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七福神シリーズ|布袋【鼻と食欲のヒミツ】

食いしん坊の神様が出会った、鼻と食欲のちょっと不思議な物語。

その日は、どこまでも続く黄金色の草原を、布袋が大きな袋を担いで、のっしのっしと歩いていた。
「がはは! 今日は一段と、この袋が重いですな。北国の美味しい新米を詰め込みすぎたかもしれん!」
布袋は自分のお腹をポンと叩くと、道端に座り込んで、お土産の大きな「おにぎり」を取り出した。

すると、向こうの大きな木の下で、一頭の立派な「象」が、これまた長い鼻を必死に動かして、高い枝にある真っ赤なリンゴを狙っていた。
「おっ、そこのお主。鼻が長くて便利そうですな。一口、ワシのおにぎりと交換せんか?」
布袋が声をかけると、象は嬉しそうにパオーンと鳴いて、鼻をさらに高く伸ばした。

ところが、その時だ。
バキッ! ズズズ……。
「パ、パオーーーン!?」
欲張って鼻を伸ばしすぎた象の鼻が、複雑に絡み合った枝の間に、ガッチリと挟まってしまったのだ。抜こうとすればするほど、鼻はリンゴの木と一体化して、象の顔は真っ赤に充血していく。

「これはいかん! 放っておいたら、鼻がちぎれてしまうぞ!」
心優しい布袋は、慌てて立ち上がった。だが、布袋は力が強い反面、ちょっとだけ……いや、かなり「おっちょこちょい」だった。
「よいしょ、こらしょ……! ぬ、抜けん。絡まっている逆から引っ張って一気に引き抜いてみるか!!」

力いっぱいに枝を引っ張り寄せた。枝は大きくしなった。布袋が引っ張っていた枝を間違えていたようだ。
ズボォォォォンッ!!
すさまじい音とともに、象の鼻は枝から抜けた……いや、抜けすぎてしまったのだ。

「あ、あれ……?」
そこには、鼻が根元からギュッと縮んで、顔にペタッと張り付いてしまった不思議な生き物が立っていた。鼻の先は、まるで長い鼻を輪切りにしたような、丸い形に。
象の面影はあるものの、体は丸っこくなり、なんだか布袋のお腹にそっくりな愛くるしい姿に変わってしまった。

「……ま、まあ、短い方がご飯を食べる時に鼻を汚さなくて済むし、おにぎりも掴みやすいですぞ! がはは!」
布袋がフォローすると、その元・象は「ブゴッ」と短く鳴いて、布袋の足元に転がっていたおにぎりをパクりと食べた。
それ以来、彼は「ブタ」と呼ばれるようになり、布袋と一緒に「食べ物担当」として各地を巡るようになったという。

ブタの鼻が短いのは、布袋の力みすぎた優しさの結果――というお話。




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