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セッション定番曲その261:Some Other Time by Leonard Bernstein

ジャズセッションの定番曲。地味ですが美しいメロディのバラード。Bill Evansで有名ですが、もともとはLeonard Bernsteinが作曲したミュージカル曲で、当然「歌入り」もあります。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。


ポイント1:Bill Evans Trio

1961年(ライブ)録音、ベストセラーアルバム「Waltz for Debby」の中の一曲。淡々とジャズハウスのBGM的に演奏されています。朧げにメロディが浮かび上がってくる感じ。実はこれを聴いても曲のイメージを掴むのは難しいかもしれません。

こちらはTony Bennettの歌入り。技巧的な歌手ではなく、物語を伝えるように歌う人。


ポイント2:Barbra Streisand

2009年録音。ミュージカル経験も豊富なBarbra Streisand。若い頃はその歌の上手さが大袈裟に聴こえて鼻につくこともありましたが、少し枯れてきていい感じに。お芝居が出来る人が歌うと、背景にある物語がイメージしやすいですね。


ポイント3:歌詞のポイント

タイトルの通り「時の流れ」をテーマにした歌詞です。

(ヴァース部分)

Twenty four hours can go so fast
You look around, the day has passed
When you're in love, time is precious stuff
Even a lifetime isn't enough

一日(24時間)なんてあっという間に過ぎてしまう
ハッと気が付くと、一日終わってしまっている気がする
恋をしていると、一瞬一瞬はとても大事なもの
人の一生でも足りないかもしれない

例によってヴァースは「ネタバレ」な内容になっていますね。

(ここから本歌)

Where has the time all gone to?
Haven't done half the things we want to
Oh well, we'll catch up some other time

一緒に過ごしたあの時間は一体どこへ行ってしまったのだろう
愛に費やそうとしてのに、半分くらいしか出来ていない
まぁ仕方ないね、またいつか会って埋めよう

「catch up」はここでは「久しぶりにあった相手と近況を伝え合う」という意味だと思います。未来形なので「今後会った時に離れていた間のことを話そう」と。あれ?好きな相手ならまた直ぐに会えばいいのに・・・何か事情がありそうですね。

This day was just a token
Too many words are still unspoken
Oh well, we'll catch up some other time

今日という日はただの「かたちだけのお印」みたいなもの
心はこもっているけど、そんなに素敵なものでもない
もっともっと言葉を交わすべきなのに・・・
まぁ仕方ないね、またいつか会って埋めよう

「token」は「兆候」「記念品」「引換券」「代用硬貨」という意味。一応、お金の代用になるけど、お金そのものでもないもの、と。

Just when the fun is starting
Comes the time for parting
But let's be glad for what we had
And what's to come

楽しい時間が始まったばかりなのに
それぞれの居場所に帰る門限が来てしまうもの
でも、一緒に出来たことや、これから訪れる期待を喜ぶべきだよね

There's so much more embracing
Still to be done, but time is racing
Oh well, we'll catch up some other time

もっともっと抱き合って過ごすべきだけど
が私たちを追い越していってしまう
まぁ仕方ないね、またいつか会って埋めよう

大人の恋、微妙な距離感のふたり。ちゃんと約束をして頻繁に会って過ごせばいいのに、特別な事情がありそうですね。もしかして不倫?「またいつか会おうね」なんて悲しい響きですね。「希望」寄りの解釈で歌うのか、「悲劇の予感」寄りの解釈で歌うのか、歌い手に委ねられますね。


ポイント4:曲の構成

ヴァース→AABAの構成です。さすがLeonard Bernstein先生、聴きやすいのに凝った進行。

リードシート例


ポイント5:様々なバリュエーション

Nancy Walker, etc. 1960年録音
ミュージカル版、終盤に歌われる曲のひとつでした。 


Karrin Allyson、1995年録音
今ではすっかりベテランになったKarrin Allysonの初期作品から。大袈裟ではなく相手に語り掛けるような表現。


Bill Charlap Trio、2004年録音
現代の名手によるバーンスタイン曲集から。


Art Farmer、1971年録音
柔らかなフリューゲルホーンの響きが曲調に似合っています。


Vocalogy、2005年録音
ジャズコーラス歌唱。こういうアレンジもいいですね。


ポイント6:同名異曲

「Some Other Time」はよくあるフレーズなので同名異曲もあります。

Fred Hersch, Esperanza Spalding、2023年ライブ録音


◼️歌詞

Twenty four hours can go so fast
You look around, the day has passed
When you're in love, time is precious stuff
Even a lifetime isn't enough

Where has the time all gone to?
Haven't done half the things we want to
Oh well, we'll catch up some other time

This day was just a token
Too many words are still unspoken
Oh well, we'll catch up some other time

Just when the fun is starting
Comes the time for parting
But let's be glad for what we had
And what's to come

There's so much more embracing
Still to be done, but time is racing
Oh well, we'll catch up some other time



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