旅68-トルヒヨってカハマルカったらセレンディン
ワスカランのトレッキングが終わり、後回しにしたペルー北部へ戻っていく。行程を戻ることなく進むことの多い僕の旅においては、結構レアなケースだ。もちろん、ワスカラントレッキングツアーの季節を優先したのは間違いではなかった。あれからワラスは雨続きのようである。
アンデスの山の小道をミニバスで行くことも考えたが、あまりに時間がかかる。そういえば、ペルー北部の遺跡も見ていない。一度海岸に降り、ペルー北部最大の見所チャチャポヤスに向かう。その途中にはトルヒーヨ・カハマルカ・セレンディンという、少々見逃せない3つの街を刻んで行く。
ワラスを夜に出発するとトルヒーヨには早朝に着く。LINEA社のバスターミナルからセントロは危険なのでタクシーで。セントロに着くとすぐに客引きが寄ってくる。すべてがトルヒーヨ周辺の遺跡のツアーの斡旋なのだが、安い。ガイドブックに書いてあるような遺跡を一日で回って30ソル。日本円で言うと1000円しないのだ。半日くらいでチャンチャン遺跡だけでいいと思っていたが、あまりの安さに予定を変更。太陽&月のワカ、ドラゴンのワカ、チャンチャン遺跡を廻る。僕の中では意外にドラゴンのワカが良かった。


もちろん規模としては一番小さいが、壁画がカッコいいのだ。描かれているこれがドラゴンなのかどうか、実は分からないらしい。けれど、カッコイイし美しいんだから何の問題もない。もちろん、他2つも壮大なので写真は載せます。








トルヒーヨに戻り、路上絵に感激。完成するのを待ち、次の町へ。トルヒーヨには1泊もせず、夜行IN&夜行OUTなのだ。


次はカハマルカ。北部山間部では最も重要な街だ。トルヒーヨからの道は曲がりくねり、かなりの高度を越えていく。早朝着。セントロまではタクシーを使わずミニバスを使う。田舎に来ると郊外の治安は良くなっていく感じがする。
アルマス広場周辺にはいくつか宿が並んでいる。安そうな所へ。1件目で当たりを引く。自分の感もたいしたもんだ。それもグアテマラのパカヤ火山に一緒に登った子とバッタリ再会。まったくの偶然。偶然の再会は特にうれしいものだ。今回も彼女と一緒にクンベ・マヨへのツアーに参加。クンベ・マヨは紀元前に作られた水路も有する、“石の森”だ。



標高3500m、巨大な岩が立ち並び、僕らの声がコダマする。山の美、森の美。岩の美、緑の美。遺跡じゃないけど、歴史を感じさせる自然だ。自由奔放なガイドのオヤジと親日な韓国人の団体の醸す雰囲気が、ふんわり&ぽわっとした美しい石の森にマッチしていた。
カハマルカにはもう1つ、外せない見所がある。『バーニョス・デル・インカ』、インカの温泉である。ここはインカ最後の皇帝が入浴中に捕えられた場所とされている。そんなわけで、特別にインカの温泉なる名がつけられているのだ。さて、どういう温泉かと言うと、“いい温泉”。



入口付近に花の咲く庭、その向こうにモヤっとした湯気が見える。これが湯畑と言われるものだ。泉温は71℃。畑と言ってももみたいなものがユラユラと揺れているだけだ。ただ、温泉だ!と僕の心もユラユラと揺れるわけである。バスタブに浸かることが少ない海外の旅。温泉は横目に通るわけにはいかない。実際に入るのは個室風呂。いろいろなタイプがあるが、係員のお勧めA.Raimondiを選ぶ。自分で湯を入れ、水で温度を調整する。ワラス近郊のモンテレイと違い、無色無臭の淡白な温泉だ。湯出口がある程度高く、シャワーのように浴びることができる。温まって、お湯を抜き、体を洗い、またお湯をためて温まる。ぬるい温泉が多いペルーの中では秀逸であり、肩まで浸かれる。ゆったり2時間、旅疲れの身体から疲れが浮いていくようだ。
カハマルカから更にバスで4時間の山中にセレンディンがある。密かに楽しみにしていた街であった。旅行記『気がつけば南米』ではソンブレロの町と紹介されている。けれどそれは2003年以前の話。今はそれほどの着用率ではない。ちょっとがっかりしていた次の日の朝、メルカドの食堂に、いた!




ソンブレロを被った団体が。これかこれか。今日はなぜか大きなソンブレロ、つばのオラオラと変形したやつがズズッと道を歩いていたりする。何もない町ではあるが、もう一日滞在してもよかったかな、と。
そして、チャチャポヤス行きのバスに乗り込んだ。チャチャポヤスこそ、ペルーで一番楽しみにしている所である。ザザザッと3つの町を通り過ぎ、目的地に向かう。
