発達障害の歴史について考える
こんにちは!子ども未来プランニングの春名です。
私は普段、発達障害やグレーゾーンのお子さんとご家族への支援やサポートを行っています。
本日のテーマは障害の歴史について、です。
会話の中で、「昔に比べると発達障害に対する認知が増えてきて、理解も進んでいるよね(まだまだ足りないけど)」というお伝えをすることがあるのですが、ふと
「え、そういえば日本で発達障害という言葉が出たのはいつからで、どういう風に認知がすすんできたんだろう」と、これまでの歴史について気になってしまいました。
何年にこの法律ができたとか、点ではなんとなく分かるものの線で整理したことなかったなと…
どうせなら自分の為にもまとめてみようと思います。
※随時修正や付けたしをするかもしれません。
戦前(~1945年): 発達障害の概念が未確立
・明治時代から知的障害(当時は「精神薄弱」などと呼ばれた)に関する研究や支援は存在したが、発達障害は明確に区別されていなかった。
・1900年代初頭: 精神科医や教育関係者の間で「落ち着きのない子ども」「学習が極端に苦手な子ども」についての報告がされるが、医学的な分類はなされていなかった。
・1940年代: 日本でも欧米の影響を受け、「問題行動のある子ども」「情緒障害児」として一部の教育現場で認識され始める。
戦後~1970年代: 知的障害と混同される時代
(1) 1950年代: 知的障害・精神障害との混同
・戦後、欧米の精神医学や心理学の影響を受け、日本でも「学習困難な子ども」や「行動の異常がある子ども」に対する研究が始まる。
・しかし、「発達障害」という概念はまだなく、知的障害や精神疾患の一部として扱われることが多かった。
・ADHDに該当する症状を示す子どもは、「多動児」と呼ばれ、しつけの問題とされることが多かった。
(2) 1960年代: 特殊教育の発展
・1962年: 「特殊教育振興法」が制定され、知的障害や肢体不自由のある子どもへの教育支援が本格化。
・ただし、発達障害の子どもは「情緒障害児」「学習困難児」として分類されることが多く、適切な支援が確立されていなかった。
・1969年: 文部省(現・文部科学省)が「情緒障害児学級」を設置。
・この学級には、現在でいう自閉スペクトラム症(ASD)やADHDの子どもも含まれていたが、診断基準は曖昧だった。
1980年代~1990年代: 発達障害の概念が広がる
(1) 1980年代: 学習障害(LD)・ADHDの認識
・欧米で発達障害の研究が進む中、日本でも徐々に認識が広がる。
・1987年: DSM-III-R(アメリカ精神医学会の診断基準)で「ADHD(注意欠如・多動症)」という名称が確立。
・日本でも「多動児」として扱われていた子どもがADHDに該当する可能性が指摘される。
・1988年: 文部省が「学習障害(LD)」に関する調査研究を開始。
(2) 1990年代: 「発達障害」の概念が徐々に定着
・1994年: DSM-IVが発表され、「広汎性発達障害(PDD)」の概念が登場。
・アスペルガー症候群も正式に分類される。
・1995年: 日本でも発達障害に関する研究が本格化し、教育・福祉の分野で議論が始まる。
・1999年: 文部省が「学習障害(LD)」に関する指導指針を発表。
2000年代: 発達障害が公的に認められる
(1) 2001年: 中央教育審議会が「発達障害」について提言
・発達障害のある子どもに対する教育支援の重要性が指摘される。
・これを受け、発達障害に関する法整備が進むことになる。
(2) 2005年: 発達障害者支援法の施行
・2005年4月1日: 「発達障害者支援法」が施行され、発達障害が正式に定義される。
・対象となる障害:
自閉症スペクトラム(ASD)/ADHD(注意欠如・多動症)/学習障害(LD)
・国・自治体に対し、発達障害者の支援の責務があることが明文化される。
(3) 2007年: 特別支援教育の導入
・それまで「特殊教育」とされていたものが「特別支援教育」へと移行。
・発達障害のある子どもも対象となり、通常学級における支援が求められるようになる。
・通級指導(必要に応じた特別指導)が拡充される。
2010年代以降: 社会モデルの視点と支援の拡充
(1) DSM-5の改訂(2013年)
・「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の概念が導入され、アスペルガー症候群やPDDが統合される。
・ADHDの診断基準も変更され、大人(成人ADHD)の診断が明確化される。
(2) 2016年: 障害者差別解消法の施行
・「合理的配慮」の提供が義務化され、発達障害のある人への支援が強化される。
例: 学校や職場での配慮(ICT活用、学習・業務の進め方の調整など)。
(3) 2020年代: 多様な支援の拡大
・発達障害の認知度が向上し、職場や社会での受け入れが進む。
・ICT(タブレット学習、AI支援ツール)を活用した支援が増える。
・大人の発達障害に関する理解も広がり、企業での合理的配慮が求められるようになる。
感想
皆さんどう思いましたか…?
個人的な感想としてですが、これだけ長い歴史がある中で、発達障害が公的に認知されたのは2000年に入ってからということに、衝撃を受けました。
その時は私が小学6年生くらいですね(めちゃくちゃ困り感が強くて、自己肯定感が一番低かった時です。)
障害者差別解消法が施行されたのが2016年であることは知っていたものの、今では当たり前のように話している障害の社会モデル視点や合理的配慮の意識が広がってきたのは本当に最近なんだなと、改めて感じました。
もっと早く取り組んでほしかったというのが正直な感想ですが、発達障害に対する取り組みが始まってからのスピード感は比較的早いなという印象だったりはします。
学校教育や社会の中でも課題はまだまだ山積みだと思いますが、この先の未来を担っていく子どもたちが少しでも自分らしく生きていけるような理解や環境整備が進んでいくようこれからに期待をしながら、
私たちができることをひとつずつ、着実に取り組んでいこうと思います。
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