旅59-僕はブランコで大空へ飛ぶのだ!
マニサレスへはメデジンからバスで4時間。
メデジンより標高が高いが暖かく、人の心も温かい。
“花祭り”の合間を縫って訪れた町ではあるのだが、
壮大な旧市街、芸術的なストリート、5000mを超える雪山と、
見どころたっぷりの、落ち着いて滞在したい町なのだ。
この町の見所はカテドラル周辺とカブレ地区、丘の上の展望台。
セントロにあるカテドラルや教会は町の規模に似合わず、すごい。




高いビルも多い。
コロンビアは先進的で経済力がある国であること再度実感する。
カブレ地区のメインストリートには芸術的な像が立ち並ぶ。
この圧倒的なクオリティーの像が町中に並べられている事実は
驚愕すべきことだ。







この地区は旅行代理店やお洒落な店が集まっていて、
ふらっと訪れ、ふらふらと歩いてみるのは結構楽しい。
この街を訪れたキッカケは、ルイス山へのツアーだった。
2400mのこの町からルイス山へのツアーが出ている。
先日まで標高0mのカルタヘナの蒸し暑さを感じていたが、メデジンへ、
そしてマニサレスと次第に高度を上げアンデスへ来たことを実感する。
ルイス山は標高約5400m、この山へのツアーは登頂目的でなく、
5100m辺りの雪があるところまで一日で行って来よう~、というものだ。
綺麗なルイス山を見て天然の雪に触れることができるお手軽ツアーだ。
とはいえ、5000mオーバーである。
僕にとっても、もちろん、初の高度、である。
朝早くホテルへ迎えに来たバスは、市内を廻り、人を集めていく。
市内を出る前には防寒具の販売所へ。
一応毛糸の手袋とマフラーは持参している。冬の欧州から来たからね。
朝早かったためバスの中ではウトウトして、いつの間にか熟睡。
耳、痛い。うう、寒い。目が覚める。
コロンビアのバスは寒いのだ。冷房効き過ぎ。毛布持参者多数。
暑い国では凍えるほどの冷房がGreat Serviceなのかもしれないと思う。
メデジンからマニサレスまでのバスも極寒だった。おい、マイクロもか!
いいえ、違いました。気温が下がっているのです。外気温が。
「ここで昼食です」…皆、先に温かい飲み物スタンドへ足が向く。
その横には防寒具が並んでいる。
市内を出る前は見向きもされなかった毛糸類に皆の目線が集中。
僕もニット帽を購入。間違いなく必須だ。
寒いけれどここはまだ4000mを越えたばかり、なのだから。
4800m地点に着く。途中の景色はすばらしいかったが今は岩だらけ。
赤道に近いと言ってもさすがはこの高度、群生は無理だよな。
防寒着を着こみ、ガイドの後を歩き始める。
これはこれは……、呼吸がすぐに乱れる。続かない、続かない。
空気が薄いのだ。ガイドもよく知ったもので、2分おきに休憩。
無理はしないでゆっくりね、マイペースでいいよ、とガイドは言う。
思いっきり空気を吸ってみる。おお、空気の薄さはあからさまだ。
自分より体力のない人もおおく、安心して高度体験を堪能する。
ほとんどを先頭で歩いた。後続を待ち、十分休憩をとる。
登ること約2時間、5100mの雪の大地へ。
ダダッと走り、雪の上にジャンプ。寝ころんで、写真。
別に雪が珍しいわけじゃないけれど、5000mオーバーの雪である。
僕のGPSは5134mを示していた。僕の現在最高高度、である。




降りていく。同じ道だが30分くらい。皆、元気になっている。
帰りは温泉なのだ。さすがお手軽おもてなしツアー。
山登りでかいた汗を…いや、汗なんかかけないくらい寒かったけど
あったかい温泉で体を癒すのだ。
満足感と達成感の残る次の日、市内にある丘の上の展望台へ。
僕は展望台には登らなかったが、かわりにブランコに乗る。
特大ブランコである。安全帯に固定され命綱を握る。
背中に付けられたロープがモーターで引っ張られ、
ブランコを大きく振り上げて、パチッ。
重力の法則に従って落ちて行き、空中へ体が投げ出される。
そして戻る。戻る、戻る。そしてそして、もう一度投げ出される。
アルプスの少女ハイジばりの、大空へ飛び出すようなブランコだ。


南米の旅は始まったばかり。
むこうの、まだ見ぬ、あの南の大空へ飛んでいこう!
