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短編小説|七福神シリーズ7|【第3話 葵上の奮闘 根強いプライドにお手上げの神たち】

葵のツンデレを解消すべく、神様たちがついに左大臣家へと乗り込んだ。

幼い頃に遊んだ記憶は夢だと思っていた葵は、二足歩行する狛犬や獅子、寿老人に連れられた鹿、福禄寿の鶴や亀を見て目を丸くする。

「これは、現し世(うつしよ)の真のことでございますか……?」


「姫、今回は大人の恋愛のお勉強よ! 男心をくすぐる技を、この弁財天が伝授してあげる!」

女神の力強い言葉に、葵はキッと背筋を伸ばして答えた。

「誠に有り難いのですが、あの方は他の姫に入れあげ、浮名を流すような御方。左大臣家の娘であるこの私を無碍(むげ)になさって、何を心得ていらっしゃるのか! 承服いたしかねまする」


「えぇーっ!?」

神のアドバイスを真っ向から断る姫に、周囲の侍女や乳母は大慌て。阿形と吽形にいたっては、見事な「ズコー!」を披露してひっくり返った。


「でも姫、本当は源氏君のこと、好きでしょ?」

弁財天が核心を突くと、葵はバッと扇で顔を隠した。

「……知りませぬ。そもそもあの方が、この葵を好いてなどおられぬのです!」

扇の陰から、ポタポタと涙がこぼれ落ちる。


(こりゃ、相当こじれとるわい……)

(絡み合った糸を、一本ずつ解かねばならんのぉ)

寿老人と福禄寿は顔を見合わせ、深いため息をついた。プライドの鎧を着たまま泣き出した姫を前に、神様たちは本腰を入れてこの恋路を救う覚悟を決めたのである。





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