看護師日記『かわいいおしり』
皆様おはようございます🍀
夜勤休憩中のはるかです💉
なんと…先日、患者様が私のファンクラブを作ってくれました😌
嬉しかったので聴いてください🌸
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『とうとう、あと4日で退院だよ。
●●さんには本当にお世話になったね。
夜中に何回も呼んでしまったね。ありがとう。』
夜勤が始まり患者様のもとへ、一人一人挨拶をしに
まわると、個室の彼は私に言葉をかけてくれた。
『退院だねぇ。夜くると、○○さんのお顔がたくさんみれて嬉しかったんだよ。本当によく頑張られてましたね。頑張る背中…あ…違うか(笑)
頑張るかわいいお尻だ。
たーくさんみせてもらいました♥️』
『(笑)あんたにそれを言われると弱いんだぁ💦』
ーーー時は遡り、ある6月の深夜一時頃ーーーー
ナースコール…
担当者見当たらず対応に向かった。
『話したいことがあるんだけど。』
『夜はこれ(簡易トイレ)使えって娘や皆が言うんだよ。皆が勝手に決めてさ。家に帰ればなんとかなるんじゃないかって思うんだよ。なんだかんだ妻だって起きて手伝ってくれると思う。
練習しないとだめかな?』
日中にあった家族参加の医師面談での記録を
思い出す。
父(患者様)と同居する母が介護疲れしないように、夜は母が寝れるように…と、別居している娘が面談の場を通じて彼に簡易トイレの自立を推したのだ。
医療者からみても、眠気でふらつく彼がベッドからトイレまで歩行するのは転倒リスクが高いと判断し、夜間のみ簡易トイレの自立を練習していくよう勧めていた。
そして…開始初日が今夜であった。
『私はね、月に8回の夜勤をしてます。私は8回寝ない日があっても平気です。でも毎日は無理です。もし○○さんが夜中の排泄を自立できなくて奥様のお手伝いを必要とするようになれば、奥様は365日しっかりとは眠れません。私だったら体調を崩します。なので、私が○○さんの奥さんだったら、2人で長く一緒に過ごせるよう夜は頑張ってほしいな…って思いますね。』
『そうだよね。でもさ…これのバケツの中を片付けるのだって、朝重たくて大変じゃん。そもそも、こんなのないほうがいいんじゃない?
リハビリでトイレまで歩けるようになるかもしれないよ。』
『トイレの清掃は、日中来るヘルパーや週に何回か来てくれる娘さんにも頼めることです。日中のことはサービスが使えるから割とどうとでもなります。夜間だけは自宅に帰る以上、○○さんと奥様2人だけなんです。
今は、夜をどうするかだけ考えたほうが良いと私は思いまよ。リハビリで歩けるようになればそれは素敵です。でも、できなかった時の事も、もう考えて準備をしないといけない時期でもあります。』
『そうか…でもさ…今はお腹もゆるくて…何回もトイレに起きるんだよ。先にお腹を整えてから練習するべきじゃない?順番違くない?』
『お腹がゆるくてトイレの回数が増えて辛いのはわかります。でもね…お家に帰ってからでもお腹がゆるくなって何回も起きなくちゃいけないことは可能性としてあることだと思うよ。今、最悪の状態でも安全にいけるように練習しておくのが最善だと…私は思うけど。人の手があるうちに安全に練習してほしいな…ってね。』
『ごめんね。ごめんね。情けないよ。
本当に情けない。
わかってるんだよ。
やらなくちゃいけないって。
でも、心が追い付かない。情けないんだ。
悪いのは僕なんだ。
こんな話を夜中に長々とごめんね。
せっかく皆さんが色々なこと考えてくれてるのに
逆らうようなこと言ってごめんなさい。』
『情けなくありません。
退院後の生活に本気で向き合ってるから、その分、色んな悩みや不安がでてくるんです。本気で向き合ってる○○さんを情けないなんて思いません。逃げずに向き合って不安と闘ってる…頑張ってる○○さんが情けないなんてことありません。
…それに、私達看護師は患者様に【逆らわれた】と感じることも有り得ません。まず、私達は上からの立場で指示や命令をしていません。あくまでも提案です。なので、提案に対しての言葉は全て【ご意見】です。意見をもらって提案が有効なのか変更が必要なのか考えていくんです。
だから…そんな風に思わないでほしい。
なんでも意見や気持ちを言ってよ。
聴きたいと想ってるんだよ。』
『そっか…。情けなくないんだ。
全部、うじうじして動けない自分が悪いのかと
想ってた。違うんだ。』
『情けなくないよ。
でもね、私達にできるのは提案と寄り添うところまでなんだよ。そこまでしかできないの。
頑張ることも、決めることができるのも
○○さんと、ご家族様にしかできないことだって
想ってるよ。』
『うん…うん。ありがとう。
長く引き留めてごめんね。
また呼んじゃうかもしれない…いいかな?』
『もちろんいつでも。そのためにいるのよ。
話したいでもいいし、練習でもいい。
何かあれば…ま、別に何もなくてもいいんですけどね(笑)遠慮なく呼んでね。
お話し聴かせてくれてありがとう。またねー。』
ーーーーー5分後、静かに鳴り響くナースコール
はやっ(笑)(笑)(笑)
ナースステーションの先輩が苦笑いしているが
視線で『行ってきていいよ』を私にくれた。
『なーあーにー?』
『出るかわかんないけど…これ、使ってみる。』
ぎこちない動作で彼は練習を開始した。
その後も一時間ごとに起きては簡易トイレを
使った。
緊張のためか…最初は座っても何もでない事が
2回続いたが、3回目、初めて排泄できたときには、彼は泣きそうなくらいの笑顔で私に言った。
『出た!ちゃんと使えたよ!』
『できるもんだ…できるもんだねぇ…』
心が受け入れた後は
動作の練習に集中していく。
頸部骨折により、脊髄を通る神経の一部が阻害されていた期間があったため、手指の動きに後遺症が残り、お尻側のパンツやズボンをあげるのに一苦労していた。
私の夜勤の度に彼は私にきいていた
『お尻…ちゃんとあがってる?』
『んー?まだまだ可愛いお尻がみえてるよん。
隠れるとこまでみてるからふぁいとだよん♥️』
そんなやりとりを
何回、何十回も繰り返し続けたが
可愛い彼のお尻は
退院前には少し余裕をもって
すっぽり隠れるようになった。
『もうお尻をみることもなくなったね
嬉しいけど…少し寂しい気持ちもあるかもー(笑)』
そんな会話をしながら、彼はとうとう自立した。
『●●さんの顔みるとほっとするんだ。
いない夜も頑張ってたんだよ。』
『私も○○さんのお顔がみれると嬉しいんだよ。頑張ってたのも知ってるよ。
いない日の記録もちゃんとみていたからね。
私だけじゃなくてね
皆もちゃんとみてるんだよ。』
『そっか…そっか…ありがとうね。』
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『●●さんは、本当にかわいいね。
もう、ファンクラブつくっちゃいなよ。』
『ありがとうですー。
でも、かわいくはないからねー。
つくっても会員は集まらないよ(笑)』
『そんなことないよ!
僕がファンになりたいよ…』
『あらぁ…嬉しい。じゃあ○○さんが
私のファンクラブ
会員ナンバー1番になってくれますか?(笑)』
『なるよ!嬉しいなぁ…1番だもんね。
あんたをみてると…頭を撫でたくなる
変な意味じゃなくて…本当にかわいいと想って
頭を撫でたくなるんだ。』
私は少し考えた。
セクシャルは全く感じない。
ただ、自分の頭は自分の本体のようなもので
聖域のイメージをもっている私。
胸やお尻を触られても
基本どうでもいいのだけれど
頭については場面を問わず
触られたい人にしか赦せない自分がいる。
過去、先輩に飲み会の席で勝手に触られて
その場でぶちギレたのが頭をよぎった。
彼のことは………愛しい...そして尊敬している
彼の生い立ちや葛藤、揺らぎが…
家族に大切にされているのが家族の表情や態度から伝わってくる。そう扱われる彼自身が、長いこと、妻や子供…孫と、ずっと大切にしてきたのが短い面会や話の中からでも…溢れでていた。
人のために身を粉にしてきた彼が
今度はされる側になることの揺らぎと受容
甘えたくない…
甘えたい…
自分の余生はお荷物なのか…
悩んだ顔も、喜ぶ顔も私にとっては本物であり
何度も心を震わせてくれたーー貴方
私は車椅子に座る彼の前に屈み頭を足れた
『どうぞ』
彼の皺くちゃの手…人生が刻まれた年輪のような手が、髪の毛を通して私の心に触れたーーーーー
『これは会員ナンバー1番だけの
特典ですからね』
彼と私は笑いあいーーーーーさよならをした。
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彼は私のいない日に…
一昨日 の日中に予定通り退院していった。
病院の誰も知らない看護師●●のファンクラブ は 永遠に会員一名ねぇ…
電子カルテから彼の退院日の記録を読み
そんなことを思いながら
彼のかわいいお尻が浮かび上がり
一人で笑った。
私の心の本棚に一冊の本が追加される。
背表紙には『○○ ○○様 ファンNo.1』
表紙は…
赤いパンツからはみ出たかわいいお尻である(笑)
🍀🍀😌♥️
これだから…
看護師はやめられません
安全な関係性の中で
密度が濃い時間を感じられます
貴方も生きていて
私も今、貴方の前で生きているな
…って、ほんのひととき感じられるのです🌸
