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セッション定番曲その275:Roll Over Beethoven by Chuck Berry

ロックセッションの定番曲。セッションでは「ロックンロール・メドレー」の中の一曲として演奏されることも多いです。生きていると、いつそんな機会が来るか分からないから備えておきましょう。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。


ポイント1:Chuck Berry

1956年録音、「Johnny B. Goode」よりこっちが先です。ロックロールの疾走感、反逆精神おバカさ、すべてが詰まっています。

チェスレコード所属なので、ベースはWillie Dixonが録音に参加。よく聴くとドラムはまだまだロックンロールのハズむ感覚を掴めておらず、なんかダサいですよね。その過渡期的な感じも含めて、これを聴いた世界中の若者(の一部)が真似して自分たちなりのロックンロールを作っていった起爆剤でした。

ロックンロールが倒すべき仮想敵は「大人たちが聴いている古い音楽=クラシック音楽=ベートーヴェン」だ!という訳ですが、実際には自宅で練習しようとしていたら実姉がピアノでずっとクラシック音楽を練習していて「邪魔だなぁ」とイラついたことがきっかけだったらしいです。それだけ家の中で常に音楽が流れていた家庭だったということも伺えて面白いですね。

なんだか「何も無い荒れた家庭の子供が反逆精神だけでロックンロールを生み出した」というのは勘違いですね。何も無いところからは何も生まれにくい。


ポイント2:The Beatles

1963年録音。ビートルズが「常に人類愛を歌っていたグループ」だと勘違いしている人達も一部にはいるようですが、初期の彼らはこんな感じでした、反逆精神の塊。ライブではもっと凶暴に演奏していたはずです。当時の英国の状況は「若者なんて社会の最下層」「俺たちにはギターとロックンロールしか信じられるものはない」という閉塞的な感じだったんでしょうね。

4人のパワーと創造力をうまくプロデュースしてくれて、ビジネスのマネジメントもしてくれる「大人」が早い段階から存在していたのが成功の要因。

タブ譜付きのデモ演奏例
https://www.youtube.com/watch?v=3-p93Nbf5Yk


ポイント3:Mountain

ハードロック世代の私にとって、この曲といえばコレ。
ボリューム調整によるバイオリン奏法から始まって、当時(1971年?)の最先端のロックギターテクニックが満載。この音圧は強いけど柔らかい音色が「ヘヴィメタル以前のハードロック」の特徴でした。Leslie Westの強烈な喉声もロック向きでしたね。

日本のロックギタリストでもMountainのライブ盤をコピーして勉強したと語っていた人達が沢山いました。


ポイント4:歌詞のポイント

Well, I'ma write a little letter, I'm gonna mail it to my local DJ
Yeah, it's a jumpin' little record, I want my jockey to play
Roll over Beethoven, I gotta hear it again today

地元のラジオ局のDJにリクエストを送るぜ
「ロックロールを流してくれ」ってな
ベートーヴェンなんてぶっ飛ばそうゼ

You know my temperature's risin', the jukebox blowin' a fuse
My heart's beatin' rhythm, and my soul keep a-singin' the blues
Roll over Beethoven, tell Tchaikovsky the news

頭の先までカッカしてくる、ジュークボックスのヒューズも飛んじゃう
全部ロックロールのせいなんだ
ベートーヴェンもチャイコフスキーもまとめてぶっ飛ばそう

「Rock'n Roll」という言葉は既にありましたが、一般的には「Rhythm and Blues」との区別はまだ付いていなかったかもしれません。うるさい、若者を煽動する音楽として一括りにされれていた、と。

I got the rockin' pneumonia, I need a shot of rhythm and blues
I caught the rollin' arthritis sittin' down at a rhythm revue
Roll over Beethoven, they rockin' in two-by-two

「pneumonia」は肺炎、「a shot」は注射、「arthritis」は関節炎。
どうもロックロール熱に冒されて身体のあちこちがヤバい状態のようです。
医学用語なので発音が意外と難しいです。「pneumonia → nuːmóuniə(先頭のpは発音しない)」「arthritis → ɑrθráitis」。

という感じで、言葉遊びも含めてあまり意味のない歌詞がすごいスピードで歌われていきます。意味なんて考えちゃダメです、吐き出すように歯切れよく歌いましょう。


ポイント5:様々なバリュエーション

Jerry Lee Lewis、1965年録音
ベートーヴェンならピアノ弾きのJerry Lee Lewisだろう、と。ロックロール初期には狂ったように鍵盤を連打するピアノ奏者の存在感は大きなものでした。分かりやすい、ならず者。


Electric Light Orchestra
、1973年録音
ストリングス奏者がメンバーにいた初期のELO、「ジャジャジャーン」をイントロに付けたバカみたいなアレンジですが、途中のブイレクもオリジナルで面白いです。


The Rolling Stones、1963年ライブ録音
The Beatlesよりもずっと性急で荒っぽい演奏。リズムの不器用さもパンクっぽくて味があります。


Uriah Heep
、1973年ライブ録音の「ロックンロール・メドレー」
文学性のある歌詞と陰翳のある曲と演奏、ライブでの大音量で人気を得ていたバンドですが、ライブ終盤はこのロックンロール・メドレーの馬鹿騒ぎで締めていました。実はコーラスも得意だった彼らならでは。


内田裕也
、1964年録音
歌は下手だし、英語の発音はデタラメで、何が評価されていたのか今では分からないない「ロックンローラー内田裕也」。これは日本語歌詞(ダサい)で歌ったもの。この歌詞の内容が当時「ロックロール」が日本の音楽(歌謡曲)シーンでどう理解されていたのかなんとなく示唆していますね。演奏はなんだかサーフロックっぽい。と思ったら歌詞に何の脈絡もなく「サーフィン」が出てくる。


◼️歌詞

Well, I'ma write a little letter, I'm gonna mail it to my local DJ
Yeah, it's a jumpin' little record, I want my jockey to play
Roll over Beethoven, I gotta hear it again today

You know my temperature's risin', the jukebox blowin' a fuse
My heart's beatin' rhythm, and my soul keep a-singin' the blues
Roll over Beethoven, tell Tchaikovsky the news

I got the rockin' pneumonia, I need a shot of rhythm and blues
I caught the rollin' arthritis sittin' down at a rhythm revue
Roll over Beethoven, they rockin' in two-by-two

Well, if you feel and like it
Go get your lover, then reel and rock it
Roll it over, then move on up just
A trifle further and reel and rock with
One another

Roll over Beethoven, dig these rhythm and blues

Well, early in the mornin', and I'm givin' you my warnin', don't you step on my blue suede shoes
Hey, diddle-diddle, I'ma play my fiddle, ain't got nothing to lose
Roll over Beethoven, and tell Tchaikovsky the news

You know she wiggle like a glow worm, dance like a spinnin' top
She got a crazy partner, you oughta see him reel and rock
Long as she got a dime, the music won't never stop

Roll over Beethoven, Roll over Beethoven
Roll over Beethoven, Roll over Beethoven
Roll over Beethoven, dig these rhythm and blues



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