方で、経営者の言語をインストールし、それを現場の言語と接続することに関しては、まだまだ力不足だ。 そもそも、ちゃんとした”上申”という行為も、それに必要なパワポ作成も初めてやった。 特に、来年の注力が決まっている経営課題に対して、提案し動くことについては、一部でグループ横断の技術標準とその実行方法の定義を進めているものの、まだ思考の深さも行動量も足りていない。

“マネジメント力が足りない”

会社の変革期には、いつも問題は起きる。それはいつものことだし、驚きはない。ただ、組織と事業の規模が大きくなっている分、起きる問題や範囲もデカくなっていることは留意し、優先して対処すべき課題を見極めなければならない。

また、自分の”見られ方”についても反省が多い。 細かい振る舞いも、発言も、逆に「あえて何かをやらない」という行為も、今まで以上にグループ全体に波及することを自覚しないといけない。

組織整備が追いついていない部分は山ほどある。特に既存事業に関連する人事制度や権限移譲に関しては、一年後を想像して、人事と共同でインプットからしつつ今まさに作っている最中だ。 一方で、「伝えて欲しい」と思っていることを、適切に捉えて伝えることには苦戦している。日々メンバーからフィードバックをもらっている状況だ。 会議体やドキュメントを一層定義して、何度でも根気よく継続して、伝達していかなければいけない。


“技術力が足りない”

ここ半年、経営力とマネジメント力の足りなさにもがいていたことで、忘れがちだったことがある。技術力だ。

M&Aを通して出会ったチームから、大いに学ぶことがあった。 彼らは会話の中で、それが特定のプロダクトコードであれ、バグであれ、インフラ構成やDBのスキーマであれ、すぐに現状とその背景を通したコメントができる解像度を持っていた。 適切に予実管理をし、「会社の状況に合わせて、ちょうど必要十分に足るように作る」という実行力がある。

創業期からFanlinkを6年以上書いてきてこだわりがあったはずの自分も、それ以外の領域に対してはその感覚を忘れかけているかもしれない。 経営視点と、現場の技術的解像度。これらはトレードオフなんかじゃなくて、両立するからこそCTOやVPoEとして適切な意思決定ができる。 それを決して忘れてはいけないし、技術のインプットを怠った数ヶ月であることを猛省している。


たりなさの剣

たりなさの剣 諸刃の剣
悩みであり 武器であり お守り

若林のラップ一部 / 明日のたりないふたり

元々組織として足りなかったこと。個人としてやはり足りていないと実感していること。組織の変化による気づき。メンバーからのフィードバックによる気づき。 全てが組み合わさった課題が、Devに限らずGaudiyには、相変わらずたくさんある。(どのスタートアップもそうだと思うが)

「結婚もしたし、安定して家族時間が取れて、給与もそれなりにある環境で、好きなフロントエンドだけ書いてたい」 ……何度でも思う。全然逃げ出したい。誰かに丸投げしたい。

けれど、「たりないふたり」がそうであったように、足りなさは、向き合って、傷ついてこそ、武器になる。言うは易し行うは難し。今のこの苦しみは、短期で成果が出るものでもないだろう。

まずは、”当たり前にやるべきだったことを当たり前に”できている組織状態を作ることに集中して、腹を括って、今の自分にできることを全部やるしかない

“たりなくてよかった”と胸を張って言える日まで、目の前の足りなさに向かい続ける。


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