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和彦君が全部持っていった_名無し

日々納期に追われる仕事をしているのだが、連休明けに何度目かのインパクトがありその後急に凪の状態になった。
暇だ。
こういう時に今まで蔑ろにしてきた仕事に手をつけだす。と、それはそれで面白くなってきていいんだけど、その仕事に残業するのもなあ…って映画館へ向かう。

私の仕事は突然暇になったり突然忙しくなったり、暇がズルズル続く事もある。
暇なりにやる事はあるし、私なりの暇の嗜み方があるからいいけど、大体暇な時って近い将来が不安になるしネガティブになるんだよなあ。

と、いうことでここから先、だいぶしょっぱい記事になります。
今作に良い感情を持った状態で読むとイライラしてしまうかもしれないので、読まないことをお勧めします。
あ、でも和彦君が超良かったのは共有しておきたいです!本当彼は素晴らしい役者ですよ!佐藤二朗もね。

名無し
無差別大量殺人事件、防犯カメラに映る犯人には凶器が写っていない。

というお話です。

原作漫画は未読。

佐藤二朗目当てで行ったのですが、佐藤二朗による佐藤二朗のための佐藤二朗映画でした。
爆弾で佐藤二朗好きになったお前らがみたい佐藤二朗ってこれだろ!?ほら!見せてやんよ!佐藤二朗は喋んなくても凄いんだぜ。って見せられているのかくらい佐藤二朗のカタログ映画でした。もういいよ!ちょっとヨシヒコの時の佐藤二朗見せてってなる。お腹いっぱい。

私の鑑賞後の感覚としては昨年鑑賞した「片思い世界」を観た直後の感覚に近い。
なんていうのかな、シーンに細かく描かれる設定や発想のセンスはすごく良い。集団殺人シーンもなかなかぶっ飛んでいる。集団心理的な描写もいいね。いいもん観た。だけどなんだか観終えると後味がない感じ。あれ、汚ねえ濡れ場もあったのに、味あったっけくらい。スーーーーっとしている。

このスーッと感、軽薄さと感じたけど、それは共感や同情する前に切り替わる展開の速さからだろうか。
子供が生まれたばかりの若手刑事、施設イベントに家族と来ている父親、とか、わざわざ見せつけてくるのにあっさりと殺されちゃうのとかね、忙しなくて感情が揺さぶられないんですよ。
細かいかもしれないけど、金属バットでボッコボコに殴られて集中治療室でしかも手術までした人がすぐスラスラと喋れるとか、捜査が上手くいかなくて官僚が乗っ取る捜査本部&なのに官僚が無能というお決まりパターンとか、被疑者確保に軽快に喜ぶ捜査本部とか、臨月で堕ろすとか、太郎と花子が保護された時、花子は髪ボサボサだけど太郎はキレイに刈られた頭とかさ。なんかもう考え出すとキリがないんですよ。
佐々木蔵之介演じる刑事の国枝もさ、変に鼻につく演技とかめちゃくちゃいい感じに匂わせてるけど最後はとっても実にアッサリ。
肝心の佐藤二朗演じる山田太郎に関しても、彼の集団殺人へと繋がる不遇な環境も、同情は勿論、嫌悪も恐怖も強く感じづらい。

めちゃくちゃストーリーは魅力的なのに、映像も素晴らしいのによく噛めない。飲み込むしかなかった。
重たい話なはずなんだけど、何を見せたかったのだろう。大きく引き伸ばしたい画像なのに解像度が72dpiしかなかった時の気持ちに似ている。


だからこの作品は山田太郎の少年時代を演じた和彦君に尽きると思うんですね。
あのアクが強く癖しかない佐藤二朗にちゃんと寄せていた。これはこの作品で特筆すべき事かと。
なんの面影もリンクもしない佐藤二朗と和彦君、なのに和彦君はちゃんと「僕は将来佐藤二朗になります」という演技をしているんですよ。
これはもう全てを掻っ攫いました。和彦君が。私の鑑賞料金、パンフ代、全ては和彦君に捧げたいと思う。
彼のこれからが楽しみですね。役者続けるのかな?どうだろうな?続けて欲しいですね。
もしこの駄文を読んでこの作品を観たくなった方は、どうか、和彦君をよく観てください。


勿論佐藤二朗も良かったし、他の役者さんも劇団の方や出身の方ばかりでMEGUMIがしんどいだろうなってくらい良かったんですよね。
だからその分、それが突出しているだけでは映画って成立しないことが分かった。
鑑賞後パンフや映画界隈の徘徊先の記事を読んだりして、色々思いや設定の深さを知って肯定的に考えられるようになったけれど、これは自分にとってはなかなか難しいなあと思いました。

だから何よりも彼を描きたかったんですよね。

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