Kindleで小説を発刊した話。
この度、Kindleで小説を発刊した。
作品名は『カラーズ。』
いつもnoteを見ていただいている皆さんへ、明日1月26日(月)から1月28(水)まで無料で読むことができます。
※追記: 日本時間の17時より無料キャンペーン適用になります。(Amazonの仕様)
※Kindle Unlimited会員の方は無料で読めます。
舞台はとある古びたニュータウン。劇的な事件は何も起きない。
代わりに、朝の毛布、古い町、バスの窓、何気ない風景の奥で、確かに何かが軋んでいく。
喪失の物語でもなければ、回復の物語でもない。
ただ、「世界がまだ色を持っていた頃」を忘れきれない人のための小説だ。
この作品は自分が正真正銘人生で初めて書いた小説で、それだけに思い入れがとても強い。
この小説を書くと決めた日から、自分の中でどうしても完成させなければならない、そんな気持ちで毎日少しずつ、一文字一文字を書き込んでは消して、そんなことを何百回も繰り返した。
一方で、この作品自体は正直読む人を選ぶタイプの小説で、いわゆる大衆向けのものではないと自覚している。
言ってしまえば賞レース向きのものではない。
でも、自分の作品をどうしても世に出したい、読んで欲しい。
その思いはだけは止めることができなかった。
自分の中で一つの目標である出版という形で、誰かの記憶の中でこの作品が生きて欲しい。そう思った時、私は作家になっていた。
Kindleで出版を決めた後、再度校正を繰り返した。また、実際にKindleで入稿した後も何度もそれを行った。
もしかしたらまだ完璧じゃないかもしれない。
だが、自分の中の第一歩として、自分を最大限削り切った形として、『カラーズ。』を世に出せたことは本当に心の底から嬉しい。
ところで、自分にとって小説とは何だろうかと考える。
詩でもなく、短歌でもなく、なぜ小説を書くのか。
それは、この作品が小説でなければならない理由があったからだ。
以前、趣味とは「成り果てること」だと書いた。
私はどこまでも成り果てたい。自分がどこまで自分を削り切って燃やし尽くせるのかを確かめたい。
だから、小説でないと駄目だった。私は自分自身を一番大きく賭けられる場所をここに決めた。
読んでいただければ分かるが、『カラーズ。』は冗長性を徹底して排除しており、読み方によっては短歌や散文詩のような作りになっている。
小説としての体裁は守りながら、どこまでも余韻と余白を最大に出せるよう、自分なりに書き切ったつもりだ。
もちろん、これは簡単なことではなかった。物事というのは説明するより説明しないほうが何倍も難しい。だが、私はこれ挑まないわけにはいかなかった。
プロットも無く、起承転結も薄い。
結果的にある種、現代の小説とは全く異なる物語になったとも言える。
とはいえ、これはあくまで書き手としての私の感覚であって、読者である皆さんがどう感じるかは全く別の問題だ。
私はこの作品に自分の生きてきたこれまでの人生を投射し、洗いざらい剥き出しにして、削り切って、最後に残った言葉だけを置き、そのうえで、作品は作品として私の手を離れた。いや、離すことができた。
これだけで充分私は満足だ。
どんな結果であろうとも、『カラーズ。』は私の創作の原点であることは変わらない。
今後について、noteではコハクシスと名乗っているが、作家としては川辺 悠としてこれから活動の枠を広げていきたいと思っている。
川辺 悠の由来について、“川辺”は川の流れだが、その中ではなくあくまで外縁。
“悠”は世界観、水の流れるが如く悠然と漂いたいという私の思想を込めている。
最後に、今回『カラーズ。』についてはKindle版とペーパーバック版を用意している。
電子書籍の方だと、Amazon側で自動調整されており、読みやすい反面どうしても作品自体が持つ余白や余韻などを最大限活かしきれないという欠点もある。
もし、この作品がよかったと思ったら、ぜひペーパーバック版も読んでみて欲しい。また別の味を楽しめることを約束する。
長くなりましたが、これからもよろしくお願いします。
コハクシス/川辺 悠
追伸:
この場を借りて、ここに至るまで下読みや感想など、応援していただいた全ての方々へお礼を申し上げます。
みなさんの応援が私の背中を強く押してくれました。
本当にありがとうございました。
