見出し画像

創作物に「つまらない」と断言できる人は、正直すごいと思っている

SNSを眺めていると、「これはつまらない。みなさん、つまらないですよ!!」と創作物への評価を声高に発信している人を見かけます。映画、ドラマ、ゲーム、小説。
対象は様々ですが、なかなかすごいなぁと思ったりするわけです。
私には怖くてそんなこととてもできません。

自分の「評価」に、そこまでの自信がない

なぜそんなに自信満々に「これは駄作!」と言えるのでしょうか。

私がつまらないと感じたとしても、それは単に私の感性がマイノリティなだけかもしれません。
あるいは、私がその作品の良さを汲み取れていないだけかもしれません。
私の知識や経験が足りないから、本質を理解できていない可能性だってあります。
オマージュだったり、ちょっとひねったものだと、やっぱりその「原典」を知らないと楽しめないものも世の中にはあります。
年末の紅白歌合戦。米津玄師がIRIS OUTを歌いましたが、チェーンソーマンの映画を見た人と見ていない人では捉え方が変わったでしょう(そもそもなんで始め自販機で女性の声から始まるの?(もしかしたら宇多田ヒカルだと気づかなかった人もいるかもしれませんね)、とか、なんでサメに乗ってるの?とかとか)

また、時代背景や「当時は面白かった」みたいなものもあるでしょう。
「リアルタイムの盛り上がり」があるから良いみたいなものは確かにあります。

そう考えると、自分の評価を他者に向けて発信することは結構すごいことなんだなぁ、自分に自信があるんだなぁと感心します。

そもそも「つまらない」と思うことがほとんどない

もう一つ、すごいなぁと思う事として、そもそも創作物に対して「つまらない」と感じた記憶が正直なところほとんどなかったりします。
覚えていないだけかもしれませんが、少なくとも「これはつまらないですよ!!みなさん知ってください!!」とSNSで騒ぐほど「つまらない」と思った経験は思い出せません。

もちろん、ジャンル的に合わないものはあります。
不倫を題材にした作品や、ホラー・スプラッタといったジャンルは、私の好みではありません。ただ、これは「つまらない」のではなく、単に私の嗜好の問題です。

Not for meはありますが、作品自体がつまらないというのはちょっと違うなぁと思ったりもします。

それ以外であれば、たいていの作品は何かしらの形で楽しむことができます。

B級作品には、B級作品なりの楽しみ方がある

世間で「B級」と呼ばれる作品もやっぱり面白かったりします。
どんな映画でもやっぱり「スポンサー」がいたり「パトロン」がいたりするものですし、完全に赤字を目指して作られる映画というものも稀でしょう。
それに、「大人たち」がたくさんの人生の貴重な時間をかけて作るものです。やっぱり何かしらの思いがあって作られたものだと思います。

「これ、どういったプロセスでGOサインが出たんだろう」など、脚本を読んだプロデューサーは何を思ったのか。予算はどのくらいだったのか。撮影現場の雰囲気はどうだったのか。俳優たちはこの作品にどんな思いで臨んだのか。そういったことを想像するのが、純粋に楽しかったりもします。

ゲームのリメイク作品に対しても同様です。原作と比較して批判する人もいますが、「へえ、こういう感じになるんだ」という見方もできますよね。
例えばRPG。
RPGにつきものの「レベル上げ」という概念ですが、あれは見方によっては「わざと時間をかけさせる仕組み」という見方もできます。
例えばドラゴンクエストの4くらいまでですかね。名作であることは否定しませんが、「レベル上げ」という概念がなければあっという間に全クリしてしまうでしょう。
現代の「タイパ」(この考え方は個人的には好きではありません。本当にタイパを求めるのであれば、そもそもやらなければいいのです)を求める文化では「なぜ延々と同じ敵を倒してレベルをあげなければならないのか。実に退屈だ」となってしまうでしょう。

モンハンも昔から楽しんでいますが、今昔のように「尻尾からしか入手できない、しかも確率もものすごい低い」となると、「クソゲー」と騒ぐ人もいると思います。

やっぱり他人に対してのリスペクトは大切だと思う

創作には作り手がいます。また、どんな創作にもその創作を愛している人はいます。
そういった人には「つまらなかった」と言うのはやっぱりちょっと違うかなぁと思ったりします。
創作をしている人で「つまらない」と言われてテンション・モチベーションが上がる人は少ないと思います。自分は楽しかった映画でも「いまいちだったね」「つまらなかったね」と横で見てた人が言っているといい気分にならないでしょう。

そもそも何かを作るだけですごいことなのですから、「また作ってね!」と言って、次回作をつくるモチベーションを上げる方が良いと思っています。

つまらなかったと思ってもSNSで騒ぐ必要は全くないわけです。友達との雑談ネタに取っておきましょう。

こういった事を言うと「つまらないと言ってあげる事が創作者のためだ」という価値観をお持ちの方もいるみたいですが、求められてもいないのに勝手にアドバイスをする人は単に自己満足の自慰行為ですし、公の場で行うのはやめた方が良いと思っています。アドバイスしたいのであれば、求められる立場になってからしましょう。

「楽しめる」という選択肢が多いことの幸せ

世の中には、常に何かに不満を持ち、批判を続けている人がいます。
まぁ、私はそういった人を見ると「楽しむことができる選択肢が多くてよかったなぁ」と思ったりします。
別に優越感というわけではありません。

ただ、批判することでしか物事に関われない人は、おそらくその作品から得られるものが限られてし舞うと思います。
一方で、楽しむ姿勢を持てる人は、同じ作品からより多くのものを受け取ることができると思っています。

創作物への向き合い方は人それぞれです。批評も一つの文化であり、建設的な批評は作り手にとって有益なものでもあります。

ただ、私には「つまらない」と断言する自信がありませんし、色々なものが楽しめていい世の中だなぁと切実に思います。

いいなと思ったら応援しよう!