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大容量1200WでコンパクトなATX電源:Thermaltake TOUGHPOWER PF3 1200W ATX3.1 -PLATINUM-

全世界1200億人の電気ブラン中毒な皆様こんにちは。昔電気ブラン含め色んなお酒をちゃんぽんで飲んだ結果、急性アルコール中毒になって救急車で搬送されました。冗談だと思った? 実体験でした。仲間内では未だにイジられる香月です。

以前、Radeon RX 7900XTXにVGAを置き換えた際にあまりの電力消費に驚いて、大慌てで電源ユニット(PSU)を1200Wの大容量モデルに置き換えましたが、今回もまた1200Wの大容量PSUのお話。というのも、以前のPSUはATX電源としてはかなり外形が大きく、使いたいPCケースに入るかどうかが怪しかったという事で、今回は1200Wという容量は維持しつつ、外形の小さいモデルを探して激突した次第です。今回はその製品のご紹介。


容量もデカければ本体サイズもデカい1200W

これまで使用していたFSP製の大型PSU

前述の通りRadeonでVGA周りを強化した際、フルロード時の電力消費が700Wに到達してしまった為、当時使用していた850WのPSUでは危険と判断して慌てて交換したのが、これまで使用していたFSP製の電源ユニットでした。ATX3.0対応のもので、当時の12VHPWRにも対応した製品でしたが、安定性は全く問題が無いながら、サイズが少し大きいのは気になっていた所でした。ちなみにこのPSUを導入してさほど経たずにATX3.1規格が登場、12VHPWRが12V-2x6にアップデートされましたが、私の所では該当の電源ポートを使用する製品が現時点でも無く従来のPCIe向け8pinを束ねて使用しています。

その頃のPSUに関しては当時の記事を参照して頂くとして、今回ケース周りをガバッとリプレイスするにあたり、PSU自体の物理的な外形サイズの制約にひっかかりそう、という事で小型のPSUを検討していました。

1200Wという容量は譲れない、しかしサイズも小さくなってくれないと困るという事で色々と探し回った結果、お値段的な部分も含めてThermaltakeのPSUを発見、同社製PSUは以前も使用していた事があり、その際にも安定性に問題は無かった為、今回改めて導入する流れになりました。

ちなみにThermaltakeの電源製品はOEMとしての販売で、同社製品のOEM元、設計と製造は台湾CWTという情報があります。今回の製品もメーカーとして公表はされていませんが、ポート形状等から見てCWT製だろうと推測しています。

Thermaltakeから販売の1200W電源、元はATX3.0向け製品のリマーク?

パッケージには「ATX3.1」表示

そんなわけでThermaltakeのPSUが到着、諸々のチェックをしつつ見ていくこととしますが、まずは本製品の仕様について。本製品の製品名で確認をすると、ATX3.0モデルがThermaltake公式ページとしてヒットします(記事執筆時点)。また、そのまま公式ページで製品情報を漁っても「ATX3.1」としての製品が出てこない為、元々ATX3.0対応の製品を表示上ATX3.1対応として継続販売しているのであろうと推測出来ます。公式ページ以外の点では、同梱されているケーブルが色分けされていない12VHPWR(ATX3.0)時代の黒一色なコネクタになっている点。12V-2x6(ATX3.1)にネイティブ対応している製品では大抵コネクタが色分けされており、差し込みが甘いかどうかを視覚的に確認出来るようになっているものが大半……というかほぼ全てのようです。

本製品同梱の12V-2x6ケーブル。色合いとしては12VHPWRと同様

PSU本体のコネクタ部分の表記は12V-2x6になっており、本体貼り付けのラベル、および梱包箱にもATX3.1と表示され、かつ「上からラベルを重ね貼りした」という状態では無かったという点はあるものの、そもそも公式サイトにATX3.1に該当する製品掲載が無い事からも、本製品が実質的にATX3.0向け製品であろうと判断するポイントでした。

12VHPWRと12V-2x6の間に互換性はあるものの、ピンの長さや前述のコネクタカラー等で違いがある為、もし12V-2x6をメインで使用するなら、可能であればATX3.1にネイティブ対応した製品を選ぶのが良いでしょう。今回のお買い物時にはそこのチェックが抜けてしまっていたのがちとアレですが、とりあえず今のところは使用予定が無いので……という事で誤魔化すことにしました。

そんな感じで初っ端からちょっと躓いた感のある本製品ですが、まぁそれはそれとして。

80PlusもCybeneticsもPLATINUM認証、サイズは抑え気味で取り回しはいい感じ

写真右側がPC内部端子側

比較的小型なPSUだと80PlusやCybeneticsがGold止まりな製品もぼちぼちある中、本製品は双方ともPlatinum認証を受けています。使用中のFSP製品も同様にPlatinum認証を受けており、この点に関しては同等に扱えるという点は、製品選び時点で多少なり気にかけていた所。いかんせん大容量を扱うだけに、そのあたりの電力効率は気になっていました。

冷却ファンは120mm経で、ユニット自体の大きさはそこから一回り大きいかなといった具合。実際のサイズとしては奥行きが140mmとなっており、使用していたPSUが190mmだった事を考えるとかなりの小型化になります。ちなみに幅150mm、高さ86mmは規格通りのサイズ。若干ですが横幅よりも奥行きが短いPSUという事になります。

FSP製のPSUと並べた所。背面合わせ

実際にユニットを並べてみたのがこの写真。外部電源コネクタ側をあわせて比較していますが、内部コネクタ側の大きさがあからさまに短くなっています。これだけ短尺化してくれれば、大抵のミドルタワーケースには問題なく収まってくれることでしょう。以前使用していた850WのPSUは奥行きが150mmだったので、それよりも小さいながら大容量、という事になります。

同梱ケーブル一式

同梱されているケーブルについては、12V-2x6以外は全てフラットタイプになっており、12V-2x6のみラウンドケーブルになっています。ケーブルの硬さは一般的なもので、端子の重みでケーブルが垂れる、といった柔軟性はありません。

CPU向けATX4+4ピンは分岐なしが2本
PCIe向け6+2ピンは分岐ありが2本、分岐なしが1本

CPU向けの4+4ピンは分岐が無く1対1で接続するようになっており、それが2本入っている内容。またVGA等のPCIe向け6+2ピンは分岐ありが2本、分岐なしが1本で合計5本のコネクタを使用可能。よほど極端なPCパーツ構成でなければ、問題なく使用出来るようになっています。

その他の同梱物

その他、大容量電源ではお約束のケーブルバッグとペーパー類、PSU自体を包んでいた袋といった構成。余計なものは入っておらず、必要充分な内容物一式です。

ポート類は充実、センサ等の引き出しは無し

PC内側になるコネクタ部

本製品はフルモジュラータイプのため、使用するケーブルだけを選定・接続して動かす事になります。そんなコネクタ部ですが、大容量電源なだけあってなかなかの充実具合。M/B向けATX24ピン、CPU/PCIe向け8ピンが5本、12V-2x6がひとつ、ペリフェラル・SATA向け電源が4本といった構成。温度センサ等の追加コネクタ等は無く、シンプルにまとめられています。今回の環境で使用するコネクタ類は、写真の左側にかなり偏った状態になります。

主電源ケーブルは山型3ピン

PC外側のコネクタ部には山型3ピンとなっており、その他背面には主電源スイッチ、セミファンレス機能のON/OFFスイッチのみとシンプルな構成。それ以外の部分はガバッとスリット状になっているので、冷却にあたってはひとまず問題はなさそうです。

下が本製品で使うのと同じ形状のコネクタ、上はFSP電源で使用していたもの

主電源ケーブルのコネクタが一般的な山型コネクタ(C13)で、同じ1200WながらFSPの電源で使用されていた角形コネクタ(C19)とは異なった形状になっています。両者の違いは流すことの出来る電流値で、C13タイプは7A,10A,15A、C19は16A,20Aという違いになっています。単純にコンセントからの電源が100Vだとして、C13は最大1500W、C19は最大2000Wに対応するものになります。

どちらのコネクタでも1200Wの電源は問題なく稼働出来るのですが、FSP含めいくつかのメーカーではC19が採用されているものもあり、それらはいずれも1000Wオーバーの大容量電源。それら製品がC19を選択したのは、最大電力に余裕を持たせるという意味合いが強いんじゃないかなと思います。C13はケーブル単体でも一般に広く流通しており、ケーブル自体を細くして取り回しやすくするようなものもありますが、600~800程度の小型・中型電源ならともかく、今回のような大容量電源で細いケーブルを使うと、発熱や送電不良、最悪電気事故や火災にもなりかねないので、太さを我慢してでもしっかりしたケーブルを選択すべきでしょう。今回についても、同梱されていたケーブルを使用しています。

ファン上向き、ラベル面は左向きで正しい天地に
ファン下向き、同様に左向きで正しい天地に

本体サイド面に貼り付けられた製品名シールに関しては、ファンが上でも下でも、ケースの左側面に露出する部分が正しい天地になるので、パーツ構成やケースの配置等で上向き・下向きが自由に選択出来ます。

ケースに取り付けるとしっかり実感できるコンパクトサイズ

使用ケースはNZXT H9 Flow RGB

色々と見てきましたが、ここから実際にケースに組み込んでの動作確認に移ります。使用するケースはNZXT H9 Flow RGBの2025モデルで、内部が左右に分かれたデュアルチャンバー型。PSUは正面から見て右側のチャンバー内、中央背面部に固定する事になります。

ファンの向きは外側から吸気

140mmという短いPSUの為、かなりスッキリと収まっています。PSUを固定する台座部分が僅かですが余っている事からも、本製品がコンパクトサイズである事がわかります。

ケースとしてはPSU固定部の下にストレージベイがあるのですが、今回はSATA系ドライブを使用しないため完全に空きスペースになります。電源ケーブル周りに関してはスリーブタイプの延長ケーブルを使用する事にしていたので、PSUからのケーブルは一旦下部のストレージベイにまとめて、そこからスリーブケーブルでM/BやVGAに配線するようにしました。

スリーブケーブルで配線をした所

ケース右側の裏配線スペースでは、延長ケーブルを使用した事によるケーブルの長さ余りがあるため、お世辞にも綺麗な配線とは言えませんが、ケーブル自体を最小限にしたので他との干渉はありません。スリーブケーブルはAsiaHorseのものを使用、程々に柔らかくて配線のしやすいケーブルで、見た目もかなりスッキリとしてくれました。24ピンはともかく、PCIe向け8ピンは3本並んで引き出しているので、もう少し圧迫感があるかなと心配していましたがその点もスッキリ解消。実際に稼働させても発熱や瞬断等も発生せず、安定動作をしてくれています。

フルロード時には電圧が若干低め、動作自体は安定

OCCTのストレステスト

そんなわけで色々と見てきましたが、最後に実際の動作状況に関して。ベンチマークツールのOCCTを使用して、CPUやVGAをフルロード状態にした上で出力が安定しているかどうかを確認します。

12Vは規定値を上回った状態で安定しているものの、5Vや3.3Vは若干規定値を下回った状態で安定。安定性の面ではCPUとGPU合わせて、テスト時には都合622Wという大電力を出力しても安心できる推移。CPU Package PowerとGPU Power Maximumの2つが若干揺れているように見えますが、これはPSUというよりはCPU・GPUそれぞれの動作状態によるものでしょう。電圧低下に関して、延長ケーブルを噛ませているから低下しているのかも、と考えたりはしたのですが、以前使用していたPSUではそのような低下は見られなかったので、このあたりは今回の製品の性能と見て良さそう。以前使用していたFSP製PSUでは、5Vや3.3Vも上回った所で安定していたので、サイズを小型化した影響が出たのか、そもそもからこのくらいの出力スペックなのか、といった所です。OCCT以外にも複数のベンチマークを回してチェックしていますが、いずれも不安定さは見られず、動作上の問題は無いものと思います。とはいえ、5Vや3.3Vは規定値超えで安定してほしかったなというのが正直な感想。

他メーカー製品では5Vの出力を高め安定するような仕様になっていたりするものもあるのですが、今回はPSU自体の小型化が優先順位高めだったので、安定動作さえしてくれるならこのあたりは甘んじて受け入れようと思います。

ちなみにPSU自体のファンについて、セミファンレス機能は使用せず常時回している状態ですが、特に音がうるさいといったネガティブはありません。デュアルチャンバー系ケースだからなおさらかもしれませんが、水冷ラジエターを冷やすファンのほうが大きいくらい。ケースに入れてしまえばさほど聞こえることの無い部分なので、個人的にはセミファンレスにせず常時空冷状態を維持しておきたい所です。低温とはいえ常時発熱状態にあるのもあまり良いとは言えなさそうなのが一点と、そもそも箱出しでファンレススイッチがOFF状態なので、通常は常時回転で使用し、どうしても静音性を求めて耳につくようであればスイッチを切り替えれば使えるよ、といったメーカーの雰囲気もあります。

小型ユニットでも性能はしっかり、現状で容量がカツカツなら変えてみても良いかも

電源容量はしっかり余裕のあるものを

そんなわけでコンパクトサイズな1200W電源の「Thermaltake TOUGHPOWER PF3 1200W」を色々と見てきました。少々気になる点はあるものの、全体として実使用時点では大きな問題は無く、おおよそ問題なく使用出来る製品です。保証期間が10年という点からも、ある程度の品質や耐久性は期待出来ます。80PlusやCybeneticsでPlatinum認証を受けている電力効率という事もあり、容量の大きい電源ながらロスを低減して給電出来る為、PC全体としての消費電力を減らすことが出来る点も良いかなと。

一方でATX規格の表記・掲載に関しては疑問符が残ります。3.0と3.1で互換性があるからと表記を変えた可能性が高い本製品ですが、実際には接続・使用自体はできるものの、ピンの形状や長さが異なるという相違点があるので、仮にATX3.0準拠だったとしたら、その点は正直に載せてほしかった所。これについてはThermaltakeのみでは無く、他メーカーのPSUについても同様ではあります。

また、3万近いプライスの製品でありながら5Vや3.3V周りがミドルクラスと同等の出力値だったのもちょっとした不満点。内部パーツ的にはおなじみ日本メーカー製コンデンサが使用されているようですが、小型化の弊害なのか、そもそも設計上の問題なのかは判別出来ず、しかしながらいずれの場合でもネガティブになってきます。実際の所使用上の問題は無さそうですが、あと一歩頑張って欲しかったなといった所。

PSUはPCパーツの中で1・2位を争う重要パーツですが、ひとまず安定動作さえしてくれればしばらくは交換する必要もない部分でもあるため、今後も折りに触れ動作チェックを行いつつ使用していこうかなと思います。1200Wの電源容量で足りなくなるようなPCパーツ構成にならなければ良いのですが……というか、これより大容量ならそもそもコンセントに200Vを持ってこなくてはならないので、賃貸暮らしの私には使用出来なくなってしまいます。実使用電力量はせいぜい800Wが上限になって欲しいなとお祈りしつつ〆です。