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「よろこんでくれたらそれでいい」を貫く義母に泣いた

うちの義母の人付き合いは、常識の枠を飛び越えている。
Give精神が桁違いなんです。

ある日、家族みんなで子ども服をお店で見ていたときでした。
お会計を待っていたら、後ろから手裏剣みたいに1万円札が飛んできたんです。
振り返ると義母は素知らぬ顔をしていて、
「いや!いいよ!私が払うから! 1万もかかってないし!」
と、慌てて返しました。
すると、
「出したお金をひっこませるつもりかい!?」
太っ腹にもほどがある男気全開な義母。
再び1万円札をさっと置いて、離れていきました。


もちろんありがたいです。
ありがたいですが、ちょっと冷静になってほしい気持ちもある。
私が悪い嫁だったらどうするのか……。
だまし取られちゃうよ?と心底心配になりました。


義母は旅行が好きなのですが、お土産も桁違いなんです。
「お土産買うために行ったの?」
と思ってしまうほど買うんです。
最近は息子である私の夫から注意されてて、規模は縮小していますが。
旅先から段ボールにお土産だけ詰めて送るのは、義母にとってはいたって普通のことのようです。

家族、親戚、ご近所、職場の人、全員に同じスタンスで贈り物をするから、義母のもとにはたくさんの物が集まってきます。
ご先祖の仏壇は、いつも全国各地のお菓子がいっぱい。

でもそのお菓子を義母は食べずに、愛する子どもや孫に渡すんです。
「これ好きでしょ!? 食べて!」
「お義母さんがもらったんだから食べなよ!」
と、何度も謎のケンカをしました。

義母のGive精神は贈り物にとどまらない。
あれは2人目の出産のときでした。
長女の希望で、立ち合い出産に長女も連れて行くことに。
産院につくと助産師さんが、
「ごめんなさい、立ち合い出産はご主人だけに限らせてもらうことになって」

当時は新型コロナ感染症の流行初期でした。
産院に事前に立ち合い出産の許可はとっていたけれど、感染が拡大し始めていたため、急遽方針が変わったようでした。

病院で感染症が広まるわけにはいかない、それは分かる。

だけど、近くに頼れる人は誰もいませんでした。
私は陣痛で、思考回路はフリーズ中。
夫は覚悟を決めたような表情で電話をかけました。
相手は、電車で2時間のところに住む義母。

「長女を迎えに来てくれない?」

そんなご迷惑かけられない!と止めたかったですが、それしか方法がないのは私にも分かっていました。
早朝6時の出来事。
道にはまだしっかりと雪が残り、出歩くのにたいへんな季節です。

それにも関わらず義母は、
「分かったよ!」
と即決し、昼前には電車で長女を迎えに来てくれました。
そしてそのまま電車で実家にとんぼ帰りしたのです。
滞在時間はものの10分。


「たいへんだったね、この子のことは任せて!」
と、かっこいい後ろ姿を残していったと夫が話してくれました。

あまりの大きな恩に私は泣きました。
家族のお願いだからって、仕事を休んで孫を連れて帰る。
その瞬発力に、ただただ脱帽でした。


彼女のBig Giveに助けてもらった人は数えられないほどいます。
義母のやさしさに感謝する人は、別の形で感謝を返す。
それも何度となく。
ありがとうの大きな循環を、義母は見事に作りあげたのでした。

「よろこんでくれたら、それでいい」

いつも豪快で、見返りなど求めない義母。
そんな彼女を見て感じた人付き合いのコツは、

「大事な人には徹底的にGive! でも自分が楽しめる範囲で!」

義母のようにはなれないけれど、誰かの心を少しでも温かくできる人でありたいと思っています。



ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回はことばとさんが主催されている書く部のお題で「わたしが思う、人付き合いのコツ」というテーマで書きました。どんな切り口でいくか考えるのがおもしろかったです! いつもお世話になっております!


#書く部のお題で書いてみた

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藤澤コウ|看護師ストーリーライター 応援していただいたチップはこどもたちのみかんに変身予定です!