一人の「面白そう」に仲間が集まり、奨励賞受賞! 有志チームで挑んだPLATEAU AWARDと挑戦を後押しするKOELの文化
こんにちは、KOELの棈木です。
今回は、業務外のチャレンジとして有志メンバーで参加し、見事「奨励賞」を受賞した「PLATEAU AWARD 2025」での取り組みをご紹介します。
この記事では、アワードに参加したKOELメンバー5名のうち特に若手3名を中心に、挑戦で感じたことや多様なメンバーと協働した感想についてインタビュー形式で伺いました。
3名の視点を通じて、組織の魅力をお伝えできればと思います。
国土交通省では、2020年度からProject PLATEAU(プラトー)として、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化の取り組みをスタートし、様々な領域における新たなサービスやイノベーションの創出を進めています。
PLATEAU AWARDは、オープンデータである3D都市モデルのまだ見ぬ可能性を引き出すため、国土交通省が主催する3D都市モデルの開発コンテストです。
さまざまな領域のエンジニアやクリエイター、プランナーが自らの技術と3D都市モデルのデータを組み合わせ、新たな価値を生み出すことを期待しています。

デジタル空間への興味から、有志チーム5名で取り組んだ『PLATEAU AWARD』
ーーなぜ今回PLATEAU AWARDに挑戦しようと思ったのでしょうか?
髙橋:街づくりに興味があるという話をしていた際に、桑原さんから『PLATEAU AWARD』をご紹介いただきました。特設サイトを見てデジタルツインの技術に興味が湧き、前向きにお話ししたところ、桑原さんから後押しをいただいてKOEL内でメンバーを募ることになりました。
桑原:僕はもともとデジタルツインに興味があり、PLATEAUのことも以前から気になっていました。ちょうど興味がありそうなメンバーがいたので、良い挑戦の場になればと思い声をかけました。
ーー業務外の取り組みとのことですが、他の参加メンバーはどのようにして集まったのですか?
髙橋:『PLATEAU AWARD』についてKOEL内のSlackで共有して反応があったメンバーへ、個別に声をかけていきました。ありがたいことにメンバーから好意的な反応をいただき、5名ほどの参加者が集まりました。
ーー誘いに乗ったお二人はどんなことを期待して参加を決めましたか?
明石:桑原さんが言っていたようにデジタルツインに興味があったのが1番です。もともとUXデザインの観点からデジタル空間に興味があったので、その領域に触れられるのは面白そうだと思いました。同期の高橋さんが中心となって進めていたことも、参加を決めるきっかけの1つでした。
市川:私はシンプルに面白そうだなと思って投稿にスタンプを押していたら、いつの間にかメンバーに入っていました(笑)。声をかけていただき「あ、そういえば興味あったな」と。普段の業務ではあまり機会の少ない遊び心のあるUIデザインにも挑戦できそうだと思い、参加を決めました。
ーー『PLATEAU AWARD』に提出した作品について教えてください。
髙橋:『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』というタイトルで、PLATEAUの3D都市モデル上で花火をカスタマイズして自由な視点で見られるサービスです。屋上などの日常では体験しづらい視点から楽しめるのが特徴です。


【作品タイトル】
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』
【作品概要】
「花火をつくって、好きな場所で楽しもう!」このサービスは、バーチャル花火師となってPlateau上でオリジナルの花火大会を開催し、普段は見られない好きな場所や画角から自由に眺められるサービスです。
できることは2つ。1つ目は花火制作で、打ち上げ方や種類、色、高さまで自由にアレンジできます。2つ目は鑑賞体験。PLATEAU上を移動しながら、普段は立ち入れない場所や馴染みの景色とともに、自分の花火を楽しめます。遊び心と創造力で、都市の夜空をもっと自由に楽しみましょう!
将来的には花火関連事業者や地域施設との連携も視野に入れ、花火の新しい楽しみ方を広げていきたいと考えています。
ーーそもそもなぜ、『花火』というテーマを選んだのでしょうか?
髙橋:テーマ決めは5人それぞれがアイデアを持ち寄るところから始めたのですが、PLATEAUの持つ「高さ情報」を考えた時に真っ先に浮かんだのが花火でした。
というのも、東京の花火大会は混雑や高層ビルの影響で他の地域よりも見える場所が限られています。そこで「行かなくても楽しめる花火大会」「街中のさまざまな視点から花火を眺める面白さ」を発想しました。
他にもさまざまな案が出ましたが、最終的に「PLATEAUを活かせるか」「アワードの評価観点に合うか」「自分たちがやっていて楽しいか」という観点で検討し、「花火」のテーマに決定しました。

ーープレゼンテーションで審査員からの反応はどうでしたか?
髙橋:プレゼンでは実際にデモ操作をお見せしながら、PLATEAUを活用した自由な楽しみ方をアピールしました。花火業者や、周辺飲食店、イベント主催者への情報提供など、今後のビジネス展開の可能性についても触れました。
審査員の方々からは、特にシミュレーションのクオリティやサービスの展開
について評価いただきました。また、「電柱や木などの障害物情報を入れるとよりリアルになる」など、実際にリリースして使ってもらうための具体的なアドバイスもいただきました。
実装を見据えたUI/UXデザインの苦労と得た学び
ーー今回、高橋さんはリーダー兼UXデザインという役割でしたが、3ヶ月という短い期間でリサーチから実装までどのように役割分担をしたのでしょうか?
髙橋:役割分担は途中で決めたのですが、まずは短期間で全員がアイデアを出し、そこから「リサーチ」「UX」「UI」「実装」に分け、1〜2週間単位でスケジュールを組んで進めました。普段業務でやっていることや得意分野もありますが、基本的にはメンバーの「やりたいこと」の希望を優先して役割を決めました。
ーー体験設計については、どのように進めたのでしょうか?
髙橋:アイデアが固まったところで、使う人の体験をストーリー化した「体験シナリオ」の作成を進めました。中心となる体験を「花火をつくる」「鑑賞場所を選ぶ」「花火を鑑賞する」の3つのフェーズに分けて整理していきました。ゼロから主導してユーザー体験を作り込むは初めての挑戦だったこともあり、自由度が高い中でどこから始めてどこをゴールにするか非常に悩みました。
当初街を歩きながら実際の花火スポットを探すといった現実世界と連動した案を考えました。しかし実装の観点から「お店のデータが足りない」「花火の可視化に計算コストがかかりすぎる」といったチームからのフィードバックを受け、よりエンタメ性に振った「自分好みに花火をアレンジして非現実的な場所から見る」という方向にシフトしました。

ーー体験を考えるにあたって、どのような学びがありましたか?
髙橋:今回のような体験設計をゼロから行うのは初めてだったうえに、リーダーとして参画したのも初めてだったので、難しかったものの良い経験になりました。役割を超えて皆さんに協力してもらえたので、何とか進められました。
当初は「街歩きをしながら花火を見る」体験をコアに検討し始めたので、もっと手前の段階で実装の観点を考慮しておくべきだったと感じています。
ーー市川さんと明石さんは今回UIデザインを担当されていましたが、なぜUIデザインを選んだのですか?
市川:僕も高橋さんと同じく実験の場として活用しました。KOELの普段の業務ではUXリサーチなどの上流工程から深く関わることが多いからこそ、今回はあえてUIのビジュアルを作り込むことに100%集中して手を動かしてみる良い機会になると思ったんです。
明石:私は普段の業務ではFigmaを使ってパーツ作成を担当することが多く、一から画面全体を設計する経験を増やしたいと思っていました。実業務でいきなり手を動かすのはハードルが高いため、まずは業務外で一度経験を積みたいと思い挑戦しました。
ーー業務だと短い期間で成果を求められることも多いので、じっくりと新しいプロセスに挑戦できる良い機会になったのですね。続いてUI設計について、こだわったポイントはありますか?
明石:私はカスタマイズした花火の再生パネルを担当し、ユーザーが今何を選択して何をしているかを直感的に理解できるよう意識しました。再生ボタンを押した時の挙動など、作ってみないとどう動くか分からない部分もあり、整合性をどう取るかで悩みました。
Figma上では簡単に修正できても、実装では構造から変える必要が出てくる要素もあり、実装者が近くにいるからこそ裏側の苦労を知れたのは大きな学びでした。

市川:僕はサイドパネルの花火のカスタマイズ部分を担当しました。デザインのたたきはFigma Makeで作成したのでテンポよく進められましたが、全体感で見た時の他のパーツの状態などは、UXのフローを意識しつつ作りました。自分の考えが独り歩きしてしまってUX担当と想定が異なってしまったり、ギャップが生まれてしまったところがあったので、メンバーとなるべく早く全体感を共有したほうが良かったなという学びもありました。
UIのスタイルについては、花火が主役なのでUIが目立ちすぎないように「グラスモーフィズム(透明度やぼかしによってすりガラスのように見せる表現方法。AppleのiOSやmacOSでも採用されている)」を取り入れて透明感を出し、景色や花火と調和するように意識しました。
ーーUIを作っていく上で、難しかったことや新しく挑戦したことについて教えてください。
明石:髙橋さんの考えたストーリーから機能を書き起こしたのですが、圧倒的に情報が足りないことに気づきました。一つ一つの機能は書けますが、画面としてどれを採用すべきか、UXとどう紐付けるかの判断に根拠が必要で、そこをUX担当の髙橋さんを巻き込んで3人で話し合いながら決めていくのが大変でした。
市川:UIはUXと実装の間に位置するので、そのバランスをどう取るかが難しかったです。UXから降りてきた体験はあるけれど、それをどう実装に落とし込むか。UI制作の段階でその判断を求められる局面が多く、天秤にかけながら2人と合意をとっていくコミュニケーションが非常に重要でした。
ーーそれでは、今回の学びを今後にどう活かしていきたいですか?
市川:今まさにスマートシティ関連の案件でUIを作っていますが、実装を意識した判断や体験の核をどこに置くかという視点は、今回の経験がそのまま活きています。
明石:UXのストーリーラインに合わせて設計した経験は、今後ワイヤーフレーム作成などで業務でも活かせたら良いなと思います。また実案件でも、実装側を意識して情報を取りにいくようになり、良い変化を感じています。
髙橋:今回の経験を通して、UIデザイナーがどこに困っているのか、何を重視しているのかを肌で感じることができました。実際に手を動かすことで初めて気づいたことが多々あったので、今後の案件でもデザイナーとの連携に活かしたいです。
プロジェクトの垣根を超える、KOELカルチャー
ーー今回のチームは普段業務で関わらないメンバーも多かったようですが、有志チームならではの良さはありましたか?
市川:メンバーが「やりたい」というワクワクした気持ちで集まっているので、いろんな面白いアイデアが出てきたなぁと思うし、プロジェクトで関わらないメンバーとやれる機会はあまりないので、良い経験になりました。
明石:桑原さん、棈木さんのお2人が参加してくれたのが結構大きいと思っていて。一緒にやろうってなった時に、若手が集まるっていうのは結構あるかもしれないんですけど、中堅メンバーが一緒になってポジティブに参加してくれたので、すごく勉強になったし学びになったなと思っています。
髙橋:楽しく進められたのが1番だと思っています。アイデアの幅も普段の業務より広く考えることができ、それに対して現実的なアドバイスをもらえたので、勉強にもなりつつ楽しかったですね。
ーー3ヶ月を振り返って、KOELだからこそ上手くいった秘訣は何だと思いますか?
髙橋:若手の「やりたい」というアイデアに対して、経験あるメンバーが一緒に作りながら走ってくれたからこそ、奨励賞をいただけるレベルまで到達できたのだと思います。アドバイスをいただくだけでなく、技術的なところや経験的な部分でサポートいただけた点が秘訣だと感じています。
明石:自分が未経験の分野に挑戦する時、アドバイスをくれる人がすぐ近くにいる安心感がありました。UXからUIの知見が豊富な棈木さんと、UIから実装までの知見が豊富な桑原さんがいたからこそ挑戦できたと思います。
市川:3ヶ月しかない中で、役割を細分化して使う脳を分けたことで、それぞれが自分の脳みそをフル回転させて担当箇所に集中できたのが良かったです。それぞれの専門性を活かして分業できたことが、クオリティに繋がったと思います。
ーーKOELではこういった有志の取り組みは多いのですか?
髙橋:多いと思います。セミナー参加や、勉強会の内容を「こえるゼミ」で発表したり、対面で盛り上がってそのままプロジェクトが始まることもよくあります。誰かが共有してくれた情報から、新しい学びに繋がる文化があると思います。
ーー最後に、KOELにご興味を持たれている方へ向けて、メッセージをお願いします。
髙橋:新しいことややりたいことを言い出しやすく、周りも「どんどんやりなよ!」と応援してくれる空気感があります。一緒にやってくれませんかと言ったら協力してくれる方がたくさんいるので、挑戦しやすい環境だと思います。
明石:一緒にやってくれる人がいるというのが推しポイントですね。若手だけではなく、スキルセットがさまざまなメンバーが手を挙げ、人が集まるカルチャーが良いと思っています。 業務ではできないことにも個人的に挑戦できる点も結構大きいと感じています。
市川:僕も同じく、若手でも今回のような実験できる場をフェアに設けてもらい興味あることを試せる環境です。

